カプコン アーケードキャビネット -レトロゲームコレクション-|ファミ通.com

闘いの挽歌

闘いの挽歌

アーケード発売日:1986年4月 1人プレイ専用

主人公の“リュウ”は、剣と盾を使って敵の攻撃から身を守り、悪の軍団が支配する世界を突き進む。全2周のゲームで、2周目のラストボス“剣王”を倒すとゲーム終了となる。

ストーリー・システム説明

「核戦争が終局を迎えた世紀末、剣王の率いる悪の軍団によって支配され続けている世界があった。この世界の人々は悪の軍団の横暴なやり方に怯えながらの生活をすごしていた。すべての武術を習得している君は、剣王の力に怯えている人たちの依頼を受け、この世界に再び平和を呼び戻すべく悪の軍団に立ち向かうのであった」

 敵の攻撃を盾で防御し、剣で攻撃して敵を倒していく横スクロールアクションゲーム。ジャンプはレバーを上および斜め上方向に入れて行う。JUMPと描かれた場所でレバーを上に入れると、通常より高い垂直ハイジャンプをすることが可能だ。

 盾はたいていの攻撃を防ぐことができるが、ナイフ使いの投げてくるマジックボールを盾で受けると、盾と剣が飛ばされてしまう。この状態では、剣の代わりにパンチ、盾の代わりにキックが出せるが、防御できないので弱体化する。ちなみに飛ばされた盾と剣は、画面上のどこかにアイテムとして存在。その場所に行って拾うことで、プレイヤーは盾と剣を取り戻すことができる。

 プレイヤーには体力ゲージがあり、同時にプレイヤーのストック(残り人数)も持っている。1発でやられることはないので恵まれているように思えるが、そのぶん敵の攻撃は激しく、難度は高い。とくに2周目のラストに出現する“剣王(アキレス)”は伝説的な強さを誇っている。当時2周目の剣王を倒すことは、アクションゲーマーとしての大きなステイタスとなっていた。

ストーリー・システム説明 ストーリー・システム説明

▲通常の場面では、ザコとナイフ使いが登場する。各面のボスと戦うときは、ボスごとに攻略法を作って戦っていく必要がある。

防御システムがアクションゲームの奥の深さを引き立てる

 本作の最大の特徴は、盾でガードできるということである。この当時、アーケードにおいて防御のシステムを採用しているアクションゲームは珍しかった。システム的に作るのが難しかったということもあるが、防御のシステムを使いこなすゲームはどうしても難度が高くなってしまう。そのためにこのようなシステムは、100円を払って遊ぶゲーセンのアクションゲームでは採用されにくかったのではないかと思う。対戦格闘ゲームに慣れた現代のプレイヤーには意外に思えるかもしれないが、攻撃と同時に防御のボタンも押すというのは、誰もがすぐにできることではないのだ。

 防御のシステムを持つ本作をプレイして、難しいと感じる人は少なくないだろう。しかし本作の難度の高さは、やり込んでいくとそれほど理不尽なものではないと感じられてくる。盾を使えなければ非常にきびしいが、盾を使って攻略していけば、確実に敵を倒すことができるのだ。確かに難度は高いが、敵の気まぐれで、どうしようもない状況に陥ることは少ない。

 対戦格闘ゲームが普及するにつれ、防御システムを駆使するアクションゲームは多くなってきた。ゴリ押しで敵を倒すのではなく、敵の攻撃を防御し、その隙をついてダメージを与えていく。この駆け引きはアクションゲームの醍醐味といえるだろう。本作は1980年代半ばに制作された古い作品にもかかわらず、アクションゲームのおもしろさの真髄を感じさせてくれる作品なのである。

基本的な攻略法

 本作では攻撃するだけでなく、防御できる盾も使いこなしていく必要がある。登場する敵ごとに攻略法を立て、確実に倒していくのがポイントだ。

 ザコに対しては、しゃがんで攻撃して倒すのが基本。このほうがザコの攻撃を食らいにくい。左右から同時に攻撃を食らわないように、移動しながら戦っていこう。通常の移動よりジャンプしながら進んだほうが早いことも覚えておくとよい。

 ナイフ使いは、2回ナイフを投げた後にマジックボールを投げてくる。マジックボールを投げられる前に倒していこう。ナイフは盾で受けることができる。

ボスに対する攻略法

 敵のボスはとても強く感じられるが、攻略法を作っていけばノーダメージで倒せるものがほとんどだ。1面のアイアンアームだけは対処が難しいが、それ以外ならなんとかなる。きちんとパターンを作り、敵に対処していこう。

ステージ1 中ボス マムシ
左右から2体出現し、挟み撃ちしてくる。どちらか1体に近づき、連打して一気に倒そう。離れているマムシが武器を投げてくることがあるが、これはジャンプでかわすとよい。1体を倒すともう1体のマムシの動きが変わり、近づいて攻撃してくる。残る1体のマムシは攻撃をしゃがんで盾でガードし、その直後の隙に立って攻撃していこう。

ステージ1 ボス アイアンアーム
確実な攻略法がなく、全ステージを通しても難しい部類のボス。こちらの剣の攻撃がぎりぎり届く位置から振ってダメージを与えていく。画面の端に追い詰められると、ガードしていても強制的にダメージを食らうので要注意。“アイアンアーム”が後ろに下がったときに追いかけて前に出ることで、画面端からの距離を稼ぐことができる。

ステージ2 中ボス アルマジロン
転がって体当たりを仕掛けてくる。画面の中央をキープしながら“アルマジロン”を跳び越し、回転が終わって立ち上がったところにダメージを与える。1回攻撃がヒットすると再び転がってくるので、攻撃した直後にバックジャンプして間合いを離すとよい。

