
ファミ通の編集者がゴールデンウィークに遊んでほしいゲームを紹介する連載企画。ヘルベチカ野本がおすすめするタイトルは、『Wizardry』シリーズの基本プレイ無料スマートフォン/PC(Steam)向けゲーム『Wizardry Variants Daphne』(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)です。
【おすすめポイント】
【おすすめポイント】
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- 戦うたびにみんなが汚れていくリアリティー(冒険あるある!)
- 奈落では自分たち以外全員敵なメンタリティー(冒険あるある……)
- 生きても死んでもみんながやさしいヌクモリティー(冒険こうありたい!)
ヘルベチカ野本がおすすめするゲーム
『Wizardry Variants Daphne』
- プラットフォーム:PC(Steam)、iOS、Android
- 配信日:2024年10月15日
- 発売元:ドリコム
- 価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)
クセつよすぎる仲間たちと挑む奈落への片道切符
世に生を受けた数多のゲームの原点を挙げるなら。超古典でありお作法であり、嗜みとも言える作品のひとつが、3DダンジョンRPG界隈における金字塔的作品『Wizardry』でしょう。そして『Wizardry Variants Daphne』は、40年超の歴史を持つ同シリーズの延長ながらも、“変種(Variants)”の名の通りにスマートフォンベース(PCにも対応)で展開される間口の広いハクスラ(※戦闘に重点を置いたプレイスタイル“ハック&スラッシュ”)……でありつつ、さらに分岐型シナリオと特濃キャラクターが楽しめる、極盛りゲームです!
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攻略的な側面については、キャッチコピーで「危険(リスク)を、味わえ。」と言い切っていることからもわかる通りに、始終ヒリつく難度で、あっさり斃(たお)されては多大な対価で再起させられる容赦ない骨太具合。
そんな精神をえぐる冒険で心の支えになるのが同志たる仲間なのですが、彼らも主人公である仮面の男と同じく、死して遺骸となったのちに甦った理外の存在なんですよね。主人公が「死ぬわけにはいかない」理由づけに、この「現世で自分たちだけが余所者」という設定が効いていて、さまざまな意味での疎外感と連帯意識が、物語の伏線として巧妙に用いられる点に感服です。
さらには、ガチャ的なシステム(それ自体も遺骸をガチャるという倫理観が、巧妙に世界観に落とし込まれていてすばらしい!)を介して集まる仲間の顔ぶれに、例外なく親近感を覚えてしまう動機づけ演出も良質。
たとえば戦闘終了後に、徐々に薄汚れていく仲間たちが主人公の肩を叩いて励まし叱咤したり、ダンジョンから帰還後の酒場打ち上げで、食卓を囲んで乾杯するという(飲み物の色は怖い)ありそうでなかった“一人称視点”での仲間との触れ合いが、リアルで胸に刺さるんですよ。記憶を失い屍同然の肉体を抱えながら、奈落に潜ることを運命づけられた寄る辺のない主人公を、開けっぴろげな打算や腹の探り合い込みでちゃんと評価しねぎらってくれる様子は、取り残された元死者どうしの孤独が暴かれるようでゾクゾクしますね……!
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ところでお気に入りメンバーは、リリース初日に加入しながらも、未だに「あまり近づかないで」と主人公を毛嫌いする、辛辣なエルフ僧侶ガリーナ。金欠パーティーゆえの馬小屋連泊で、彼女に臭い汚いと罵られる、そんな毎日が最高にリスキーでハッピーです!
Writer:ヘルベチカ野本
スマホゲーを中心に、チクチク、コツコツと進めるタイプのゲームを遊んでいます。積みゲー免許皆伝。