『8番出口VR』レビュー。VRだとおじさんに触ることができる! 通路が不気味で迫りくる赤い水がすっげえ怖い

byあぶ~山崎

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『8番出口VR』レビュー。VRだとおじさんに触ることができる! 通路が不気味で迫りくる赤い水がすっげえ怖い
 2023年11月29日にSteamで発売されたウォーキングシミュレーター『8番出口』。シンプルなルールと、異変を見つける間違い探しのような楽しさが合わさり、のちに“8番出口ライク”という1ジャンルを築いた作品だ。ファミ通の読者ならほとんどの方が知っているのではないだろうか。

 そんな
『8番出口』が2024年7月12日にVRになって登場する。対応機種はMeta Quest 3、Meta Quest Pro、Meta Quest 2。価格は先行予約で590円[税込]、通常価格は690円[税込]となる。インターネットの接続は不要なので、ダウンロードすればいつでも、どこでも楽しめる。

 今回、発売前にプレイする機会もいただけたので、VRならではの魅力に迫っていく。使用した機種はMeta Quest 2。なお、筆者は初めてVRに触るのでドキドキだ。
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赤い水とおじさん、迫りくる系の異変が怖すぎる

 内容を簡単に説明すると、延々とループする地下通路から“8番出口”にたどり着き脱出することが目的のゲーム。異変を見つけたら引き返し、なければそのまま直進。正解なら1番、2番出口のように数字が増え、不正解なら0から再スタートとなる。

 VRというだけあって臨場感たっぷり。足音や雰囲気など本当に駅の地下通路にいるようだ。そして、不気味。異変がなくても長居したくないと本能が訴えてくる。

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 正直な話、異変を事前に知っていても、実際にVRで体験すると意外と気が付かない。というか怖さが倍増しているような……。

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ふたり組の異変も健在。こっちを見ないで!
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顔が欠けたおじさんはのっぺらぼうに。VR版では異変が多少変化しているものがあるので新鮮な気持ちで楽しめる。

 VRだと
『8番出口』と比べて上下の異変は見つけやすく、左右の異変は見つけづらい。天井や床はパッと通路に出たときなんだかんだ、視界に入るのでわかりやすい。

 顕著だったのは天井に浮かび上がる顔のシミの異変。ふだんならけっこう見落としがちな異変のひとつだが、VRでは一発で発見できた。

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もうちょっと遠くからでもわかるほど、けっこうくっきり。ちなみシミの形がVR版では反転している。

 この違和感はなぜなのか、
『8番出口』で確認してみたら、VRのほうが明るいライティングだということがわかった。通路が暗くないため、シミがいつもよりも目立っているのである。異変だけど異変じゃない。

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一方でこちらは『8番出口』における顔のシミの異変。溶け込みすぎて近づいても非常にわかりづらい。
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左右で見落としがちなのは、防犯カメラ作動中ポスターとドア系。とくに防犯カメラの目玉にはVRでも要注意だ。

 そして、数ある異変の中で筆者が恐怖したのは迫りくる赤い水と、早足でこちらに向かってくるおじさんだ。なにかが自分の方に目掛けてくる系はめちゃめちゃ怖い。

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凄まじい音とともに迫ってくるから、ふつうにビビる。チビる。
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おじさんの靴音もVRでは恐怖の対象に。

 ぜひ、この恐怖感マシマシになった異変を味わってほしい。さらにこれだけじゃない。『8番出口VR』ではVRならではの異変も登場する。こちらは自分でプレイして発見してみてほしい。最速クリアーできたからってまだ終わりじゃないぞ。

おじさんといっしょにループを抜け出したい


 ちょっとした小ネタを発見したので紹介したいと思う。本作ではVRの機能として、プレイヤーの手が現れ、コントローラ側面にあるグリップボタンでギュッと握ることができる。“今日も一日がんばるぞい!”のポーズで今日も元気よく異変探しだ。

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 そして、筆者は思った「あれ? 手があるならおじさんに触れられるじゃん」と。おじさんは、いままでこちらがなにしようとしても、一切歩きを辞めなかった存在だ。これでもし、おじさんの手を取れたなら、異変だらけのループからいっしょに脱出できると思い触ろうとすると……。

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 ゴトッ。「あっ……」

 おじさんがスマホを落としてしまった。え、なんかめっちゃ気まずい。

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 何回チャレンジしても触れたらスマホを落とすだけ。このまま落とし続ければなにか起こるかなと思ったが、けっきょくなにも起こらなかった。

 でも、急に怒り出したらそれはそれで怖いからやめてほしい。いつかおじさんの手を取りいっしょにループを抜け出す日はくるのだろうか。

 サクッと楽しめる
『8番出口VR』。お値段もプレイ時間もお手頃なので、新感覚となったVRの世界でも異変探しを楽しもう。

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 最後に操作やカメラについて。回転機能は“スナップ”と“スムーズ”があり、スナップはそのまま回転、スムーズは90度まで15度ずつ設定した角度で回転していく。筆者の部屋は狭すぎて振り向く際に危険を感じたのでスムーズを活用してプレイした。ちらっと見るときにも便利で非常にありがたい。おすすめは違和感の少ない15度。

 操作は簡単。左スティックで移動し、コントローラ前面にある“トリガーボタン”を押すとダッシュできる。視線は自分の首を動かすか、右スティックで視線(カメラ)を回転させることも可能だ。

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オプションではカメラ設定のほかセーブデータも消すことができる。

 そして、ダッシュがVRだと想像以上に速い。筆者は初のVRということで、視点を変えながら走っていたら、脳にガツンときてしまったため、ほかのゲームと比較できないがVR酔いに注意が必要かもしれない。

 プレイ時間はオリジナルと同じく15~60分程度。筆者は、VR初プレイで14分クリアーできたため、慣れている人であればもっと早く8番出口までたどり着くこともできるはずだ。ただ、異変はすべて見ることをおすすめする。

[2024年7月14日13時00分修正] ゲーム配信日時に誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
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