ステージ2 ボス ゴブリン
ジャンプしながら鉄球を投げてくる。盾のボタンを押しながらレバーを斜め上に入れると、斜め上方向からの鉄球をガードできるので覚えておこう。画面中央からやや左寄りに位置し、プレイヤーを跳び越して左に来たときに攻撃し、ダメージを与えていく。また画面外に向けて攻撃することで、“ゴブリン”にダメージを与える裏技もある。最初に右に進んで攻撃を加えると、“ゴブリン”は左にジャンプして逃げる。このとき画面の右端で画面外に向けて攻撃をしていると、左端にいる“ゴブリン”になぜか攻撃を当てることができる。すると無防備に右にジャンプしてくるので、そのまま攻撃すれば倒すことができる。

ステージ3 中ボス マッスーラ
連打して倒そうとするとやられるので、1回攻撃したらすぐに逃げるのが基本。近づいてきたらしゃがんで攻撃し、その瞬間にバックジャンプして間合いを離そう。これをくり返せばよい。“マッスーラ”の攻撃は盾でガードできないので注意。

ステージ3 ボス トロジャン
近づいてくるのを待ち、その場で垂直ジャンプをする。そして降りるときに剣を出しながら攻撃すると確実にダメージを与えられる。“トロジャン”は、着地した瞬間に連続攻撃をしてくるので、すぐにガードしよう。垂直ジャンプするときの敵との間合いは、背景を見ながら調節するとよい。

ステージ5 中ボス マッスーラ2体
画面の左側まで行くと右から“マッスーラ”の2体目が出現し、逃げ場がなくなってやられてしまう。右側の位置をキープしながら1体目の“マッスーラ”を倒してしまおう。その後に左側に移動し、2体目の“マッスーラ”を出現させて戦うとよい。

ステージ5 ボス アイアンアーム2体
“マッスーラ”2体のときと違い、ここは最初に画面の中央まで進み、右から“アイアンアーム”の2体目を出現させよう。その後、右側の“アイアンアーム”に近づいてしゃがみ、盾でガードする。しゃがみ攻撃を盾で受けたら、“アイアンアーム”が立ち上がった瞬間にしゃがんだまま剣で攻撃しよう。こうやって確実にダメージを与えていく。左にいる“アイアンアーム”が怖いかもしれないが、右の“アイアンアーム”がいるあいだは、左の“アイアンアーム”は攻撃をしてこない。右→左の順番で戦えば、1体ずつ勝負できる。

6面中ボス トロジャン
6面で登場する“トロジャン”は、戦っているときに画面の左側からザコが登場する。どうしても挟み撃ちの状況になってしまうので、“トロジャン”をできるだけ速く始末しなければならない。そこで、わざとナイフ使いのマジックボールで盾と剣を飛ばし、パンチの連打で“トロジャン”を倒すとよい。“トロジャン”が出現するギリギリまで画面をスクロールさせ、左からナイフ使いを出現させる。マジックボールを受けて盾がなくなったら、“トロジャン”に突っ込んでパンチで一気に倒そう。“トロジャン”を倒したら、その後に盾を回収すればよい。
ちなみに盾を飛ばされると攻撃がパンチになるが、このとき敵を倒して入る点数が剣で倒したときよりも低くなる。その後に盾を回収し、剣が復活しても、なぜか点数は元に戻らず低いままになっている。

6面ボス アキレス(剣王)
1周目の“アキレス”はそれほど強くない。ジャンプして空中で剣を出したまま飛び込むと、“アキレス”はガードする。そうしたら着地の瞬間に1回攻撃しよう。その後にすぐ盾でガードすれば、攻撃を食らわずにダメージを与えられる。
2周目の“アキレス”は、剣を振るスピードが格段に速くなっている。盾を出しながら飛び込み、着地の瞬間に1回だけ攻撃してすぐガードしよう。これをくり返せばいいだけなのだが、タイミングが非常に難しい。くり返し挑戦してみよう。

ボスに対する攻略法 ボスに対する攻略法

▲ボスに対してゴリ押しはできず、ヒット&アウェイで戦っていくのが基本。
2周目の“剣王”は1周目とは比較にならない強さなので、倒すためには極限まで高めた集中力が必要とされる。

PLAY MOVIE

(1) 1面と2面をプレイ。2面のボスの“ゴブリン”に対しては、右の画面外を攻撃することで左の“ゴブリン”に攻撃を当てるという裏技を使用している。

(2) 2周目の“剣王(アキレス)”との戦いを収録。1周目とは“アキレス”の剣を振る速度が段違いに速い。成功例を見れば簡単そうだが、実際には非常にきびしい相手だ。

『闘いの挽歌』の思い出

 『闘いの挽歌』は筆者がプレイしたカプコンの作品の中でも、もっともやりこんだ作品のひとつでしょう。非常に難度が高く挑戦意欲をそそる作品でありながら、やりこむほど上達を感じられるところがマニアにとってはたまりません。とくに2周目の“剣王”の強さは、何度くり返して強調しても足りないほど圧倒的。ゴリ押ししようとすると一瞬でやられてしまいます。だからこそ、倒すことができた喜びは大きいものでした。筆者は地元の50円ゲーセンで、『闘いの挽歌』を数年にわたってプレイし続けました。その結果、2周クリアーした回数は200回を超えています。これだけの回数をプレイしても飽きなかったのは、本作の魅力の深さを物語っていると思います。

石井ぜんじ
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