The Suicide of Rachel Foster(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
ゾンビやクリーチャーを出さず、静寂の中に聞こえるさまざまな音や光の明暗で、“何か”がいそう、起こりそうとプレイヤーの不安を高め、恐怖を作り出す演出が見事。物語の謎とともに某名作ホラー映画を彷彿させるホテルの内装や、作り込まれた1980年代の備品の数々が、プレイヤーの探索を後押し。孤独な探索を強いられるからこそ、人の温もりを感じる謎多き携帯電話の会話が日本語ボイスだったらなぁ。
週刊ファミ通1720号より
ホテルに閉じ込められる状況と、電話での通話を軸に展開する物語にドキドキさせられる。マップが作り込まれていて臨場感もたっぷり。館内マップとともにToDoリストが確認できるのはありがたいが、記載されている各部屋の名前は翻訳されていないので、どこへ向かえばいいか迷うことはあるかも。移動時のカメラの揺れが大きめで、設定でオフにできないのは、3D酔いしやすい人には辛いところ。
週刊ファミ通1720号より
舞台となる廃ホテルは、各部屋から小物にいたるまで、ディテールにこだわった作り込みが見事。これらを通して、主人公と体験や記憶を共有していく感覚が、作品の持ち味に。歩き回るときの揺れや速度、物を手に取ることができる距離などは、リアルな反面、不快感や不便さも覚えました。真相に起因する陰気さには気が滅入りましたが、ホラーやサスペンスが香る謎めいた展開には、終始興味を引かれます。
週刊ファミ通1720号より
何かとんでもなく恐ろしいことが起きそうな気配だけを楽しめるゲーム……と言うと語弊があるでしょうか? 画像解像度低めの地図頼りとなる移動は、朽ちたホテルの探索気分を盛り上げ、頻繁に挿入される電話越しの相手とのやり取りもいい具合に不穏です。フィールド内で起こせる行動の少なさと、徐々に明らかになるストーリーの憂鬱さにより、わかりやすい達成感を得にくい点は覚悟のうえで。
週刊ファミ通1720号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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