心霊に対するスタンスの異なる3人を操作しながら44のウワサを調べていくアドベンチャー

主人公は内気な男の子のナオと、天真爛漫な少女であるクルミ、性格が少し屈折している女の子のサンゴという同じ中学に通う3人組。ナオは霊的なものをなんとなく信じており、クルミは当たり前に存在していると思っています。そしてサンゴは霊をまったく信じていません。そんな霊に対するスタンスが異なる3人の中から操作するキャラクターを選択して、物語の舞台となる陽見(ひるみ)市で囁かれている数々の噂を調べていくことになります。また、ナオの飼っている犬のメロスも登場。野生の勘で霊を察知できる、ゲームとしても重要な役割を持つキャラクターです。


3人組の調査は、学校で“噂”を入手する“学校シーン”と、入手・検証した噂についての相談をする“相談シーン”、メロスを連れて噂の検証をする“散歩シーン”、そこで選択したキャラクターの寝るまでの生活を見ることができる“プライベート”に分かれています。
“学校シーン”と“散歩シーン”のパートは、操作するキャラクターを自由に選択できます。女子トイレには女子しか入れないなど、特定のキャラクターを選ぶことで調査が進む場面も多く、選択によって展開や結末が変わるため、いろいろな組み合わせを試したくなります。

校内にはさまざまな人物が登場します。成績優秀でスポーツも万能な優等生・ニシがいじめっ子軍団とよくつるんでいて最初は不思議に思いますが、じつは彼が家庭内で問題を抱えていることが終盤に判明するなど、どのキャラクターも深みを持っています。
主人公たちも、辛辣な言動が多いサンゴがトイレで陰口を叩かれていたり、学習面で困難を抱えているように描かれるクルミが宇宙人扱いをされて学校で無視されていたりと、リアルな要素も描かれます。単なるツンデレや不思議ちゃんといった属性設定で片付けることなく、人物像が丁寧に作り込まれています。とくにクルミの立ち位置は物語的にもとても重要です。

散歩シーンでは広大な陽見市を探索することに。商店街や団地、歩道橋などの風景が徹底的に作り込まれており、鳥の鳴き声や電車の音など、街の環境音の細かな演出も相まってリアリティがあります。プレイしていてノスタルジックな気分に浸れること間違いなしです。

ゲームに用意されている噂はメインストーリーと関わる“人の顔をしたカラスを見るとちょうど100日後に死ぬ”というものをはじめ、44種類と豊富。結末もさまざまで、肩透かしのようなオチもあれば、オカルト全開のホラーや人間の内面を描くヒトコワ系に発展することもあります。メインストーリーを追うだけであればすべてをプレイする必要はありませんが、真相を確認したくなります。

本作はダウンロード版が存在せず、パッケージ版がプレミア化していることでも有名なソフト。リアリティのある人間関係や絵の具で描いたような独特なグラフィックの雰囲気をはじめ、オンリーワンの魅力に溢れる作品なのでリマスターなどで復活してくれるとうれしいですね。











