DS版『押忍!闘え!応援団』20周年。タッチパネルをフルに活かしたリズムアクション。笑いあり涙ありの熱いストーリーが海を越えて大人気に【今日は何の日?】
※本記事は、2023年7月28日にアップした記事を再編集したものです。

物語に魅せられる稀有なリズムゲーム

 2005年(平成17年)7月28日は、ニンテンドーDS用ソフト『押忍!闘え!応援団』が発売された日。本日で発売から20周年を迎えた。
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 『押忍!闘え!応援団』は、任天堂から発売されたリズムアクションゲーム。“音ゲー”としてのおもしろさも当然あるのだが、困っている人たちをひたすら応援しまくる、笑いありお涙頂戴ありのストーリーが秀逸でゲーマーたちのあいだで大きな話題となった作品だ。“応援団”という日本独特の文化が題材のゲームながら、本作の高い評価は海を越えて伝わり、海外向けにローカライズされた
『Elite beat Agents』が発売されるまでに至った。

 本作の見どころは当然、心を熱くしてくれる応援エピソードの数々だ。通常のリズムゲームとは異なり、
『押忍!闘え!応援団』では楽曲ひとつひとつにストーリーが設定されているところがおもしろい。
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 たとえば
『One Night Carnival』では、バイオリニストの杉山が演奏会へと向かう電車の中で突如として腹痛に見舞われてしまう。この演奏会が世界に羽ばたけるチャンスゆえに遅刻は許されず、善玉ドリンクを飲んで何とか耐えるのだが、痛みの原因である悪玉菌が再びお腹の中で暴れだしてしまった……という地獄のような物語が描かれる。

 「おうえんだ~ん!」と助けを求める叫びに応えて応援団が即座に杉山のもとへ集結。プレイヤーは歌に合わせてリズムゲームをプレイしながら、腹痛に苦しむ杉山にエールを送っていくというわけだ。応援が成功するごとに善玉菌が活躍し、杉山は徐々に地獄から脱却。最終的にはみんながハッピーになれるエンディングを迎えることになる。逆に失敗すればそれはそれで笑えるバッドエンドが見られるのだが……。
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 楽曲にはプレイするパートとストーリーが流れるインターバルがあり、それが何度か交互に展開されるのだが、ここで挿入されるストーリーがまたイイのだ。
『One Night Carnival』の場合は立ちふさがる悪玉菌の前に、善玉菌軍団が颯爽と登場して蹴散らしてくれるというお腹の中の闘いを描いたものだが、これがスカッと爽快。画面の中でお腹の痛みが引いていく杉山を目の当たりにして実際にホッとするくらい、感情移入してしまうから不思議なものだ。ゆえに漏らさないように応援も自然と必死に。ここまでプレイヤーのモチベーションを高めてくれるリズムゲームはほかにはないかもしれない。
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 タッチパネルの機能をフルに活用したリズムゲームそのものも最高レベルの出来栄え。本作では下画面に表示される数字を順番にタッチしていったり、ラインに合わせてタッチペンをスライドさせていったりしながら操作していくのだが、これが途轍もない気持ちよさ。

 いくつかの決まった場所をタッチしていくわけではなく、下画面全体を使い、流れるようにタッチペンを動かしていくことになるのもユニークでよかった。しかも、いかにも応援っぽい太鼓やホイッスルのリズムになっているので、ピッピッピーーッと三三七拍子のようにタッチしているうちに応援団気分になっていくのもすばらしい。条件を満たせば、暑苦しい応援団だけでなくチアガールズが使えるのもうれしいポイントだった。
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 2007年5月17日には、続編の『
燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』が発売。前作を超える濃いキャラクターたちが多数登場し、こちらでも熱いストーリーを展開してくれた。
これまでの今日は何の日?