本体価格44800円の衝撃が忘れられない
PCエンジンGTは、NECホームエレクトロニクスから発売された携帯型ゲーム機。“持ち運べる据え置き機”を目指して作られていて、コンパクトなボディーが特徴的だった据置型ゲーム機“PCエンジン”のソフトをそのまま遊ぶことができた。
競合する携帯型ゲーム機の価格は任天堂のゲームボーイが発売時12500円(1989年4月21日発売)、セガのゲームギアが19800円(1990年10月6日発売)だったが、PCエンジンGTはなんと44800円と別格の存在。あまりにも衝撃的で、筆者を含む当時のゲームファンにとってはまさに高嶺の花であった。
画期的だったのは、やはり前述した据え置き機のゲームが遊べる点だろう。PCエンジン用の“HuCARD(ヒューカード)”をそのまま挿して、『R・TYPE』や『PC原人』などのリッチなゲーム体験ができたのは、大げさでも何でもなく常識を覆すような革命だった。
現代ではNintendo Switchが据え置き機と携帯機の垣根を取り払って実現しているが、当時のスーパーファミコン(あるいはファミコン)とゲームボーイ、メガドライブとゲームギアといったハードどうしは互換性がない。携帯機専用にスペックを落としたソフトが必要になるのがふつうだったことを考えれば驚きのほども想像できるだろう。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/58964/ac5b88e549ef8b82fe5430454c7f54a3a.jpg?x=767)
まあ、据え置き機用の高解像度の画像を小さな液晶画面に縮小表示していたせいで細かい文字が潰れて読みにくかったようだがそれはご愛嬌。ちなみに、単三電池6本を使用しても稼働時間は約3時間ほどだったとも言われている。
おもしろい試みだったのは、別売りの“TVチューナー”を接続することでPCエンジンGTがポータブルテレビとしても機能したこと。PCエンジンGTの“GT”は、「Game and TV」からきているそうなので、大きな売りのひとつだったのは間違いない。
当時はワンセグもなく外でテレビが見られる機会が少なかったため、アンテナを伸ばしオートチューニング機能を使ってテレビを見る姿は、ガジェット好きな少年の心を鷲掴みにしたはずだ。筆者も本機を所有していた友だちがうらやましかった覚えがある。
なお、当然だがPCエンジンGTにはローンチタイトルの概念はない。PCエンジン用のゲームがすべて対応ソフトになるのだから、圧倒的なライブラリを誇っていたところも当時としては革命的な要素のひとつだった。












