カプコンのゾンビパラダイスアクション『デッドライジング』シリーズ。その第1作のリマスター版が、2024年9月19日にプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに発売予定だ。
そのタイトルは『デッドライジング デラックスリマスター』。デラックスという名が付く通り、ただのリマスター作品ではない模様。いったい何がデラックスなのか、疑問に思った方も多いだろう。その疑問を解決すべく、ふたりのプロデューサー・川田将央氏と森本圭氏に直撃した。
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川田 将央氏(かわたまさちか)
『デッドライジング デラックスリマスター』プロデューサー
森本 圭氏(もりもとけい)
『デッドライジング デラックスリマスター』プロデューサー
タダのリマスターじゃない! “デラックス”なリマスターで復活
――『デッドライジング』を“デラックスリマスター”化した経緯を教えてください。
川田
『デッドライジング』というすぐれたIP(知的財産)を今後も盛り上げたい、現代に復活させたいと、社内でいろいろ検討を重ねた結果、今回は“デラックスリマスター”という形で商品化することになりました。
――『DRDR』という略称がいいですよね。
川田
そうですね、記憶に残るようにインパクトのある略称を考えました。
森本
手前味噌ですが、『デッドライジング』という作品にぴったりな名前だと思います。
――たしかに。“デラックス”と銘打っていますが、ふつうのリマスター版との違いは?
森本
『デッドライジング』は、過去にHDリマスター版を発売しています。このタイトルは現行機でもプレイできるので、同じものを出してもあまり意味がありませんし、より多くのユーザーに遊んでもらうためには、豪華なプラスアルファが必要だと考えました。そこでグラフィックとサウンドを改善したうえで遊びやすさにもこだわりました。
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――グラフィックがパワーアップしたのは、映像を観てすぐにわかりました。フランクの毛穴までクッキリしているぞ、と(笑)。
川田
本作のグラフィックは、当時PRで使用していたようなハイエンドモデルをゲームで再現することを目標として制作しています。最近はフォトスキャン技術の進化で再現度を高めるグラフィック制作が主体的になっていますが、今回は昔ながらの手作業で精細なグラフィックを作り上げる手法で進めています。
――グラフィックは文字通り手をかけていると。サウンドのこだわりも教えてください。
森本
本作は新たに3Dオーディオに対応していますので、以前のリマスター版よりも迫力あるゲームプレイを楽しんでいただけると思います。また、カプコンの経営方針でもあるのですが、世界中のユーザーに遊んでいただきたいという思いから、対応言語を大幅に増やしています。
ボイス9言語、テキスト14言語(※アラビア語は発売後のアップデートで追加予定)を収録しており、対応言語数はカプコンでもトップクラスだと思います。さらに会話部分のテキスト表現もフルボイス化を行い、例の無線もボイス化を追加しました。無線応答中でも自由にアクションができるようになったり、ゾンビから攻撃を受けても中断しないようになっています。
――ほかにこだわったポイントは?
川田
操作まわりの改善点を挙げるのであれば、銃を構えながら移動できるようになりました。昨年発売された『バイオハザード RE:4』同様の対応ですが、かなり遊びやすくなっていると思います。基本的にはオリジナル版のゲームコンセプトやゲーム体験は本作でも大事にしたいと思っていますが、時代に合わせた手触り感にはかなりこだわっています。また、評判がよくなかった生存者のAI(人工知能)も、遊びやすいよう調整しました。ただ、すべてを便利にし過ぎてもオリジナル版本来のよさを削いでしまう可能性があるので、残すべきところと直すべきところを見極めながら調整しています。
――ゲームエンジンは、“RE ENGINE”を使っているのでしょうか。
川田
はい。これまでの“RE ENGINE”作品で培った多くのノウハウが詰め込まれています。大量に出現するゾンビのクオリティーアップにも貢献していますよ。
――本作で初めてプレイする方はもちろん、オリジナル版やHDリマスター版をやり込んだ方も新鮮な気持ちで楽しめそうですね。ただ、オリジナル版が発売された18年前と比べると時代の変化によって表現を変えざるを得なかったところもあったのではないでしょうか。たとえば、サイコパス(フランクの敵となるクレイジーなキャラクター)という表現もいまでは難しいのかなと……。
川田
必要最低限、世の価値観の変化に合わせた対応はしています。ただ、ご指摘のあったサイコパスという名称に関しては、海外も含めた法務関連部署やマーケ担当とも使用の可否に関して検討を行い、最終的には問題ないと判断しました。基本的には当時の表現は可能な限り再現を試みていますが、一部表現が変わっている箇所に関しては状況を汲んでいただければ……(苦笑)。
――わかりました(笑)。ちなみに、対象年齢の審査は終わっていますか?
