独特のスティック操作で料理人気分が味わえた
『俺の料理』は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)から発売された料理アクションゲーム。『サルゲッチュ』に続きアナログスティックをフル活用する“アナログコントローラ専用”タイトルとなっている(当時はアナログスティックが新鮮な時代だった)。
2本のアナログスティックを左右の腕や包丁などの調理器具に見立てて、さまざまな調理を行っていくのが非常に斬新で現在でも多くのファンがいる作品だ。
レジ係を務めるおばちゃんの存在がかなりのインパクトで、なぜかボスとしても登場するため印象に残っている人も多いのではないだろうか。「いらっしゃいませぇ」、「ドリンク入ったよ!」、「ちょっとゴキちゃんよ!」などのセリフも忘れられない。
おもしろかったのは大衆食堂やファーストフード、和食処といった店ごとにラーメン、ハンバーガー、エビチリ、天ぷらなどの多種多様な料理があり、それぞれ調理の工程が異なるところ。食材を切ったり皮を剥いたりしながら下ごしらえをして、焼く、炒める、煮る、揚げるといった調理を行い、料理を完成させていく。
たとえば包丁で切る作業なら、左スティックで食材に添える左手を、右スティックで包丁を動かして切る動作を行うといった具合で、かなりそれっぽいアクションを要求してくるので思わず笑ってしまう。
塩を振って味付けしたり、ハンバーグの種の空気抜きをしたり。あるいはソフトクリームを作ったりビールを注いだりなど、いろいろな作業でプレイヤーを楽しませてくれた。一部の作業は何人分かまとめて調理も行えたので、より効率化を図ることも可能だった。
煮るといったの工程は時間が掛かるため、食材を煮ているあいだにほかの作業も並行してこなすなど、実際の料理のような手順を踏むのもユニークだ。
いろいろなおジャマ要素も存在し、プレイヤーの料理を妨害してくる。大量に湧いて出るゴキブリをスリッパで潰したり汚れた皿を洗ったり、さらには酔っぱらいの介抱をしたりと、こちらの要素も多種多様。うまく対処しないと客が怒って帰ってしまい評判を一気にダウンさせてしまうことになるのがキツかった記憶がある。
現状、本作を遊ぶハードルがかなり高い。プレイステーションPlusのクラシックスカタログに追加されるとうれしいのだが……。