No Longer Home Xbox Edition(Xbox One)のレビュー・評価・感想情報
とある大学生の“ありふれているけど、大切な1日”を覗き込んだような不思議なプレイ感。部屋を調べることで進む物語は、大きな事件やイベントは起こらず、ふたりの生活や対人関係、ロンドンの大学事情などが明らかになっていく作り。現代演劇の舞台のような場面転換など、グラフィック面の演出が超個人的なストーリーを牽引する役割を果たす。人生の節目で大切な友人と別れた経験がある人なら。
週刊ファミ通1718号より
開発者の半自伝的なリアルなエピソードに、不思議でファンタジックな要素も加えられた物語が心に染みる。迫って来る現実に対して整理しきれない気持ちが情感たっぷりに描かれるのは、共感を呼び起こされる人も少なくないかと。ただ、誰かの立場に立って選択肢を選ぶのではなく、俯瞰的につぎの展開を選ぶような場面が多いため、感情移入しづらいところも。もっさりした操作性も少々もどかしい。
週刊ファミ通1718号より
極めて私的な思い出が綴られているのに、プレイヤーの記憶と共振する普遍性を内包した不思議な作品。宇宙的な広がりを見せる等身大の思考が、空間の独特な見せかたと落ち着いたテンポで表現されています。主人公のやるせない思いと、どんよりとしたロンドンのパブリックイメージが重なり感傷的に。入力の反応がわかりにくい点や移動のまどろっこしさに、没入感を妨げられることがあるのが惜しい。
週刊ファミ通1718号より
20代前半時、心許せる友人とこんな話をしたかった、いや、こんな話をしていた気がする……と記憶がザワザワする会話劇が中心。テレビゲームに期待しがちな明快さやサービス精神を排することで強調される(“ 登場人物たちの)誰でもない状態”を、さほど長くない総プレイ時間で満喫できます。インタラクトの判定位置が妙にシビアなため、その微調整でせっかくのムードが途切れることしばしばでしたが。
週刊ファミ通1718号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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