ディスコ エリジウム ザ ファイナルカット(プレイステーション5)のレビュー・評価・感想情報
現場の調査や会話で主人公の能力をレベルアップさせ、事件解決に挑むRPG的“捜査”スタイルが新鮮。習得スキルで捜査のアプローチが変わるのもイイね。サイコロで成否を決めるアナログ風システムが魅力だけに、実際に画面上でサイコロをコロコロ振りたかったと、強く思います。圧倒的な量のテキストは読み応えがある一方で、総当たり派の自分としては、既読テキストの省略措置があればと。
週刊ファミ通1759号より
シナリオをじっくり読むアドベンチャー的な作りだが、会話時やオブジェクトを調べたときなど、テーブルトークRPGの形式で進行するのがユニークかつ、おもしろい。なにより、24種類ある主人公の人格(スキル)が、随所でささやきかけてきて、対話するように選択肢を選んだり、能力値やスキルチェックに応じて展開が変わる構造が特徴的。アクの強い作風は人を選ぶと思うけれども、味わい深い。
週刊ファミ通1759号より
唯一無二の体験ができる、実験的な意欲作。自分の内面と対話することで前へ進んでいく、ハードボイルド風味な探偵物で、興味深い物語のとりこになります。自身が記憶喪失という設定や、心の声を聞くという構造が複雑なため、文章は難解。そこへ日本語では伝わりづらいニュアンスも絡んで、理解が容易でない点には覚悟が必要です。PCゲーム由来の操作が、コントローラになじんでいないのは惜しい点。
週刊ファミ通1759号より
テーブルトークRPGのGMがウンザリするようなわがままな言動(選択肢)に対しても、「もうけっこう」というほどのリアクションが用意されている、とぼけた倫理観に惹き込まれます。フィールドの移動速度に象徴されるゲームテンポの遅さを“くたびれた物語世界のムード”と解釈できれば、どんな枝葉を辿ったとしても満足できるでしょう。日本語翻訳は、原文のスラング解説が入るほど丁寧な仕事ぶりです。
週刊ファミ通1759号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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