『アルティメット スイング ゴルフ』体験レビュー。あまりの完成度にMeta Questの導入を決めた! それほど楽しいVRゴルフゲーム

by大塚角満

『アルティメット スイング ゴルフ』体験レビュー。あまりの完成度にMeta Questの導入を決めた! それほど楽しいVRゴルフゲーム

ゴルフゲームの、ひとつの答えだ!!

 ワタクシ、大塚角満が初めて記名でプレイ日記を書いたゲームは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時。現在のSIE)から発売されたプレイステーション2用オンラインゴルフゲーム『みんなのGOLF オンライン』だった。ファミ通のニュース担当責任者だった俺は、プレイステーションをオンラインの世界に導くこのゲームにもイチ早く飛びつき、瞬時に恋に落ちて、

 
「『みんGOLオンライン』の楽しさを、全国のゲームファンに届けなくては!!」

 ってことで、仲間数人と“みんGOLオンラインプレイ日記”の連載を始めたのである。

 そんな、思い出の
『みんGOLオンライン』を始め、数々の“みんGOLシリーズ”の開発を一手に手掛け、発信し続けてきたのが、ゲーム開発会社・クラップハンズである。俺は『みんGOLオンライン』以来、すっかりこのシリーズに魅せられて、気づけばファミ通内のクラップハンズ担当に。以降、新作が発表されるや横浜のオフィスにお邪魔して、体験プレイやインタビューをやらせてもらってきた。そしてそれは、俺がファミ通を辞めて独立してからも変わらず、クラップハンズの皆さんは新作ができるたびに、

 「角満さん! ぜひ遊んでみてください!!」

 と、真っ先に声を掛けてくれたのである。

 ……という前提のもと、ここから書くレビュー記事をお読みいただきたい。
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『アルティメット スイング ゴルフ』Meta Quest ストアサイト※この記事はクラップハンズの提供でお届けします。

 2024年5月のある日。

 件のクラップハンズさんからひさびさに、

 「角満さん! 遊んでほしいゲームがあります!!」

 とのお声が掛かった。そのタイトルこそが、5月17日発売(つまり本日!)のMeta Quest対応ゴルフゲーム『アルティメット スイング ゴルフ』!! “Meta Quest対応”でわかる通り、ゴリゴリのVRを活用した、超リアルかつ“クラップハンズらしさ”も満載した究極のゴルフゲームである!!

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 じつはこのゲームについては2024年4月12日に行われた発表会の記事を読んでいたので、だいたいの概要はわかっていた。しかも俺は、同じクラップハンズが制作した『みんなのGOLF VR』も遊び、レビュー記事を書いたことがあるので、

 
クラップハンズ×ゴルフゲーム×VR

 のなんたるかは、プレイしないうちから理解したつもりになっていたんだよね。
 発表会の記事で踊っていた、「めちゃくちゃリアル!」、「本当にゴルフをしているみたい!」という文言を読んでも、

 「うんうん! だろうね! わかるわかるww」

 ゲームをしないうちから納得して、ひとり激しく頷いていた。……でもこれがのちに、

 「すんげえ浅はかだった……!!」

 という激しい反省と後悔を生むことになるとは、この時点ではまったく予想できなかったわ……w

 この発表会から半月ほどが経過したころ、俺の自宅に小さな段ボール箱が送られてきた。送信元は……クラップハンズ! 中にはVR/MRヘッドセット“Meta Quest 3”が……!! どうやらこれで実際に、
『アルティメット スイング ゴルフ』で遊ぶことができるようだ。俺がMeta Questを所有していないと知って、なんと機材ごと貸してくれたのである。この心遣い……! 旧知の間柄って、ホントにありがてえなあオイ!!(涙)

 となれば、何を置いても
『アルティメット スイング ゴルフ』を遊び込まねばならない。しかし、前述の通りMeta Questに触るのも初めてだったので、かな~~~りおっかなびっくりに設定を行ったんだけど……ぜんぜん簡単なのなwww ヘッドセットを箱から出した数分後にはソフトを起動し、リアルタイプのゴルフゲームではポイントのひとつである“自分の腕の長さ”なんかを簡単に設定し終えて、気が付けば……!!

