ひときわポップでかわいらしい世界が魅力
『シティコネクション』は、ジャレコから発売されたアクションゲーム。1985年7月から稼動していたアーケードタイトルの移植版で、美少女のクラリスが愛車に乗って世界各地を駆け抜ける姿が多くのゲームファンを魅了した。
2023年9月27日にはメガドライブカートリッジの『シティコネクションMD』が発売。また、今年(2025年)になって、株式会社シティコネクションから『クラリスのウェディングベル』の発売が発表されるなど、近年『シティコネクション』関連の話題が目白押しな点にも注目だ。
本作のストーリーを当時の表記を使って簡単に説明すると、「カリフォルニア生まれのスピード狂少女クラリスが、愛車クラリスカーで世界中のハイウェイを走り回って大騒ぎ」といった内容。しかも目的は理想の男性探しというから、クラリスはなかなかエキセントリックな少女だったようだ。
『シティコネクション』がユニークだったのは“道路を塗りつぶす”という、非常に独創的なルールを採用していた点だろう。階層構造になっているハイウェイを走り、すべての道路を白色に塗りつぶせればステージクリアーとなる。当時の多くの作品が敵を倒すことを目的としていた中で、本作はかなり平和的なルールだったのが印象に残っている。
クラリスを捕まえようとするパトカーは拾ったオイル缶を投げ付け、スピンさせてやり過ごす。時折路上に“おじゃまネコ”が出現、接触すると『猫踏んじゃった』の楽曲が流れてミスになるのもおもしろく、遊んだことがある人ならよく覚えているんじゃないだろうか。
バックに流れていた軽快な音楽はクラシックの名曲であるチャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第1番』をアレンジしたものらしく、非常に耳に残る。クラリスカーを駆る疾走感ともピッタリ合っていたし、思い出の1曲というプレイヤーも多いはずだ。
自由の女神とマンハッタンの夜景やビッグベンとタワーブリッジなど、ステージごとに変化する美しい背景のランドマークも大きな魅力。ステージの合間に表示されるクラリスのスマイルも非常にかわいらしかった。
アーケード版と比較してファミコン版はステージ数が減っていたり道路の塗りつぶしがブロック単位になっていたりと、変更点は多々あったが、それでも多くのファンを生み出した一作に仕上がっていたんじゃないかな。
いまファミコン版の『シティコネクション』で遊びたいなら、Nintendo Switch Onlineに加入して“Nintendo Classics”で遊ぶのが手っ取り早くておすすめだ。アーケード版のほうに興味を持った場合はNintendo Switch、プレイステーション4(PS4)向けの『アーケードアーカイブス シティコネクション』がいいだろう。
もしメガドライブに移植されていたら……というifをコンセプトにした『シティコネクションMD』や、ファミコン版の新作として発売予定のスピンオフ『クラリスのウェディングベル』なんて変わり種タイトルにも要注目だ。