蝶々事件ラブソディック(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
百合要素や猟奇的な事件など、素材自体は王道でわかりやすいけれど、秀逸なシナリオと構成、そして美麗なイラストが物語を美しくも切なく彩り、引き込まれる内容。物語が進むにつれ、つぎつぎと驚きの事実が露見し、息をつく間もないほど感情を激しく揺さぶられます。攻略対象の視点も多く、互いに恋をし、心を通わせていく過程が丁寧に描かれている点は◎。ルートごとに話がまったく違うのもいい。
週刊ファミ通1512号より
妖しくも魅力的で耽美なムードが漂い、淡い色合いのグラフィックがそれを彩っているのがステキ。ミステリー要素のあるシナリオで、謎が少しずつ明かされ、真相に迫っていく過程も楽しめる。攻略対象のキャラと単純に惹かれ合うわけではなく、ヒロインに利用価値があるがゆえに、立場や好意のあいだで揺れ動く気持ちなどが描かれているのもいい。遙役の村瀬歩さんの声の使い分けは、スゴイのひと言。
週刊ファミ通1512号より
猟奇的な殺人事件や謎めいた登場人物、主人公に隠された秘密など、ミステリアスなドラマに引き込まれます。一度クリアーするだけでも物語の全体像が把握でき、さらに周回を重ねるたびに真相が明るみに出てくる組み立てが巧妙。ただ、謎の根本部分の設定には、架空のお話とわかってはいても、やや受け入れにくい違和感が。学生寮でのお姉様とのやり取りを始め、ドキドキする描写にもぬかりなし。
週刊ファミ通1512号より
昭和モダンやエログロナンセンスのエッセンスが随所に散りばめられた物語世界は、刺激的でありながらも一定の上品さを有しています。派手な演出こそないものの、ムダのないシナリオテキストによって、各場面の状況に引き込まれます。攻略ルートの順序の選択が限定的だったりと、ノベル系ゲームとしての自由度に欠ける点は好みの分かれそうなところですが、スキップ系の操作はすこぶる快適です。
週刊ファミ通1512号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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