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 うお……!! バーチャル空間の中にダイブしたよ俺……! それも……!! リアルかつ美麗なゴルフ場のロビーの只中に立っているんだけど、目の前の受付嬢とかキャディーさんとか、メニューの表示とかが“いかにもクラップハンズ”なかわいらしいデフォルメがなされていて、安心感がハンパない!!

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これはアバターの編集画面。顔やウェアもかなりの数が用意されているので、けっこう個性的な容姿にできるかも!?
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4人のキャディーはもちろん、着せ替えや色替えが可能。チャレンジを進めて対決し、勝利することで、コスチュームがアンロックされていったりする。

 ただただリアルなだけじゃなく、いい意味でゲームっぽさを出すためにあらゆるデザインがこだわりまくられているのがよくわかるわ!!

 とはいえ、ロビーはロビー。ゴルフゲームの真骨頂は、コースに出てからである。

 「俺、こう見えてゴルフゲームにはうるさいからな。VRもやり込んだし。なのでそう簡単には驚かないけん」

 しかつめらしい顔でつぶやきつつ、「ドライバーで●ヤード以上飛ばせ」やら「スコア-2以下でラウンドしろ」なんていうさまざまなお題が用意された“チャレンジ”を遊んでみることにした。コレの初級はチュートリアルなので、
『アルティメット スイング ゴルフ』のなんたるかは、このモードをクリアーしていけば見えてくるだろう。

 ってことで、コースに出てみたんだけどさ……((゚Д゚;))

 こ、これが……!(((( ;゚Д゚)))

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『アルティメット スイング ゴルフ』には、風光明媚な5つのコースが用意されている。こちらは“フォレストコース”。「緑豊かな自然に囲まれた森林コースです。ヤーデージ(グリーンまでの距離)は短く、フェアウェイは広めで起伏も緩やかな初心者向けコースです。ここで基本を学びましょう」(公式リリースより。以下同)

 もうッッ!!!!

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こちらは“ビーチコース”。「色鮮やかな花々が彩るビーチコースです。ヤーデージは短く、フェアウェイが広めなところは初心者向けのコースですが、砂浜はバンカーとなるので注意が必要です」。

 ホントのゴルフコースに立ってるとしか思えねええええええ!!!(驚) な、なんだこの奥行と臨場感……! 「簡単には驚かん」なんて言ってた俺、いますぐ菓子折り持ってクラップハンズに謝りに行ってこいよ……><

 『アルティメット スイング ゴルフ』のコース上の風景は、極めつけにすばらしかった。

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ここは“シティリゾートコース”。「高層ビルが立ち並ぶ都市リゾートコースです。ヤーデージはやや長く、フェアウェイの起伏もやや目立つ中級者向けコースです。人工物付近はアンプレヤブルになりやすいので注意が必要です」。

 ティーグラウンドに立っているだけで、そこに吹くそよ風や草の匂い、早朝だったら朝露の冷たさまで感じられるのでは……と思ってしまったくらい、リアルかつナチュラルに“外の気配”を察することができる。その風景の中でさりげなく動くチョウチョやトンボといった生き物たちも、自分がいま自宅の中にいるという事実を忘れさせる格好のスパイスになっているしさ……。

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和の雰囲気が満載の“メイプル”コース。「色づいた紅葉が美しい山水コースです。フェアウェイは狭めで起伏が目立ち、ラフにも転がりやすい中級者向けのコースです。グリーンも砲台形状が多く、難易度は高めとなっています」。
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大迫力の“キャニオンコース”。「荒々しい岩肌がそびえ立つ峡谷コースです。ヤーデージは長く、起伏も高低差も目立つ上級者向けコースです。崖が多いためO.B.になりやすく、ショットの精度が求められます」。

 「うーーーむ……! これはしかし、とんでもねえなぁ……!」

 VRのゲームは初めてじゃないくせに、その没入感に素直に圧倒される。傍に立つキャディーさんも息遣いを感じるほどで、改めてMeta Questというハードの表現力の高さに驚かされてしまったわ。

 そんな、ゴルフをするには最高のシチュエーションでクラブを握る。
『アルティメット スイング ゴルフ』はタイトル通り、クラブ(コントローラーね)を振ったときのスピード、角度が“ゴルフ的に”分析されて打球に反映される……という仕組みになっている。つまり、強く振ればパワフルな打球(遠くに飛ぶってことね)になり、インパクト時のフェースの角度によっては真っ直ぐにも、右に左にと打球がすっ飛んでいく。

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 そういう理屈はわかったうえでアドレス(構え)し、リアルゴルフとまったく同じつもりでコントローラーを振るった。

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 すると……!!

