すべては、“リーパー”といわれる古代からその存在が伝えられるエイリアン種族が宇宙を股にかけた攻勢を開始したことから始まった。彼らが通った後には破壊の痕跡しか残らない、ただただ”死”だけをもたらす謎だらけの脅威。そして今、リーパーとの最後の戦いの火ぶたが切られようとしている。この危機を救えるのは、人類代表であり、宇宙のあらゆる生命体の希望であるシェパード少佐(プレイヤー)のみ。全宇宙から選りすぐりの戦士たちを集め、この危機に立ち向かえ!
 本作は、主人公のシェパード少佐を操り、広大な宇宙を探索、仲間を増やしながらさまざまなミッションをこなして、物語の核心へと迫っていくRPG。敵との戦闘がTPS(三人称視点シューティング)で行われるのが大きな特徴だ。ここでは、本作のゲーム性の軸となる、ストーリー、アクションRPG、アドベンチャー、ストラテジーの4つの要素について解説していく。
 始まりの舞台は地球。前回の戦いでの行いと責任の所在について公聴会で審問に答えていたシェパード少佐(プレイヤー)だったが、突然リーパーの攻撃を受け、会は中断される。襲撃で傷ついていく仲間たち……地球はリーパーらの手に落ち、銀河系のその他星も次々と滅亡の危機に直面する。シリーズ最終章と言われる本作では、シェパード少佐は、リーパーを破壊するための手がかりを見つけ出し、この終わらぬ戦争に終止符を打つことが最大の目的となる。宇宙という広大な舞台と緻密に編みあげられた深遠なストーリーは、これまでのシリーズ作品と同様、プレイヤーの決断や行動に基づいて物語が変化するマルチエンディングとなっている。そして、前作、前々作にも増して、複雑で心理的に厳しい決断が待ち受けている。また、ひとつひとつの決断の結果は、意味のある”違い”としてその後の展開に反映されるようになっている。ちなみに主人公のシェパード少佐は性別を選ぶことができ、ファーストネームも自由に設定できる(デフォルトネームはジョン・シェパード(男性)/ジェーン・シェパード(女性)となる)。
 本作では、シェパード少佐のアクション、装備や仲間たちの強化といったRPG要素が大幅にパワーアップしている。アクション部分ではシェパード少佐の能力やアクションの多様化によって、戦闘の戦略がより多彩になり、さまざまな攻略法が見出せるようになった。代表的なものとしては、新たな武器として登場する”オムニ・ブレード”。強力な近接武器で、戦闘に変化をもたらしてくれるだろう。装備群もこれまで以上に豊富になっており、これらをどう強化するか、そしてともに戦う仲間たちをどう強化するかによっても、攻略の幅が大きく広がっていく。
 プレイヤーは、シェパード少佐として最新宇宙母艦”ノルマンディー”を操つり、広大な宇宙を旅することになる。宇宙にはさまざまな歴史・文化・社会を形成する星々があるが、これらを訪れ、エリート戦士たちをスカウト、結集して最強の部隊を編成することも目的のひとつ。会話によって仲間たちとの絆が深まっていくと、さまざまなミッションを通して彼らのサイドストーリーも紐解かれていく。これによって、より奥行きの深い世界がその姿を現すのだ。
 宇宙を駆け回る際にも、どの惑星を先に探索・調査するか、そしてどこの誰と同盟を組むかなど、次々と決断を迫られる。また、仲間が増えて個々にレベルが上がるごとに、使える能力が多様化するため、戦略も状況に応じて如何様にも組み立て可能。多種にわたる武器・装備はカスタマイズ可能で、スコープ、グリップ、バレルなどの機能をアップグレードしていくことができる。敵を火力で圧倒するもよし、地の利を活かして戦術的なフォーメーションを組むも良し。仲間を有効に使って進むのも、単独行動で挑むのも、全てプレイヤーの決断次第いつ、どこで、誰を、どの武器をつかうのか、何を決断するのかで、運命が変わる。こういったストラテジー要素が盛り込まれているのも、本作の大きな特徴と言えるだろう。