Finding Paradise(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
美麗な2Dドットのピクセルアートと、各シーンにやさしく寄り添う音楽で、名もなき人の“死”と“後悔”、そして“愛の物語”を描くという前作の魅力が軒並みブラッシュアップ。ゲームはあくまで物語の演出的な位置づけで、小説のページをめくるような手軽さで遊べるという、振り切りかたがすてき。一方、移動に“走る”がないのは、物語の“間”としては正解だろうけど、走って進めたいと思う部分もあり。
週刊ファミ通1775号より
死期が目前に迫っている人の夢を叶えるという、前作の『To the Moon』と同様の設定のもと、新たなエピソードを見られるのがうれしい。最初は依頼者の願いがわからない状態から始まるけど、記憶をたどることでピースがはまっていく物語に引き込まれる。BGMもとてもいい仕事をしています。移動のゆっくりさや、きちんと位置を合わせないと対象を調べられない点など、操作関連には惜しい部分も。
週刊ファミ通1775号より
他人の記憶に踏み込み、幸せな思い出も辛い経験も追体験していくのは、心を揺さぶられる作業。今回の依頼者とその幼なじみの関係性には、程度の差こそあれ、自身の過去を重ね見るプレイヤーも少なくないのでは。不器用で消極的ながらもなんとか前へ踏み出した、依頼者の平凡にして勇敢な一生が胸に迫ります。相変わらずの軽口にはちょっとげんなりですが、このドクターコンビに再会できるとは!
週刊ファミ通1775号より
“(死の間際に見る)走馬灯のコーディネーター”という立場で体験する、あるひとりの人物の人生は、たとえダイジェストでも、否、ダイジェストだからこそ、心を揺さぶります。やたらガツガツと引っかかる、キャラ操作の不快感を差し引いてもなお価値がある、“自分自身のこれまでを見つめ直す機会”です。謎解き要素の難易度など、ゲームとしてのコスパが気になる人は、焦ってプレイしなくても大丈夫。
週刊ファミ通1775号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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