あまねく要素がブラッシュアップされた、まさに決定版
オリジナル版と大きく異なるのは、パッと見でもわかるようにやはりビジュアル面。HD画質になったのはもちろんだが、キャラクターのモデリングを一新。『ゼノブレイド2』を彷彿とさせるようなアニメ調に仕立てられている。顔立ちもはっきりし、よりカッコよく美しくなったのが筆者的にはうれしいところ。
ハードの性能向上に伴い、あらゆるオブジェクトの質感にも磨きがかかっていて、朽ちた機神兵の錆びた表現などは時間の経過を感じさせてくれて非常に満足できる出来栄え。広大な草原の揺れる草木や点在するモンスターなど、フィールドを構成するすべてが美麗になって探索をより楽しいものにしてくれている。オリジナルのWii版でも景色の美しさが話題になったタイトルだったが、そこからまた一段とパワーアップしているのだから凄まじい。BGMもまた人気が高く、美しい風景と相まっていい意味で情緒をかき乱してくれる。
巨神と機神の巨大なむくろの上で人々が暮らしているという設定が特徴的で、主人公たちはさまざまな種族と力を合わせながら、故郷を襲撃した機神兵と戦っていく。本作では本編の最終決戦から1年後の世界を描いた追加ストーリー“つながる未来”が収録されていたので、オリジナル版をすでに遊んでいたユーザーからも大きな注目を集めていたのが記憶に新しい。新機能の“イベントシアター”では一度見たムービーシーンやキズナトークを見ることも可能となったのがありがたい。
シームレスに始まるリアルタイム形式のバトルも『ゼノブレイド』の見どころのひとつ。とくに主人公シュルクが時折視ることになる未来視(ビジョン)の存在がユニークだ。文字通り数秒先の未来が見える能力になっていて、これから起きることを仲間に教えてあげたり、防御系のアーツで対策したりすることで、敵の攻撃で大ダメージを受ける未来を回避するといったことができる。敵の攻撃の予兆にドラマ性を持たせた素晴らしいアイデアで、初めて体験したユーザーのほとんどが思わず感心してしまったのではないだろうか。