シンガポールのスタジオ・Elementaが手掛けるオープンワールド・アクションRPG『白銀の城』。Unreal Engine 5(UE5)の採用によって、ヴィクトリア朝様式の街並みを美しく描き出しているのが特徴だ。
本作の舞台は繁栄を極める大都市“シルバニア”。プレイヤーは“探偵”となり、メイドやバーテンダー、警察官といった、一見すると戦いとは無縁そうな職業の仲間たちとともに、人間に化ける“人狼”やギャングといった脅威へ立ち向かうことになる。
期待作として注目を集める本作だが、2026年1月13日~1月18日の期間、第1回クローズドβテスト(CBT)“同一律テスト”が実施された。今回が初のテストということもあり、どのような体験が待っているのか、気になっているファンも多いはず。
そこで本稿ではCBTで判明した、事件の真相に迫る探偵としての“静”の調査とダイナミックなスキルが飛び交うアクションの“動”。そのふたつが織りなすギャップの魅力をリポートしていく。
祝祭に沸く街シルバニアで動きはじめる影
まずは見てほしい。この美しい街並みを……! ゲームを開始し、第1章が始まった瞬間に目に飛び込んでくる光景だ。
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UE5で描かれた精緻な街並み。石畳の質感や建物の装飾など細部まで作り込まれている。
大都市“シルバニア”では、女王即位の祝典の真っ只中。街全体がお祝いムードに包まれており、いたるところで紙吹雪が舞い、女王を称えるオーケストラの音楽が響きわたっている。歩いているだけで、ワクワクしてしまう。
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街の灯りや機械の数々は、“シルバーリキッド”と呼ばれる元素の恩恵によるもの。この革命的な資源により、都市が発展していった。
しかし、この活気溢れる祝祭の裏では、不穏な影が蠢いている。人間社会に潜伏する“人狼”と暗躍するギャングたち。シルバニアではいま、さまざまな勢力が水面下で動き出している。
主人公はこの祝典をきっかけに、3年ぶりにシルバニアへと帰ってきた。そこで旧知の間柄であるローレン警視長から、ある不可解な事件の調査を依頼されることになる。
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“イケオジ”という言葉がふさわしい依頼人のローレン。未解決事件の重圧ゆえか、少し疲れたような表情を浮かべている。シブい……シブすぎる!
“身元不明焼死体事件”。数十人の死者を出し、なにもかも灰と化した凄惨な事件だ。手がかりは乏しく、被害者の身元はおろか、遺体の引き取り手すら現れないという。不可解な事件の真相を暴くため、探偵である主人公の力を借りたいのだ。
一方で、主人公がこの街に戻ったのには、個人的な目的もあった。3年前の“飛行船事件”で相棒・フギンを殺した犯人を突き止めること。銃弾に刻まれた“紋章”を唯一残された手がかりとして、真犯人へつながる糸口を追っていくことになる。
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シルバニアを探索するうえで欠かせない移動システムについても触れておきたい。街の各所には、フックを引っ掛けて建物の2階へ飛べるといったショートカットが用意されており、高低差を活かした移動がある程度自由に行えるようになっている。
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フックを駆使すれば、途切れている足場の向こう側へ渡ることも可能。
ただし、街中を自由にジャンプしたり、壁を登ったりといったアクションは制限されている。オープンワールドでジャンプができないのは、少々もどかしさを感じてしまった。
長距離移動の際には、各所に点在するポイントへの“ファストトラベル”のほか、馬への騎乗が快適だ。高い場所から馬で飛び降りると、ペガサスのように翼が展開され、そのまま滑空することもできる。風が気持ちいい……。
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上空から見た街の光景もステキ。一度でいいから現実でも訪れてみたいものだ。
推理ドラマのように進行していく捜査パート
本作では主人公が探偵ということもあり、人物や物体などを観察するシステムが特徴的だ。なお、今回はわかりやすく“注視モード”と呼称して説明していく。
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目のマークが目印となる。
注視モードを活用することで、遠くの会話を盗み聞きしたり、事件現場に遺されたわずかな手がかりを特定したりすることが可能となる。周囲を観察し、情報をひとつずつ拾い集めていく様子は、まさに探偵の仕事そのもの。
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調査のためなら、施設へ潜入し隠密行動することも。見張りの目を掻い潜り、リスクを冒す覚悟も求められる。
