『ATMOSFAR』集英社ゲームズ新作を試遊リポート。地球との重力の違いを感じる浮遊感、風を受けてふらつく飛空艇。「飛ぶのって難しいけど楽しい!」【gamescom 2025】

byさとるり

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『ATMOSFAR』集英社ゲームズ新作を試遊リポート。地球との重力の違いを感じる浮遊感、風を受けてふらつく飛空艇。「飛ぶのって難しいけど楽しい!」【gamescom 2025】
 2025年8月20日~24日にドイツ・ケルンで開催されていた欧州最大規模のゲームイベント“gamescom2025”。同イベントにて、集英社ゲームズがパブリッシャーを務める『ATMOSFAR』の初のプレイアブルデモが公開された。

 本作はスウェーデンのゲームスタジオ・Apog Labsが開発する空島探索アドベンチャーゲーム。無数の空島が浮かぶ“惑星タイコス”で、飛行艇で移動しながら自由な飛行やカスタムを楽しむことができる。PC(Steam/Epic Games Store)向けに2026年に配信予定となっている。

 今回開発者によるプレゼンとデモ試遊の機会を得たので、その内容をお届けする。
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美しいグラフィックと自由度の高さ

 体験版は“クラウドクルーザー”と呼ばれる大型飛行船の中から始まる。どうやらクラウドクルーザーの電力が尽きてしまいそうとのことで、いきなりプレイヤーはピンチ。“ワスプ”と呼ばれる小型飛空艇に乗って、星を巡り電力となるコアを探しにいく……といった流れのようだ。プレイヤーは宇宙服を着ており、クラウドクルーザーの中でもシュポシュポ音とともにジャンプしながら移動する。この時点ですでに浮遊感が楽しい。
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最初は少しもったり感じるが、ジェットパックを使ってのジャンプは宇宙空間ならでは。
 そしてワスプに乗り込みエンジンを起動し、ハッチが開いて勢いよく外へ飛び出したときに目の前に広がる島々の景色。解放感がすごい! 
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 ワスプの飛行操作はやや癖がある。左右上下と移動できるものの、浮遊しながらの移動になるのでただちに入力した方向へ切り替わることはない。風の影響も受けるし、最初はこの感覚になかなか慣れずふらふらしながら何度も360度回転してしまった。ちなみに筆者の稚拙なプレイでは意図せず激しくカメラを回すことになったが、乗り物酔いのようなものは一切なかったことは書き留めておく。

 同席した開発スタッフが言うには、なるべくリアルな経験をゲームに落とし込みたかったため、あえて少々難しく感じてもこの操作にしたとのこと。それを聞いて筆者は納得。だって飛行機しかりヘリコプターしかり、飛ぶのって、ぜったい簡単じゃないもの……。

 だけど慣れてくると風を味方につけて飛んでいるような操縦が楽しくなってくる。「こんなに上手くなれば本物のパイロットにもなれるのでは!?」なんて増長してしまうほどだ。

 ワスプの移動だけでなく、プレイヤー単体での移動も宇宙服の重さを感じるようなアクションになっており、ここが地球ではないどこかの星なのだ、と実感させられる。ダッシュ、ジャンプなど地球とは異なる重力下での挙動に最初は戸惑うが、慣れると独特の浮遊感がとても楽しい。

 今回のデモはキーボードによる操作だったので(筆者は個人的にキーボード操作に慣れていない)やや難度が高めに感じたが、このあたりの操作性はコントローラを使うことで大きく変わりそうだ。
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 惑星タイコスはいくつもの空島から成る惑星。この中で何をしようと自由! なのだが、我々にはクラウドクルーザーの電力になるコアを回収するミッションがある。目的地は最初からマーキングされてはおらず、ある程度近づくと画面の中に表示される仕組み。
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 最近のゲームだとマップを開くと詳細の地点がマーキングされているといったものも多いが、今のところそういったシステムは入っていないそうだ。「近くに来たかな」と思ってワスプから降りても、高低差のあるマップでもっと下のエリアだったということもあった。これも探索する楽しさを提供したいという開発者の思いからきている。

 そう聞くと「少し面倒かなあ」と最初は思ってしまうかもしれないが、惑星は美しく、隅々まで歩きたくなってしまうのだ。
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 見慣れない地形、動植物、空には浮遊島が浮かぶ光景。ドラゴンのような虫のような生き物も飛んでいる。未知の世界を存分に楽しもう。
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 その後目的のコアを見つけたが、どうやら放射線で汚染されており、そのまま触れることはできないようだ。クレーンがついている別のワスプで運ぶことになったが、そのワスプは故障中。今度はワスプを修理するために必要な資材を探すことに。
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資材は手で運ぶのではなく、プレイヤーが放つ光線で回収。未来的だ。
 今回のデモ版ではチュートリアルを兼ねているためか、いわゆる“おつかい”の要素が多いようには思ったが、本作の重要なポイントは最大4人のマルチプレイができること。マルチプレイは専用のマップが用意されているわけではなく、このマップにフレンドを招くことができる仕組みになっている。資材探しもひとりであちこちを探索するよりも、手分けして探していくことで効率的に進めることができそうだ。

 もちろん、効率的に進めることが最適なゲームではないとは思うのだが、操作性に慣れないうちに諦めてしまうのはあまりにもったいない。まずは友人とこの星の探索を隅々まで楽しんでほしい。
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 今回のデモで体験できたのはここまで。時間が限られており筆者は初期のワスプしか試乗できなかったのだが、順調にプレイできれば修理を終えた後のクレーン付きのワスプにも乗れて、そして電源を回収した後はクラウドクルーザーも操作できるようだ。ワスプによって操作感が異なると思うので、この辺りもぜひ触って確かめてみたいところ。
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 ちなみにクラウドクルーザーでは、ワスプの整備や、船内のレイアウトのカスタマイズなどができるという。詳細は続報に期待したい。

東京ゲームショウ2025に出展決定

 集英社ゲームズは9月25日~29日で開催を予定している“東京ゲームショウ2025(TGS2025)”に本タイトルを含めて5タイトルを出店することを発表した。

  • 『OPUS: Prism Peak』:試遊あり
  • 『unVEIL the world』:試遊あり
  • 『NO STRAGHT ROADS 2』:試遊あり
  • 『ATMOSFAR』:試遊あり
  • 『ANTHEM#9』:試遊あり

 gamescomで体験できた『ATMOSFAR』は英語版だったが、TGSでは日本語版の試遊が体験できるとのこと。ストーリーへの理解も深まり、より没入感のある体験ができるはずなので、ぜひ気になった方は足を運んでこの浮遊感を体験してみてほしい。
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解説をしてくださったApog Labsのリード・ゲームプレイ・プログラマーAlexander氏(写真左)とコミュニティ・マネージャーSofia氏(写真右)。
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