 「ナイスショット♪」

 キャディーさんのかわいい声援とは裏腹に、我が打球はカミソリシュートの如く思いっきりスライスして、ラフの中にボトンと落ちる(苦笑)。俺はリアルゴルフにおいてもスライス癖があるんだけど……それが完璧に再現されちまったよ!!((゚Д゚;))

 アプローチではさらに繊細なパワーコントロールが要求されて、

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 アイアンを振る力加減は慎重に慎重を期さないといけない。でも、これまたリアルゴルフでよくあるんだけど、

 「あ!! 強すぎ!! グリーン越えた!!><」

 となり、続く返しのアプローチでは、

 「さっき強すぎたから、弱すぎなくらいでいいや^^;」

 ってんで本当に弱くすると……グリーンの遥か10メートルくらい手前でボテボテとボールが転がったりする。

 ……これと同じようなことが、
『アルティメット スイング ゴルフ』では起こり得る(苦笑)。ボタンを押すタイミングだけで完結していた従来のゴルフゲームとは異なり、力加減は自分のスイング次第なので、リアルなコースに現れる事象のほとんどが、このVR空間でも起こると考えていい。

 しかし、そこはさすがゴルフゲームの雄・クラップハンズである。

 先日、4人での対戦プレイを体験するためにオフィスにお邪魔し、社長の村守将志さんを始めプロモーションディレクターの八木宏之さんらにお話を伺ったんだけど、こだわりのポイントのひとつに、

 
“リアルすぎないこと”

 を挙げられていて目から鱗が落ちた気がしたよ。じつはプレイしながらも思ったんだけど、ゴルフなんて何年もやっていない俺のヘナチョコスイングでもゲーム内でいい感じに解釈(としか言いようがない)してくれて、キチンとゲームとして成立する形で反映してくれているのである。もちろん、下手なことには変わりはないので、思い通りのところにはなかなか飛ばないし、繊細なアプローチやパッティングで苦労はするんだけど、絶妙にストレスに感じないところに収めてくれているので、全体を通して、

 「なんか……めっちゃ気持ちよくラウンドできるんだけど!!」

 という満足感が凄まじいのである。こういったリアルさとカジュアルさのバランスは、このジャンルにこだわり続けて活動してきたクラップハンズならではの匠の技だし、いち早くVRのゴルフゲームも作ってきたノウハウも大きいと思う。

 そのバランスが絶妙だからこそ、

 
“ゴルフがうまい人は、キチンとそれが反映される”

 ↑これが実現していることを見逃してはいけない。チープな言いかたになっちゃうけど、ゴルフをまるでやったことのない層から、シングルで回れるような手練れのプレイヤーまで幅広く受け止めてくれるだけの懐の深さが、
『アルティメット スイング ゴルフ』の最大の魅力と言える。村守社長は、

 「誰でも取っ付きやすいようにカジュアルな味付けをしてありますけど、リアルゴルフのツボはしっかりと押さえてあります。ゆえに、打ちっぱなし替わりの練習にも使えると思いますよ」

 と胸を張る。俺も自宅で遊びながら、「このゲームをやり込んで、リアルゴルフに復帰しようかな……!」ってマジで思ってしまったからな。

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 自宅ではおもに、先のチャレンジモードでいろいろな課題に取り組んでいたんだけど、ゲームが進むとNPCとの対戦が行われたりする。そのとき、NPCの対戦相手といっしょにコースを回るわけだけど、このときの見え面がだなぁ……!!

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 うっは……!! マジでほかの人といっしょに回ってるよ……!! 臨場感が、ますます際立ってきた!!!

