忘れないで、おとなになっても。(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
正直、ゲーム性部分は薄く、インタラクティブドラマ寄りの作品。ドラマの舞台となる1980年代の街並みや流行などのディテールの細かさと、懐かしのアイテム探しで、気分は昭和にタイムスリップ。ボクセルによる抽象化で、“自分の町”のように感じる。学校の七不思議を“謎”として進めつつ、あの時代にあった事柄を活かしたストーリー構成も見事。1980年代に子ども時代を過ごした人に刺さる内容に。
週刊ファミ通1722号より
ノスタルジー、切なさ、子どものときのちょっとした冒険に胸が高鳴る気持ちなど、いろいろな要素が心に染みるシナリオが秀逸。基本は物語を追っていくだけの構造で、タイムスリップものとして意外性もそれほどないのだけれども、テンポも構成もよくて目が離せなくなるし、プレイを終えたときは胸がいっぱいに。ボクセルのグラフィックでありながら、昭和の空気感を漂わせる街並みも味がある。
週刊ファミ通1722号より
タイトルに幾重もの意味がかけられた、大人のためのファンタジーが胸に迫る。背後に社会問題も感じ取られる、地に足のついた作風も誠実。ノスタルジーを前面に打ち出しながら、現在や未来がテーマとなっている点にも好感です。ゲームという手法で物語を表現している印象で、アドベンチャーとしては一本道な進行や若干の遊びにくさも感じましたが、観るだけでなく体験できる喜びのほうが勝ります。
週刊ファミ通1722号より
「たぶんこういう話なんだろうな……」と予想がつきながらも、抜け目ない幕引き演出により、続きを確かめたくなります。ストーリーを進めるための条件はシンプル。コレクションアイテムの探索もヒントを頼りにうろつけば無理なく達成可能とあって、誰もが自力でクリアーする喜びを味わえます。場面によっては、十分に取られている“間”をプレイヤー側で操作できないことにじれったさを感じることも。
週刊ファミ通1722号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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