The Sinking City(プレイステーション4)のレビュー・評価・感想情報
ホラー系アクションアドベンチャーに、“推理”要素と“クトゥルフ神話”を注ぎ込み、独自の個性を放つ作品に。舞台となる世界や登場人物の設定など、プレイヤーが整理する情報量がかなり多いうえに、一度手にしてから回転させてチェックするアイテムなど、操作まわりがやや煩雑。慣れるまでは少々戸惑うが、そこを乗り越えると、クリーチャーと戦いながら、同時に行う事件の調査がグッと楽しくなる。
週刊ファミ通1612号より
クトゥルフ神話を題材にした、不気味な世界観の表現が見事。現実世界にオーバーラップしてくる幻覚などにより、狂気の世界をしっかり体感できる。“心の眼”の能力を使い、過去の幻影を見て証拠を集めたり、事件を解決する行程も興味が湧く。推理の結論など、プレイヤーが選択する部分があるのもグッド。ただ、ムダに広いフィールドや、機械的に感じることのあるNPCといった、少々荒削りなところも。
週刊ファミ通1612号より
捜査アドベンチャーとオカルトファンタジーの取り合わせに、好奇心が刺激されます。薄気味悪い舞台や個性的な登場人物にも興味津々です。『シャーロック・ホームズ -悪魔の娘-』と同様の推理システムが独特で◎。しかし、一部のメニューや操作がわかりにくいため、流れるようにプレイできず、シナリオへの没入を妨げられるのが残念。ガイダンスは用意されていますが、理解には時間がかかります。
週刊ファミ通1612号より
決定的な“歪み”を抱えた陰鬱な都市の描写は絵画的であり、やや冗長な構造さえ、作品世界の深淵に引きずり込む仕掛けのように感じます。現場捜査や異形の者どもとの戦闘は、決して難しくはないものの、主人公の精神が侵されていく演出とセットで体験することで、ダウナーな充実感を得られます。やや貧弱なUIやナビゲーション関連のシステムを許容できるかどうかで、没入感も変わってくるでしょう。
週刊ファミ通1612号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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