百華夜光(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
絵と色鮮やかな世界が美しく、花魁という艶やかな色香を感じる設定も心くすぐられます。それとは裏腹に、物語はヘビー。前向きに力強く生きようとするキャラたちに降りかかる波乱の展開は、はかなさを通り越して痛々しいほど。ただ、物語の構成と描写がとてもいい。交錯するキャラの思惑や心情の動きは、引き込まれるものがありました。CGやエンディングの回収に便利な“あしあと”機能もヨシ。
週刊ファミ通1366号より
各キャラの心情描写が丁寧で、切なさが漂う物語に引き込まれる。淡く美しい雰囲気のキャラデザインと、華やかでありつつも怪しげな世界観を描いたグラフィックも魅力的。ルートの分岐に複雑さはないが、好感度のほかに“花魁度”があり、シナリオなどに影響するのはおもしろい仕組み。一度通ったルートを途中から再開できる“あしあと”は、好感度も自由に設定可能なので、周回プレイに役立って便利。
週刊ファミ通1366号より
和のテイストを基調とした、独特のサウンドとビジュアルが異彩を放つ作品。ふつうの少女としての主人公にフォーカスした描写には、等身大の共感を覚える一方、花街に生まれて花魁見習いとして育った特別感が相対的に薄れ、もったいない気も。ドラマティックな逃避行では、もう少しインタラクティブにスリルを味わいたかった。ずっと気にかかる存在とのルートが、最後に用意され、救われました。
週刊ファミ通1366号より
人間界と妖かしの世界の“狭間”として描かれる花街は、独特の閉塞感に満ち、導入部のつかみとしてバッチリでした。各キャラのルートは、壮大な設定に対して舞台や場面の動きが少なめ。展開する恋愛模様も、自然と“生殺し”状態がメインになります。物語世界のイメージを広げるBGM、多種多様なボイスといった聴覚情報面は充実。とくに櫻井孝宏氏の、微妙なニュアンスの演じ分けは圧巻です。
週刊ファミ通1366号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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