プラットフォームはプレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Nintendo Switch、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)。SteamのHumble Games Winter Saleで50%オフの990円[税込]で購入でき、しかもPrime Gamingでは無料配布中(後述)だ。試しに遊んだら思いのほかハマってしまったので紹介したい。
……とプロローグはシンプルだが、そうは問屋が卸さない。核心に関わる重要キャラクターたちが登場するものの、彼らが口にするのは「彼女が生きている限り、精神合流はかならず起こるだろう」などの意味深なセリフばかり。ゲーム全編を通じてこの調子で、詳細はあえて語らずに断片的な情報のみを提示してプレイヤーに推察させるスタイルだ。
これがいいのである。かつては『エヴァンゲリオン』をドヤ顔で謎解きした、“断片的な情報をつなぎ合わせて推察する”能力に自信がある人は少なくないはず。この挑戦、真っ向から受けて立とうではないか!
ゆっくりと物語を進めるたびに、美しいピクセルアートが目を楽しませてくれる。リリース前から評判は高かったようで、たしかにすばらしい出来映えだ。
トラップが点在する監獄のような薄暗いフィールド、そこを徘徊する異形の者たち……。イルマの攻撃で絶命した彼らが肉塊になって四散する細かな様子も見事に描写されており、その光景にはどこか映画『ヘル・レイザー』に代表される作家クライヴ・バーカーの世界観を彷彿とさせる。1980年代のゴシックホラーやスプラッターホラー映画に迷い込んだような、うれしくもあり悪夢でもある世界にどっぷりと浸れるのだ。
そして、アクションゲームである以上、やはり重要なのは戦闘だ。そこらのザコ敵ですら硬く、一撃でばったばったと倒していく爽快感とは無縁。攻撃を見極めながら対処する仕様はソウルライク系を彷彿とさせる。あらかじめ覚悟していたとはいえ、お互いの体力を削り削られのスリリングな熱戦が続くのだ。こ、これはメンタルにくる……ぞ!
そんな熱戦を制すための心構え、それは“猪突猛進は避けるべし”だ。「攻撃は最大の防御なり」という考え方はソウルライクアクションでは通用しない。実行中は無敵になるダッシュ移動を使って、相手の後ろに回り込んでからダメージを与えていくのが戦闘の鉄則になる。
と、偉そうに語ってはいるものの、こういったゲームの経験が浅い僕はそれに気づくのに数時間を要した。泣きべそをかきながらプレイしたのは『エルデンリング』以来である。
しかし、いったん戦闘のコツを覚えてしまえば、さまざまな戦術を試してみたくなる心の余裕が生まれる。溜め攻撃や必殺技が宿った特殊武器、魔法などのスキルを活用。ダッシュ移動で敵の背後から必殺技を放って気絶させ、ときには敵を誘導して壁や床の剣山に串刺しにする(いわゆる環境キル)。こういった華麗な戦い方を身に着けると、加速度的におもしろくなっていく。
また、敵キャラクターの攻撃を受け流して反撃するスキル“パリィ”は、決まれば気持ちがいい反面、相手の攻撃や間合いによってタイミングが変わるため、慣れるまでは失敗が続く。それでも心折れずに練習を重ねて体でタイミングを覚えれば、格闘技ものの漫画・映画よろしく“厳しい修行や戦いを乗り越えて覚醒した”主人公のごとき強者感が味わえる。
ここまで操作に慣れれば、ゲーム序盤の辛さもどこへやら。強敵と戦うのが待ちきれない、一人前の戦闘マニアになっているはずだ。
なお、メトロイドヴァニア的な探索要素もあるが、やや薄味気味。いくつかのエリアに区切られたフィールドはそれほど複雑ではなく、ショートカット用の近道をアンロックしていけば迷うこともない。トライ&エラーをくり返す気を削がないように、シンプルに収めているのだと思われる。探索に割く意識も総動員して、ダークファンタジーな物語を堪能しよう。
Prime Gamingで無料配布中! 気になったらいますぐゲット!!
さらに現在、アマゾンプライム会員向けサービスのPrime Gamingでは、GOG.com(※)経由で2025年2月19日まで無料配布中。
ブラウザがゲーム引き換え用コードのページに切り替わったら、ページ上部の“ギフト券番号”のボタンをクリック。するとGOG.comでの引き換えページに移動するので、そこで“Redeem”ボタンを、その後“Continue”クリックすれば引き換え完了だ。
ただし引き換えにはアマゾンプライム会員のアカウント以外に、GOG.comのアカウントが必要になるので事前に作っておこう。
GOG.comはSteamのようなダウンロード販売サイトで、入手したゲームのインストールや起動を行う外部ランチャーも用意されている。もちろん、この外部ランチャーや、今回引き換えた『Moonscars』はすべて日本語対応だ。
最大9連休とも言われる2024〜2025年の年末年始休み。ゲーム好きにとって長期連休は、ふだんは敬遠しがちな大作や高難度アクションにじっくりと向き合う貴重なチャンス。きみも『Moonscars』の魅力に触れて戦闘マニアになってみないか?