※本記事は、2024年1月29日にアップした記事を再編集したものです。当時としては異例過ぎるほど緻密なバックストーリーにも夢中に
いまから42年前の1983年(昭和58年)1月29日は、アーケード版『ゼビウス』が稼動を開始したと思われる日。
アーケードゲームの稼動日は家庭用ゲームの発売日とは異なり、細かい日付まで公式発表されない場合が多い。本稿ではアルファレコードから1984年4月25日にリリースされた、日本初のゲームミュージックサウンドトラック『ビデオ・ゲーム・ミュージック』のライナーノーツに記載されている情報に基づいている。余談だが、このサントラはYellow Magic Orchestra(YMO)などで有名な細野晴臣さんがプロデュースしていて、発売当時かなり話題となって好セールスを記録した。
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『ビデオ・ゲーム・ミュージック』
『ゼビウス』はナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された縦スクロールシューティングゲーム。昔からのゲームファンなら誰もが知っているくらいの名作で、筆者が通っていたゲームコーナー(デパートの屋上)では複数ある筐体がつねに埋まって人だかりができているくらいの人気を集めていた。
ファミリーコンピュータ版を含め、時代を超えてあらゆるハードに移植されてきたので1980年代当時のアーケード版は知らずとも『ゼビウス』で遊んだことがある人は多いはずだ。もちろん現在もNintendo Switchやプレイステーション4(PS4)、PCなどで遊ぶことができる。
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本作は1983年の作品でありながらストーリーや設定も凝っている。目的は自機である“ソルバルウ”を操作して、対空用のザッパーと対地用のブラスターの両兵器を使い分けながら超知性体“ガンプ”が率いる敵、ゼビウス軍と戦っていくこと。当時としては異例と言える緻密なストーリー設定が存在したため、コアなファンたちはさまざまな考察をして夢中になったものだった。“ゼビ語”という架空の言語が作られていたことも有名な話だ。ソルバルウというのも“太陽の鳥”を意味する言葉だとか。
本作が登場したころは、画面が縦スクロールすること自体が画期的と言える時代。当時シューティングゲームの多くが背景が真っ黒(または星空)のステージクリアー型。そんなころに『ゼビウス』が登場したのだから相当な衝撃を受けたのは想像に難くないだろう。スクロールする美しい背景の中、編隊飛行する敵機が襲ってくる光景に目を見張った人は少なくないはずだ。
突如として登場する“ナスカの地上絵”に度肝を抜かれた人は多かったんじゃないかな。森の上空を挟んでのエリア分けはあったものの、画面が遷移してリザルトが表示されるような明確なステージクリアーがなかったことも斬新に感じられた。
多種多様な敵機の存在も魅力のひとつで、『ゼビウス』を代表する敵機と言えばやはり機動浮遊要塞“アンドアジェネシス”が群を抜いたインパクト。画面のスクロールに合わせて追従してくる巨大要塞の威容に驚いて撃ち出される砲弾の餌食になったプレイヤーは後を絶たなかったはず。
筆者的にはエリア9などで突如として出現してソルバルウの眼の前で合体して去っていく“シオナイト”や高速で飛来して弾を放ち背面飛行していく“テラジ”が印象深く記憶に残っている。
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回転しながら空を飛んでくる鉄板“バキュラ”も『ゼビウス』を象徴する敵(?)のひとつ。破壊不能なゼビウス軍の建材なので回避するほかない存在なのだが、“ザッパーを256発当てると破壊できる”という噂がゲームファンのあいだでまことしやかに囁かれて広まってしまったのも当時らしいエピソード。バキュラを破壊しようと果敢に挑んだことがあるのは筆者だけではないはずだ。ちなみにどんなに連射してもバキュラが画面にいるうちに256発当てるのは不可能なうえ、仮に実行できたとしても破壊できないんだとか。
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おもしろいのは、この噂話を1986年発売の続編『スーパーゼビウス ガンプの謎』(FC)で実現してしまったこと。ザッパーをパワーアップすることで、あのバキュラを破壊できたことに感動的した人もいるのではないだろうか。
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『ゼビウス』と言えば隠し要素の存在も忘れてはならない。後年のファミコン時代に“隠しキャラ”または“隠れキャラ”といったものが大流行したが、おそらくは本作がその先駆け。仕込もうと思ったそのアイデアには驚かされる。
川などの特定の一帯にブラスターを撃ち込むことで出現させられる“スペシャルフラッグ”は残機を増やせるうれしいボーナスアイテム。出現させようと無理をして敵弾の餌食になってしまった人も少なくないのではないかな。またアーケード版では、開始直後に画面右端にブラスターを撃ち込むと隠しメッセージが表示される。
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また同様に、特定の場所にブラスターを撃ち込むことで“ソル”と呼ばれる塔が地面からニョキニョキと現われる場合もある。こちらは出現時に2000点、破壊時に2000点入るのだが、場所によっては何本も並んで生えてくるので、謎の多い世界設定と相まって非常に神秘的な光景に見えたものだった。ソル出現時の影が伸びてくるさまが見応えあったのを覚えている。
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アーケード版『ゼビウス』でいま遊びたいならNintendo Switch及びPS4向けにハムスターから発売されている『アーケードアーカイブス ゼビウス』がおすすめ。移植されたファミコン版に思い入れがある人はNintendo Switch Onlineの加入特典で遊べる『ゼビウス』がいいだろう。
※画面はアーケードアーカイブス版のものです。