Mosaic(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
キャラの操作はありますが、どちらかと言えば映画的に物語を堪能するタイプ。妄想なのか幻覚なのか判然としない数々の体験は、不穏で空恐ろしいものがありました。見せかたに工夫があり、とくに決めのカットと思しき通勤のシーンは印象深く、胸に刺さりますね。おじさん世代にはぜひ見てほしいな。随所で行う仕事やアプリのミニゲームが地味におもしろくて、もっと遊んでいたくなりました。
週刊ファミ通1628号より
モダンアート風の映像表現が、珍しさもあって目を引く。抽象的に描かれる物語は、薄気味悪さや若干の欝々としたムードをまといつつも、現代社会を風刺するかのようで、共感を誘います。ゲーム内のアプリ“BlipBlop”が意外に中毒性が高く、けしからんことに歩きスマホが可能で、移動中や待ち時間についアプリを触ってしまうところも、いまっぽくて皮肉が効いている。ボリュームはあっさりめかな。
週刊ファミ通1628号より
現代社会で働く人が感じる息苦しさを表現したグラフィックや演出がアートのよう。無機質な都会の描写には、怖さと同時に既視感も覚えます。対照的に、日常から一歩はみ出したときに体験する奇妙な出来事は、色使いが美しい。操作にゲーム性はあまりなく、触れられる映画のような印象ですが、切なさや安堵など、さまざまな感情が出てきました。全体的に、もう少しボリュームがあればよかった。
週刊ファミ通1628号より
インタラクティブなショートフィルムといった印象。ちょっとしたパズル的な要素も織り込まれているが、基本はキャラを動かして一本道の物語を進めるだけ。それでも、“管理社会”や“都市生活での孤独”などを刺激的に描くテーマと、スタイリッシュなビジュアルがすばらしく、モダンアートのような美しささえ感じる。ただ、エンディングは想定の範囲内の展開だったので、もう少し驚かせてほしかった気も。
週刊ファミ通1628号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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