A Space For The Unbound 心に咲く花(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
淡い2Dドットで描かれた1990年代のインドネシアはノスタルジーいっぱい。2Dドットならではの表現を追求したグラフィックと、細部まで丁寧に描かれた街並み、挿入される映画的演出、そして確かなストーリーテリングでグイグイ世界に。基本は“お使い”ベースでゲームが進行するものの、アクションやコレクトアイテム、そしてネコをなでるなど、世界を満喫できる要素が散りばめられているのもすてき。
週刊ファミ通1780号より
1990年代のインドネシアの風景が、なんともいい雰囲気。人の心に飛び込む“スペースダイヴ”で、さまざまな事態を解決していくのもおもしろみがある。必要なアイテムの入手など、フラグ立てのためにマップ内で行ったり来たりをくり返すところもあるけれど、田舎町での日常を織り交ぜながら描かれる、超常的な力を扱える少年と少女の不思議なストーリーは、行く末が気になって引き込まれます。
週刊ファミ通1780号より
時間や空間を行き来したり、人の心へ潜入するなど、ゲームが得意とする描写を活かした物語の見せかたがすばらしい。今朝見た夢を人に伝えるときの、つじつまが合わなくてもどかしいあの感じに似たものが、巧みに表現されています。カット使いも印象的で、切なげで謎めいたドラマも興味を引き、インドネシアのカルチャーが感じられるのも楽しいです。身近でいて不思議なヒロインたちも魅力的。
週刊ファミ通1780号より
よい感情も悪感情も丁寧に乗せられたセリフによって綴られるエピソードの数々が、個人的な記憶と結びつき、心がざわざわします。“お使いのためのお使い”系ミッションが発生し、物語進行が停滞する場面がたびたびあるものの、気温や人の気配を感じられる舞台を東奔西走すること自体は、楽しいものです。操作レスポンスは総じて快適ですが、メッセージ選択機会を飛ばしがちにしてしまうなどの弊害も。
週刊ファミ通1780号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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