春待ちトロイダル(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
ローグライクのカードバトルに、タイムループとミステリーを組み合わせた快作。卒業式までの10日間という絶妙な期間設定、カードバトルを通して見えてくるクラスメイトのキャラクター、くり返しプレイで少しずつ明らかになる島の謎がプレイヤーを物語世界へ強力に誘う。バトルバランス、謎解き、グラフィックで粗さを感じる部分もあるが、そこを踏まえても島の“終わらない10日間”は魅力的です。
週刊ファミ通1863号より
ループする10日間の高校生活のなかで、ミステリーテイストのある物語の真相に迫る体験は好奇心をそそられます。パラメーター上げとデッキの強化は、やや作業的に思えるところもあるけれど、個性豊かなクラスメイトたちと関係性を深めることで彼らのことを知っていけるのがプレイの推進力に。“対話”のカードバトルもシンプルなものの、周回を重ねるほどに攻略しやすくなる仕組みが励みになる。
週刊ファミ通1863号より
爽やかな読後感! それぞれが抱えている闇もひっくるめて、高校生たちの青春がまぶしい。ループするたび真相に近づいていく構造で、使命感と好奇心とに突き動かされます。プレイヤーのモチベーションを高いままでキープする、つぎの展開を予感させる見せかたや、ひと区切りの付けかたが見事です。思春期ならではの不安や期待、そしてたわいもない話をクラスメイトと共有する、ふつうの学園生活が尊い。
週刊ファミ通1863号より
だいたいこんな話なんだろうな、という物語展開の見通しのよさと、でも待てよ、という引っかかりの要素(目線を重視したキャラの表情変化など)のバランスが見事。1ループのプレイ時間が短いこともあり、「もう1周だけ」とつい遊んでしまいます。カードバトル形式の対話パートに、戦術やデッキ構築のおもしろみはほとんど感じませんが、ゴリゴリに強化した末に“圧勝”したときの爽快感はなかなかのもの。
週刊ファミ通1863号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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