
セガサターン初期に発売された代表作
『パンツァードラグーン』は、セガ・エンタープライゼス(当時)から発売された3Dシューティングゲーム。セガサターン本体の発売から約4ヵ月後に登場した初期のオリジナル作品で、セガサターンを代表する一作でもある。名作との呼び声が高く、2020年にリメイク版が発売になった際も国内外のファンたちが大いに沸いた。
プレイヤーはドラゴンライダーの青年カイルとなってドラゴンの背に乗って飛行し、古代文明が産み落とした攻性生物や帝国の兵器、敵のドラゴンなどを撃破していく。基本は背後からの三人称視点で奥へ向かってスクロールしていくシューティングなのだが、周囲360度を自由に見渡せるのがじつにすさまじかった。
なにせ当時は家庭用ゲーム機でようやくポリゴンを本格的に使用できるようになったばかり。ドラゴンに跨って飛びながら幻想的な世界をぐるりと見渡したときは、さぞかし感動だったに違いない。筆者的にも次世代機のパワーを十二分に実感させられた記憶。
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映画『砂の惑星』を彷彿とさせるような広大な砂漠、狭い洞窟、敵の基地、鬱蒼と木々の繁る森林地帯、洗濯物が干された市街地のような場所など、多種多様な景色の中を飛び、戦うことができた。
敵はもちろん、360度あらゆる方向から攻撃を仕掛けてくる。レーダーで敵の接近を察知したら、その方角に視点を変えて撃破しなければならない。巨大な戦艦に横付けされて銃撃戦が始まったときなどは、あまりの迫力に息をするのも忘れるくらいだったはず。追いつき追い越せと目まぐるしく位置が変化する中で、とにかく狙いを付けて攻撃をしまくるのが熱かった。
主人公は威力が控えめなバルカンのほか、ロックオンした後に一斉射撃を行うホーミングレーザーが使用可能。とくにピピピピッと瞬時にロックオンして撃破していくホーミングレーザーが快感で、どうにかまとめてロックオンしてやろうとみんな必死になって狙いを定めていたんじゃないかな。小型の敵を一掃するのもいいが、巨大な敵を複数箇所ロックオンするのも気持ちがよかった。
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本作独特のファンタジー世界にピッタリハマった壮大な楽曲の数々も、じつに名曲揃いで非常に人気が高い。とくにエピソード1で聴くことになる“飛翔~EPISODE 1”はドラゴンに乗って顔に受ける風や速さを感じられるような疾走感があって、誰しも印象に残っているんじゃないだろうか。聴けばすぐに水没した遺跡の中を飛んでいくドラゴンの姿が思い浮かんでくるはずだ。
1996年3月22日に続編となる『パンツァードラグーン ツヴァイ』が発売されてシリーズ化。シューティングではなくRPGである『AZEL -パンツァードラグーン RPG-』といった変わり種の作品も発売されている。
2020年4月2日に発売したNintendo Switch版を皮切りに、2021年までのあいだにPC版、Xbox One版、プレイステーション4(PS4)版の『パンツァードラグーン:リメイク』が登場。現代に合わせてグラフィックを大幅に改善しているのが大きな特徴となっている。