魔界村
アーケード発売日:1985年9月 1人プレイ専用
主人公である“アーサー”が、行く手をさえぎる魔物たちを倒しながら、さらわれたプリンセスを助け出すことが目的。2周がセットになったループゲームで、2周目をクリアーすることで真のエンディングを見ることができる。
アーケード発売日:1985年9月 1人プレイ専用
主人公である“アーサー”が、行く手をさえぎる魔物たちを倒しながら、さらわれたプリンセスを助け出すことが目的。2周がセットになったループゲームで、2周目をクリアーすることで真のエンディングを見ることができる。
「とある平和な国の姫が、魔界からの使者にさらわれた。姫を愛するナイトは姫を助けるために魔界に向かった……。しかし、姫を助けるためには魔将軍が待ち受ける6つの門をくぐり抜け、大魔王を倒さなければならない。さあ、君はうまく姫を助け出し、魔界を抜け出すことができるか?!」
左右に投げることのできる武器と、ジャンプボタンを駆使して敵を倒し、先に進んでいく横スクロールアクションゲーム。後半のステージの地形は立体的になっており、はしごなどを使って上下方向にも移動できるようになっている。
攻撃する武器は5種類。槍、短剣、たいまつ、斧、十字架の5種類。スタート時は槍を持っており、アイテムを取得することで武器を変更できる。
プレイヤーは鎧を着ていて、1回ダメージを食らうと鎧がはがされパンツ一丁になる。この状態でダメージを食らうとミスとなる。また目には見えないが、通り過ぎると鎧が落ちてきて回復できるポイントがある。このポイントは鎧を持った状態で通り過ぎると、それ以降鎧が出てこなくなるので注意が必要だ。
ステージ6のボス、“サタン”を倒した時点で十字架を持っていないとステージ5からやり直しになる。十字架を持っていれば、“大魔王ゴンディアス”の待つステージ7へと進める。
▲ステージ開始時に、魔界の全体のマップが示される。さらわれたプリンセスを助け出すのが目的だ。
最初に注目すべきなのはその世界観だ。当時のビデオゲームは、ナムコの作品を中心に、パステルカラーの明るい色調のものが多かった。その中で本作は、暗い雰囲気の、すごみのあるグラフィックで魔界を描き出し、異彩を放っていた。1面がいきなり墓場でゾンビが出現する、という演出にプレイヤーは衝撃を受けたものだ。
そのグラフィックと世界観で人気を博した本作だが、難度はかなり高かった。しかしそれはただの理不尽ではなく、攻略しがいのある奥の深い難しさであったといえる。その代表が“レッドアリーマー”だ。この敵は遠くから武器を投げると、空中に飛び上がってその攻撃をかわす。あたかも意思を持っているかのように攻撃をかわすという行動は、当時のほかのビデオゲームには見られないもの。これはエポックメイキングなできごとであったといえるだろう。
本作は1980年代のカプコンアーケードゲーム最大のヒット作であり、高い難度にもかかわらずゲームセンターでロングヒットを記録した。ちょうどこの時期、コナミのシューティングの名作『グラディウス』が発売されている。アクションゲームとシューティングで、『魔界村』と『グラディウス』が人気を二分する状況となっていた。ゲームセンターが熱気にあふれた時代であったといえるだろう。
主力となる武器は槍と短剣。たいまつと斧は使いづらいので、できれば取らないで進もう。十字架は敵の弾を消せるが、射程が短いのが欠点。ただし十字架はステージ7の大魔王の間に進むのに必要となる。ステージ6では十字架を取れるとは限らないので、ステージ5、またはそれ以前のステージで取得したほうが確実だ。
出現する敵はそれぞれ、動きかたに特徴がある。出現パターンを覚えるだけでなく、敵の行動のクセを理解することが攻略につながっていく。たとえば“レッドアリーマー”は、近づいてから撃ち込めば飛び上がらせずに倒すことができる。
裏技として、高低差を利用して敵を消してしまう方法がある。敵が動き出してから、段差を飛び降りたり、はしごを使って逃げたりすると消える。ステージ6の“ドラゴン”、“レッドアリーマー”などはこの方法が有効だ。
▲魔界の城では、“サタン”や“ドラゴン”といった強敵が待っている。本作には旧バージョンと新バージョンがあり、新バージョンのほうが“サタン”と“ドラゴン”の耐久力が低かった。
(1) ステージ1を通してプレイ。墓石を撃つと魔術師が登場し、その呪文を食らうとカエルになってしまう。ジャンプをすると弥七が出現する場所がある。
(2) ステージ3を通してプレイ。道中に2ヵ所、ジャンプをすると鎧が落ちてくるポイントがある。後半は“レッドアリーマー”への対処が重要になってくる。
(3) 2周目のステージ6をプレイ、その前半を収録。はしごを上り下りすることによって、“ドラゴン”と“レッドアリーマー”を消すことができる。
(4) 2周目のステージ6後半からステージ7をプレイ。十字架を持って“サタン”を倒すとステージ7に進める。2周目の魔王を倒すと真のエンディングとなる。
『魔界村』がゲームセンターで稼動した当時、自分は大学生。学校に行かずにハマってやりこみ、その結果留年してしまいました。そのころアーケードゲーム専門誌“ゲーメスト”で、初めて攻略記事を書いたのもこの『魔界村』です。編集部が『魔界村』の攻略記事を書けるライターを探しており、白羽の矢が立ったというわけです。それ以降、筆者は長いあいだゲーメスト編集部で活動するようになります。その意味では、まさに人生を変えたゲームと言っても過言ではないでしょう。
その後、ゲームビデオに収録された『魔界村』のプレイをしたり、近年になってから雑誌でファミコン版『魔界村』の攻略記事を書いたりもしました。あの当時は、本作とこれだけ長い付き合いになるとは思いませんでした。まさに時代を超えた名作なのだと実感しています。