川田
オリジナル版と同じく、本作もCEROZレーティング指定(18歳以上のみ対象)になります。ただ、ゴア表現はオリジナルより過激になっています。レーティングの取得条件のため頭部欠損はありませんが、ゾンビの手足や胴体の切断表現はあります。さまざまな配慮から今後もPVなどではお伝えできないと思いますが。
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アシュリーにトロン、オルバスも!? フランクがコスチュームで二十変化
――発売日は2024年9月19日予定ということで、発表してすぐにリリースされるのですね。
川田
発表後すぐに遊んでほしかったので、できるだけ発売までの間隔を短くしました。それもあってダウンロード版を先行発売しましたが、パッケージ版も11月ごろ販売予定です。発売日はまだ確定していませんが、準備が整いしだい発表させていただきます。
森本
ちなみに9月19日はゲームの中で事件が始まる日と同じ日付なんです(笑)。
――パッケージ版は2024年11月発売予定ということなので、ダウンロード版なら約2ヵ月も早く遊べるのはうれしいです。
川田
ありがとうございます。昨今のフルプライスのタイトルと比較すると価格も比較的お求めやすく設定していますので、できるだけ多くの方に遊んでもらいたいですね。
――取材に先駆けて、予約特典でフランクのコスチュームが入手できると伺っています。コスチュームの詳細を教えてください。
森本
予約特典は3種類のコスチュームを用意していて、コスチュームのテーマに沿ったステージBGMも入手できます。ちなみにBGMはオプション設定から自由に変更可能です。デジタルデラックス版では、さらに17種類のDLCコスが追加されたお得なセットとなります。この記事の公開タイミングでは、コスチュームの名称とシルエットが公開されています。
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――どのようなコスチュームが収録されているのか教えてください。
森本
まずは『バイオハザード』シリーズから、リッカー、ネメシス、チェーンソー男がセットの“ヴィランパック”。もうひとつ、“ヒーローパック”がありまして、こちらはクリス、レオン、アシュリーになります。
――アシュリー!?(※)。
※『バイオハザード RE:4』に登場したメインヒロイン。森本
アシュリーです(笑)。つぎに“ロックマンパック”のコスチュームは、『ロックマンエグゼ』シリーズのロックマンと光熱斗、『ロックマンDASH』シリーズのトロンです。
――コブンじゃなくてトロン(※)……?
※空賊の女の子。『トロンにコブン』の主人公。森本
トロン様ですね(笑)。そして、格闘作品のコスチュームがセットになった“カプコンファイターズパック”には、『ストリートファイターZERO』シリーズのケンとソドム、『ヴァンパイア』シリーズのオルバス、『サイバーボッツ』のブロディアが入っています。あと、本作の舞台をイメージしたオリジナルのパックを用意していて、こちらには4種類のオリジナルコスチュームを収録しています。
川田
今回は『デッドライジング』のIPを復活させるということで、コスチュームもカプコンの懐かしいタイトルから選びました。
――アシュリーやトロン、オルバス(※半魚人のイケメンキャラクター)のコスチュームもあるので、正直、混乱しています(苦笑)。
川田
コスチュームのビジュアルは今後公開する予定なので、それまでにフランクがどんな姿になるのか、想像してもらえれば(笑)。
森本
コスチュームはイベントシーンにも反映されるので、同じイベントシーンでも、また違った印象で楽しめると思います。
川田
今回はコスチューム依存の能力追加などはないのですが、着用コスチュームによってゾンビとの戯れかたも変わってきてゲームプレイもさらに楽しくなると思います。本編と合わせてご期待ください。
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