数々の傑作RPGを生み出してきたアメリカのデベロッパー"BioWare"が開発し、先行して発売された海外で高い評価を受けた注目のSF大作RPGとして、満を持して日本に上陸したシリーズ1作目。舞台は2165年の未来世界。遠宇宙へと進出した人類は、銀河系を統治する"シタデル評議会"の一員となっていた。多種多様な種族が共存するこの世界で、主人公シェパードは全銀河に脅威をもたらす陰謀に立ち向かうことになる。本シリーズの特徴であり、シリーズを通して軸となるRPG要素とTPS(三人称視点シューティング)の融合、会話システムなどは、このときすでに基礎が確立されていた。
 シェパードは、50000年前に絶滅した異星人”プロセアン”が残した物体“ビーコン”を回収するため、惑星“エデンプライム”に降り立つった。そこでシェパードの部隊を待ち受けていたのは、機械生命体“ゲス”の襲撃だった。シェパードはビーコンの行方を追ううちに、特務査察局スペクターである“サレン”がこの襲撃とビーコンの奪取を指揮していたことを知る。サレンはビーコンを起動させたあと、コロニーに爆弾を仕掛け”エデン プライム”を後にする。シェパードは爆弾の解除に成功してビーコンを発見するが、ビーコンはシェパードに死と破壊のイメージを見せ自爆。シェパードはシタデル評議会にサレンの裏切りを告発するも、新参者である人類の主張は通らなかった。サレンの陰謀の決定的な証拠と、ビーコンの見せたイメージの真意をつかむため、シェパードは部隊を率いて広大な銀河へと旅立つ……。
5万年前に滅んだ古代文明。現在の銀河文明より優れた科学力を持っていたようだが突如滅びてしまった。その痕跡はほとんど残っておらずい、滅んだ理由も不明。
プロセアンが残したという巨大な宇宙ステーション。これが発見されたことにより銀河文明は大きく発展した。現在は銀河文明の首都となっているが、いまだに未知のテクノロジーも多い。
アサリ、サラリアン、トゥーリアンという銀河における有力な3種族による銀河文明の最高権力。
AIを搭載した無機生命体。もとはある異性人に労働用に作られた物であったが、反乱を起こしその異性人を惑星から追放。これをきっかけに銀河文明ではAIの開発は禁止された。300年以上その惑星から出てこなかった彼らだが、最近になって各地の惑星を襲い始める。
評議会の特命で動く捜査官”スペクター”であったが、ゲスを率いて突如人類の殖民星を襲い始める。”リーパー”と呼ばれる伝説の機械種族を復活させようと目論んでいるようだが……。
特徴の異なる数々の惑星を訪れ、そこで起きるさまざまなミッションをこなすことでゲームは進行する。プレイヤーは、陰謀の手がかりを追って銀河の星々を巡るメインストーリー、各惑星において条件つきで発生するサイドストーリーを、それぞれを任意のタイミングでこなしていくことになる。いつ、どの惑星で、どのような物語を紡ぐかはプレイヤー次第で、この自由度の高さは本シリーズの魅力のひとつとなっている。また、会話シーンにおいて選択肢も特徴のひとつ。選択肢によって、冷徹なエージェントになるか、はたまたやさしさときびしさを兼ね備えた英雄的な人物になるかなど、シェパードのキャラクター性が変化。さらにこの変化が、物語にも影響を及ぼしていく。プレイヤー次第でいかようにも変化する主人公像、これもまた本シリーズの大きな特徴のひとつだ。
『マスエフェクト』の戦闘システムは、三人称視点のシューティングで、アクション性の高いものになっている。攻撃は、ピストルやショットガンといった銃器類のほか、各種アビリティーを使い分けて戦うことになる。さらに、仲間の存在が戦闘にアクセントを加える。AIに従って行動するふたりの仲間には、"移動"や"攻撃"などの指示が出せる。仲間との連繋も重要になるのだ。仲間にアビリティーで敵を攻撃させ、自分が銃器で追い討ちをかけるといった、多彩な戦い方もできる。ちなみに、バトルの難易度は3段階から選べ、武器の照準が合いやすくなる“ターゲットアシスト”といったシステムもあるので、アクションが苦手な人でも安心。バトルで敵を倒したり、特定のアビリティーを使用して、一定の経験値を獲得すると、シェパードと部隊メンバーがレベルアップする。レベルアップ時に得られる“タレントポイント”を各タレント(能力)に割り振ることでキャラクターを強化することができる。プレイヤーの戦闘スタイルに合わせた部隊を作り上げる、RPG要素も導入されている。
西暦2185年――。時間と空間を支配する技術“マスエフェクト”の発見により、遠宇宙に進出することになった人類の運命を壮大に描く、シリーズ第二作。主人公は、前作に引き続き宇宙連合軍の勇者シェパード少佐。シェパードは、宇宙船を駆使して、銀河系の惑星を探索し、銀河系全体を巻き込む秘密を暴いていくことになる。前作で好評を博した、部隊メンバーを率いて戦うリアルタイムTPS(三人称視点シューティング)はさらにパワーアップ。主人公や仲間のレベルアップといったRPG要素ももちろん継承。プレイヤーの選択によってストーリーが変化する、インタラクティブな会話システムはさらに進化し、状況によっては、会話の途中でアクションを起こすことも可能に。広大な銀河をさらに自由に旅することが可能になった。
 宇宙連合軍の英雄、シェパード少佐が有機生命体の殲滅を目論む機械種族“リーパー”の襲撃を打ち破ってから2年。ひとときの安らぎを打ち破るかのように、宇宙の至るところで人類のコロニーが丸ごと消失するという事件が発生する。そんな中、シェパードは謎の勢力による襲撃を受け、消息を絶ってしまう。“死亡した”と伝えられていたシェパードだったが、高度な生物テクノロジーを有する秘密組織“サーベラス”の手により蘇ることに。人類の存続と繁栄のためには手段を選ばないサーベラスの目的とは? そして、新たな脅威にさらされる人類の運命は? シェパード少佐の新たなる冒険が始まる――。
 広大な宇宙を探索し、ときには戦闘でミッションをクリアー。ストーリーを進めていくというゲームの基本的な進行手順は前作を踏襲している本作。もちろんあらゆるシステムがボリュームアップしており、探索では、惑星で希少な資源を見つけて発掘、採取した資源で、武器や母艦であるノルマンディー SR-2号のアップグレードに利用できるといった要素も追加。戦闘も装備、アクションがパワーアップ。仲間との連携もより細かくとれるようになっている。また、会話システムもさらに奥深く進化。会話が行き詰ったときに、新たに採用された“介入システム”で状況に介入することができるようになった。道徳的な選択と若干暴力的な手段を選ぶことができ、このときのシェパードの行動がその後の物語を動かすことになる。さらに、クルーたちとの会話も重要に。会話を重ねていくことで、少しずつクルーとの信頼関係が築かれていくが、このクルーとの“絆”が、未知の世界への冒険では必須となる。そして、クルーとの“絆”を深めることで、その相手が異性だった場合、さらに深い関係になることも……。クルーと素敵な関係を築けるという要素も、本作の大きな魅力であり楽しみのひとつとなっているぞ。
宇宙を股にかけた壮大な『MASS EFFECT』のストーリーは三部作で構成されている。……そう、つまり最新作の『MASS EFFECT3』は三部作の完結編となるのだ。その最後は、ぜひ自分自身で確かめて欲しい。本作に興味を持った人は、まず、前作、前々作をプレイしてもらいたい。最終章の開幕は3月15日。まだ十分に時間はある。