To the Moon(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
老人の記憶を遡りながら思い出の欠片を集めていくシステムは、異なるシチュエーションやミニゲーム、主人公たちの軽妙なやり取りなどを交えて飽きさせない作りに。そして、集めた記憶が牽引する後半の怒涛の展開! 音楽やカメラワークも含めた映画的演出が光る、至極のアドベンチャー。斜め移動やダッシュができないといった操作系に関するモヤモヤも、“作品”としての魅力の前では些末なことです。
週刊ファミ通1627号より
人生の最期を迎える人の夢を叶える、という作品の設定だけでも興味を惹かれる。依頼者の老人の記憶を遡り、人生を断片的に見ていくことで真実が明らかになるとともに、思い入れも深まっていきます。切なくも、見終えたときに満たされた気持ちになるストーリーは、すばらしいのひと言。それだけに、たまに翻訳が少し変なところがあるのは惜しい。動作の不具合は、今後の修正に期待したいところ。
週刊ファミ通1627号より
物語を表現する手段にゲームが選ばれたことで、ハートウォーミングなドラマが、心に残る体験へと昇華しています。人の大切な記憶を遡っていく行為には、覗き見をする背徳感も。対象にインタラクトしにくかったり、主人公たちの軽口が少々乱暴に思えるなど、やや粗削りなところもあったけど、ステキなお話でした。記憶の欠片がそれぞれどんな思い出と結びついていたのか、全部知りたかったな。
週刊ファミ通1627号より
アイテム探しや簡単なパズルなどを方便に、ある老人の一生を追体験できる短編作。過去バージョンの『RPGツクール』をベースとした基本システムや操作性に特筆すべき長所はないものの、BGMのチョイスや場面の見せかたが秀逸です。最終的に、「これは誰のための物語なのか?」と考えを巡らせたくなるほど、作品世界に入り込めます。ゲームデータの呼び出し関連の処理が快適なところもいいですね。
週刊ファミ通1627号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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