物語の序盤では、ローレンから依頼された“身元不明焼死体事件”について調べていくことになる。ここで印象的だったのは、主人公が事件ファイルの情報をもとに、脳内で事件現場を再現する“マインド・パレス”という特殊能力。
この能力により、断片的な証拠から当時の状況を客観的かつ立体的に整理でき、プレイヤーはまるで推理ドラマを鑑賞しているかのような感覚で捜査パートを楽しめる。
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事件現場からは重々しい空気が漂っている。
さらに、調査を進めていくうちに、驚くべき事実が発覚。一部の遺体に、主人公が長年追い続けている“紋章”が刻まれていたのだ。無関係と思われた事件が自身の因縁と結びつく。点と点がつながり、物語が動き出す瞬間は、本作のストーリーテリングにおける魅力と言えるだろう。
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白銀の探偵がカッコいい! 警視長からバーテンダーまで個性豊かな仲間も登場
本作の主人公となる“探偵”は、男女ふたりから選択可能。今回、筆者は女性を選択したが、選ばなかった一方は主人公の相棒(弟)として物語に深く関わっていく。3年前の飛行船事件の関係者であるふたりが、今後どう描かれていくのか注目だ。
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主人公は明晰な思考力と行動力を兼ね備えた頼もしい人物として描かれる。「犯人を捕らえるのは容易いが、難しいのは人の思惑だ」というセリフ通り、冷静な判断力で対処していくさまは、まさに探偵の鑑。
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ビジュアルも秀逸で、黒を基調としたスタイリッシュな衣装にハットを被り、白銀の髪と吸い込まれるような蒼い瞳を持つ。とくに必殺技を放つ際の演出がグッド。蒼い瞳が赤く光る瞬間、ふだんの静かな知性と裏腹に荒々しさが感じられ、思わず男心がくすぐられた。
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行動をともにする仲間たちも、ひと癖ある実力者ばかり。警視長のローレンをはじめ、メイドのフウ、バーテンダーのアーガス、医者のファソ、さらには令嬢や“シンデレラ”まで顔ぶれは多彩。基本キャラクター名に役職が併記されているため、初見でも立場や役割が把握しやすいのはありがたい。
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バーテンダーのアーガス。彼が出すカクテルに主人公は目を輝かせていた。
ほかにも情報屋のレッドローズやアシスタントのアシュリーといった協力者も多数登場。さまざまなキャラクターたちの思惑が交錯し、ストーリーに彩りを添えてくれる。
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情報屋でありダンサーのレッドローズ。この名前も偽名らしい、謎だらけの女性。
可憐なメイドの武器はまさかの“火炎放射器”!? フウの造形から見る圧倒的こだわりにも注目
筆者のお気に入りキャラクターはメイドのフウ。もともと探偵のアシスタントを志望していたが、紆余曲折を経て探偵事務所のメイドとして雇うことになる。
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無邪気で不器用な、いわゆる“ドジっ子”メイドだが、掃除は得意。たとえば3年分の埃が積もっていた事務所をひと晩できれいにするといった、意外な有能さを見せてくれる。
そんな、彼女の武器は“火炎放射器”。火や電気といった属性の力を引き出すデバイス“リアクター”を起動することで、通常のショットガンから火炎放射器に切り換わり、敵を焼き尽くす。愛らしい外見とのギャップが最高だ。
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また、探偵事務所での面接時には、怪しい点がないか詳しく観察できるシーンがある。ここでは探偵として情報収集を行うのだが、同時にキャラクターの3Dモデルをじっくり鑑賞できる貴重な機会にもなっている。
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フウの3Dモデル。衣装のフリルの質感や、腰に下げた時計の金属光沢、タイツの透け感にいたるまで、高精細に描かれており、UE5の恩恵を強く感じる。
ボタンひとつでつながる爽快コンボと連携がカギ
基本となるアクションは通常攻撃、チャージ攻撃、回避(ステップ)、スキル、必殺技で構成。回避ボタンを2回押すことでローリングへ派生したり、ターゲットのロックオン機能が備わっていたりと、操作はオーソドックス。攻撃ボタンを連打するだけでコンボがつながっていくため、アクションが苦手なプレイヤーでも十分に爽快感を味わえるはず。
