
会場にはインディー作品としては爆発的ヒットを記録している『都市伝説解体センター』など、個性豊かなタイトルを世に送り出す“集英社ゲームズ”も出展。『BAKUDO』『ANTHEM#9』『シュレディンガーズ・コール』など、多数の注目タイトルが展示された。
本記事ではその中のひとつ、チーム“アクロバティックチリメンジャコ”が手掛ける『シュレディンガーズ・コール』の先行レビューをお届けする。なお、本記事では物語序盤のネタバレを含んでいるためご注意いただきたい。
1本の電話が、死にきれない魂を救済する
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見知らぬ部屋で、電話の呼び鈴で目を覚ました主人公のメアリ。記憶を失い状況が呑み込めない彼女だったが、傍らにいる謎の黒猫・ハムレットから電話に出ることをすすめられる。
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手に取った受話器の向こうからは、無数の声が聞こえてくる。彼らの反応は個々別々だが、一様に“死にきれない思い”を持っているようだ。
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ゲームではそんな死にきれない思いを持った、ルーシーという女性と電話がつながり、会話をしていくことになる。会話の中で出る選択肢を選びながら物語を読み進めていくと、自身の信念を問われた。そこで「誰かのために生きていたい」と答えたところ、ルーシーの電話番号を得ることができた。
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ハムレットいわく「自分の記憶を取り戻したいのなら、まずはルーシーを救うことが条件になる」そう。その言葉に従い、あらためてルーシーに電話をかけてみたところ、彼女は「ウィリアムの話を聞いてほしいが、彼のことを思い出せない」という。
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これまでの会話の中から、“ウィリアムはルーシーの息子である”と推察。それを前提に選択を進めていくと、ルーシーは徐々にウィリアムのことを思い出していく。本作では、このように会話を通して新しいキーワードを手に入れ、それをきっかけに話を広げていくことになるようだ。
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そうしてかかってきた未完了通話で聞こえてきたのは、ルーシーの悲しい通話の記録だった。またそこで、通話が切断された突発的現象の正体が明かされる。なんと、いまから21ナノ秒前にこの世界に月が落ち、人類は消滅したという。
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あまりに突然の出来事に、心残りを抱えた死にきれない人類たちが生まれた。彼らの魂を救える存在こそがメアリなのだ。メアリは自身の記憶を取り戻すため、“世界最後の通話相手”として彼らと会話を始める……といったところで、体験版は終了となった。
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プレイしていると、独特のストーリーと世界観に一気に引き込まれてしまい、30分ほどの体験時間があっという間に過ぎてしまった。とくに印象に残ったのが、映像と音によるユニークな映像表現。演出がとても美しく、そして儚いのである。
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まるで夢の中にいるかのような幻想的なエフェクトに加えて、リアルな電話の呼び鈴、しっとりと心に響く音楽、通話を通して聞こえてくる“くぐもった音声”など、音響に関しても並々ならぬこだわりが感じられた。ぜひともヘッドフォンかイヤホンでプレイすることをオススメする。
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『シュレディンガーズ・コール』は“BitSummit the 13th Summer of Yokai”への出展のほか、Steamにて無料体験版が配信中。気になった人はチェックしてみてほしい。