FLOWERS秋篇(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
淡い色使いによる美麗なグラフィックとやさしい音色のサウンド、少女たちのプラトニックな恋愛描写は、相変わらず魅力的。シリーズ4部作の3作目で、この後の『冬篇』へと展開する都合上か、シリーズを通じて膨らんだ疑問や謎の多くが解決しないままで、モヤッとした感じが残る。とは言え、言い換えれば『冬篇』への期待が高まるデキであるとも。システムまわりは、前作や前々作と同様、快適に遊べて○。
週刊ファミ通1458号より
『春篇』や『夏篇』とは物語の雰囲気がまた違っていて、各キャラの意外な一面が描かれるのに驚かされるし、予想外の展開にもドキドキさせられます。繊細な心情描写と美しいBGMも魅力で、感動的なシーンをより際立たせている。『夏篇』のメインキャラ、えりかと千鳥のその後が見られるのもうれしく、ふたりのやり取りには思わずニヤニヤ。ミステリー要素は難しくなく、ちょっとしたスパイスといった塩梅。
週刊ファミ通1458号より
淡く柔らかな絵と繊細な音楽で作り上げられた世界観は、相変わらず美しく、ずっと浸っていたいほど。秋らしい、しっとりとした雰囲気が漂う一方で、事件も多発。謎を解くほどに乙女たちの想いが浮かび上がり、驚くと同時に切なくもなる。ただ、シリーズを知らないとついていけない部分があり、そこはフォローが欲しかったな。本作の主人公は、表面と内面のギャップがよく、もろさや気の多さも魅力。
週刊ファミ通1458号より
品がよくて知的な文章や妙(たえ)なるグラフィックが、少女たちのイノセントな想いを甘美に美しく演出。クールに見える本作の主人公、譲葉が、周囲を傷つけるのも自分が傷つくのも恐れている姿、それでも前に進もうとする強さ、そしてそれに呼応するかのように揺れる攻略対象たちの想いにグッときます。欲を言えば、もう少し心のやり取りを見たかった。シリーズがどう完結するのか、ますます気になる!
週刊ファミ通1458号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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