 あまりの現実味に感動もひとしおだったんだけど、聞けば
『アルティメット スイング ゴルフ』は、

 
「複数での対戦プレイが、もっともこのゲームを楽しめるシチュエーションです!」(八木さん)

 とのことだったので、前述の通りクラップハンズのオフィスにお邪魔して対戦プレイを体験させてもらった。

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クラップハンズの会議室におじさん4人が集まって、キャイキャイとはしゃぎながらゴルフに興じるの図w

 今回はWi-Fi環境下でのプレイだったけど、実際は全世界(グローバルで同時発売なのだ)のプレイヤーとネットで繋がり、4人同時にラウンドできるというからタマラナイ。また、個別にルームを作って入室パスワードを設定することで、特定の知り合いやネット友だちと遊ぶことも可能だ。

 さて、対戦プレイをするためにロビーに入っていくと……いるいる!! いっしょにラウンドするゴルフ仲間(村守社長を始めとする開発チームの人たちね)が!!!

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 ボイスチャットに対応しているので耳元から、

 「今日はよろしくお願いします~!」

 「晴れてよかったですね~~~!」

 などなど、いかにもゴルフのラウンド前っぽいわざとらしい挨拶の声が聞こえるww また、アナログスティック押し込みで簡易チャット(「ナイスショット!」とか「おしい!」なんてやつね)のコメントを選択できるので、それによるコミュニケーションも可能。外国人プレイヤーには翻訳されて表示されるってんだから、このへんも至れり尽くせりなのだ。

 そして、実際に何ホールか4人で回ってみたんだけど……!

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これがもう、リアルゴルフそのもので楽しいったらない!!

 ほかのプレイヤーのショットを間近で見る臨場感が凄まじいのはもちろん、“見られている”という感覚もじつにリアルに感じるので、ティーショットは非常に緊張した(苦笑)。それでも、パワーとフェースの角度に注意しながら、思いっきりドライバーを振って……!

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 「よっしゃ!! ナイスショットだ!!!」

 会心の一打が打てたときの快感と感動も、他のゴルフゲームでは絶対に味わえないものだと確信したわ……! 時間の都合で数ホールしか回れなかったけど、ぶっちゃけそのまま18ホールやってしまいたかったよ。

 ゲームで遊んでこれほど純粋に、

 「楽しすぎる!!!!」
 
 って思ったの、果たしていつ以来のことだろう……。
ゲーム的なおもしろさとスポーツの楽しさが見事に掛け合わさっているからこそ、心が沸騰するようなワクワクをもたらしてくれるんだろうな。

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これは、自分のまわりの風景を背景として利用できる“MRプレイ”の様子を表したもの。※画像はイメージです

 そして俺は、ひとつの確信を得た。

 VR、ゴルフ、クラップハンズの有機的な絡み合いにより生まれた
『アルティメット スイング ゴルフ』は、2024年5月時点における、ゴルフゲームのひとつの“答え”なのではなかろうか。とくに、複数人でラウンドする対戦プレイの完成度は、クラップハンズが長年にわたって練り上げてきた“ゴルフゲームの楽しさの結晶”以外のナニモノでもないし……!!

 そんな、究極のゴルフゲームを遊ぶにはMeta Questシリーズを導入する必要があるわけだけど、それに踏み切らせるだけのパワーがあると確信した次第だ。

 ……そう。

 俺は今回の体験プレイを経て、Meta Questを購入することに決めました。じゃないと、このとてつもない楽しさをみすみす逃すことになっちゃうわけだし!! ハードを導入するきっかけとして、
『アルティメット スイング ゴルフ』は十分すぎる理由になるのだ!!!

 てなわけで、5月17日の発売日を誰よりも楽しみにしておりますw

 おしまい。

アルティメット スイング ゴルフ

  • 対応プラットフォーム:Meta Quest
  • 発売元:クラップハンズ
  • 発売日:2024年5月17日発売
  • 価格:2990円[税込]
  • ジャンル:アクション
  • 対象年齢:IARC 3歳以上対象
『アルティメット スイング ゴルフ』Meta Quest ストアサイト
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