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『アクアノートの休日』30周年。明確な目的のない海中散策でゲームの常識を覆した。ゆったり味わう究極の癒やしと冒険感【今日は何の日?】

byウワーマン

『アクアノートの休日』30周年。明確な目的のない海中散策でゲームの常識を覆した。ゆったり味わう究極の癒やしと冒険感【今日は何の日?】

実験的なコンセプトが衝撃だった

 1995年(平成7年)6月30日は、プレイステーション(PS)用『アクアノートの休日』が発売された日。本日で発売から30周年を迎えたことになる。

 『アクアノートの休日』は、アートディンクから発売された異色のシミュレーションゲーム。一般的なゲームのような明確な目的や敵が存在せず、プレイヤーは広大な海中を自由気ままに探索してさまざまな海洋生物を観察していくという内容だった。

 本作は、PSの普及が進み多様なジャンルの家庭用ゲームが多くリリースされた時期に発売された1本。従来のゲームの枠にとらわれない作品の登場はユーザーだけでなく多くのゲームデザイナーにも衝撃を与えただろう。

 環境を体験することがコンセプトの作品はいまでこそ“アンビエントゲーム”などと呼ばれることもあるが、『アクアノートの休日』はまさにその先駆けと言える存在だ。
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 本作の目的は上記の通りいっさいなし。プレイヤーは潜水士(英語でアクアノート)となり、休日に本業を離れ、潜水艇での海中散策をしていくことになる。当時のマシンスペックでは遠景までは描けなかったようだが、そこは想像力で補うことで静謐な深海世界を十二分に堪能できたのではないかな。

 現実の日々の忙しさから開放されて、究極の癒やしと非日常的な没入感を味わえたなんて人も少なくないはずだ。

 熱帯魚や深海魚、イルカにクジラといった海獣など、多種多様な海洋生物との出会いが本作の魅力のひとつ。潜水艇は4種類のエコーを発することが可能で、興味を惹かれた好奇心旺盛な生物が近づいてきてくれることもあった。逆に逃げたり死んだふり(?)をしたりすることもある。

 ただ観察するだけでなく能動的にコミュニケーションを取れる要素を用意してくれていたのはありがたい。スクーバ(スキューバ)ダイビングのように間近で魚を観察できたのでうれしかった人も多かったはず。よく観察すると魚たちの細かな動きもリアルだった。

 “ビルドリーフ”機能を使えば、自分が設置したサンゴ礁にそれまで見なかった魚たちが集まってくることもあった。海中環境に干渉して新たな生態系を作ると言うと大げさかもしれないが、魚の集まる場所を自分で作れるのは新鮮だったのでは?

 海底に沈んだ船や古代魚との遭遇など、プレイヤーの好奇心を掻き立てる海中ならではのサプライズも多数存在。前述のクジラなどもあまりの巨大さに畏怖の念を抱いたものだ。ほかにも人為的に作られたと思しき謎の構造物の断片などが垣間見えたりして、探索にワクワクした覚えもある。
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 1996年7月19日には、要素を追加した『アクアノートの休日 メモリーズ オブ サマー 1996』が発売してシリーズ化。

 1999年7月1日にはPS用に続編『
アクアノートの休日2』が、2008年9月25日にはプレイステーション3(PS3)用として大きくパワーアップした『アクアノーツ ホリデイ 〜隠された記録〜』が発売された。
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