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チャージ攻撃をくり出す際、周囲がスローになる。視覚的な心地よさだけでなく、戦況を見極める間が生まれるのもおもしろい。
戦闘では、敵が攻撃を仕掛ける直前、黄色いリングが出現した瞬間にタイミングよく回避ボタンを押すことで、攻撃を弾き返す“パリィ”が発動。敵の気絶値(ゲージ)を大幅に蓄積させることができる。
気絶値は通常攻撃でも溜められるが、パリィを成功させたほうが効率がいい。最大に達すると、敵に赤いリングが表示され“致命の一撃”を叩き込むチャンス。一気に大ダメージを与えられる。この緊迫感溢れる攻防戦が気持ちいいのだ。
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ローレンの場合、致命の一撃では強烈なアッパーをくり出す。
また、仲間との連携にも注目。戦闘中に“リアクターゲージ”が溜まり、控えキャラクターのアイコンが黄色く発光しているときに切り換えると、登場と同時に“奇襲攻撃”を仕掛けてくれる。これをきっかけにコンボがつながっていくので、チームバトルならではの楽しさも堪能できた。
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パーティーは最大4人まで編成可能。
さらに、キャラクターを強化する育成要素として、自身のアイデンティティーに対応するアイテム“モーティヴ”が登場。各キャラクターには“英雄”や“守護者”といった特性が設定されている。
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たとえば“英雄”である主人公に、同じ“英雄”の特性を持つモーティヴ[コインの謎]を装着させると、攻撃力アップなどの恩恵を最大限に受けることができる。
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[コインの謎]では攻撃力アップに加え、奇襲攻撃を発動すると装備キャラクターの攻撃力を18秒間、20%アップさせる効果を持つ。
ほかにも、“燃焼”や“電撃”といった属性の概念も確認できた。コンテンツによっては、出現する敵に合わせて同じ属性で編成したり、属性をバラけさせたりするなど、戦略的なビルドが求められることもあるかもしれない。
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通行人を観察し異常を見つけろ! 怪物を暴くと戦闘が発生
シルバニアで、気をつけなくていけないのが一般市民に紛れる“人狼”をはじめとした怪物たちだ。ただの人間であるギャングはひと目でわかるものの、怪物たちはふだん、人間の姿に化けて人混みに溶け込んでいる。
ここで重要になるのが、探偵の観察眼“注視モード”だ。通行人を詳細に観察していくと、人間の身なりとしては明らかな違和感……“破れた衣服”や“瞳孔の収縮”、“虹彩の変色”、あるいは“爪のあいだに残った皮膚片”といった、人外であることを示す決定的な証拠を見つけられる。恐ろしい……!
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注視モードで対象の異常を特定していく。正体を暴くと戦闘に突入する。
人狼のほか、ハーピーなど別の怪物も同じく人に変装している。なお、周囲に敵が潜んでいる場合は、ミニマップが敵の方向を指し示したり、赤く点滅したりして警告してくれる。この機能により、街を歩いていてもほどよい緊張感が生まれている。
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さきほどの女性の正体を暴く前。ミニマップの警告により、この目の前を歩いているNPCが人に化けている怪物だと判明した。
単に敵と戦うだけでなく、観察によって敵を特定するという探偵要素が戦闘にまで組み込まれているのは、『白銀の城』ならではのシステム。“静”の調査から“動”のバトルへと移り変わる仕掛けが、本作の戦闘における魅力と言えるだろう。
地道な証拠集めを通じて事件の真相へと迫る緊張感と、パリィを軸に据えたスタイリッシュで硬派なアクションのバランスが心地いい。探偵アドベンチャーとしてのシナリオの深みと、アクションRPGとしてのシステムの完成度の高さを十分感じることができた。
本作は全プラットフォームにおける事前登録者数が400万人を突破しており、世界中からの注目度は日に日に高まっている。初のCBTとは思えないほど高クオリティーだったが、今後さらに新たなキャラクターの追加や、細かなブラッシュアップが施されていくことを考えると、期待は膨らむばかり。
ただ唯一の心残りは、今回のテスト期間が約6日間と短かったこと。Elementaさん、第2回CBTの開催はまだですか?
※一部キャラクター画像は公式Xから引用。