『ガンダムブレイカー4』開発者インタビュー。いまだ謎に包まれたゲームシステムや内容を直撃。新規参戦の“すーぱーふみな”についても言及!?

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『ガンダムブレイカー4』開発者インタビュー。いまだ謎に包まれたゲームシステムや内容を直撃。新規参戦の“すーぱーふみな”についても言及!?
 『ガンダム』のプラモデル(ガンプラ)のパーツを好きなように組み換えた“俺ガンプラ”を創造し、その俺ガンプラを操作してミッションをクリアーするアクションゲーム『ガンダムブレイカー』シリーズ。その最新作が、2024年8月29日についに発売! Nintendo Switch、プレイステーション5(以下、PS5)、プレイステーション4(以下、PS4)、PC(Steam)で発売予定の本作は、ナンバリングタイトルとしては『ガンダムブレイカー3』以来8年ぶりとなる新作だ。開発のキーマンを直撃し、いまだ知られていない本作の謎と魅力に迫る!

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田中聖憲たなかまさのり

『ガンダムブレイカー4』プロデューサー

福川大輔ふくがわだいすけ

『ガンダムブレイカー4』ディレクター

左右別々の武器によるアクション、こんなコンボはいかが?

――第1回のオープンネットワークテスト(以下、ONT)【※インタビューが行われたのは第1回ONTと第2回ONTの間である2024年8月2日】を経て、ユーザーからの声で印象に残ったものは?

田中
 実際に遊んでもらって、すごくいろいろな俺ガンプラを作っていただき、SNSなどの反応も見ていたのですが、「俺、こんなの作ったんだぜ」というのがすごくあって、全体的には、すごく楽しんでいただいたなという印象です。クローズドのネットワークテストのときもそうだったんですけど、「『ガンダムブレイカー』の最新作を作っていただいてどうもありがとう」とか、シリーズについての熱い話をしていただいたりとか、シリーズとしてすごく愛されているなというのが目に見えて、そこはすごくうれしかったです。

――私もONTに参加させていただいたんですけど、楽しくてなんだかあっという間でした。

田中
 ONTでは時間が限られていたので、「デスティニーガンダムの右腕パーツは手に入ったけど左腕パーツが手に入らない」という声が参加者からありましたが、製品版ならSHOPがあるので、ゲームを進めていくことでSHOPに並ぶ機体も増えていきます。パーツが出ないときは、SHOPで購入していただいて強化もできるので、ご安心ください。

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――本作は左右別々の武器が持てて、それによってアクションも変わります。ぜひ試してもらいたいコンボとかは?
福川
 第1回のONTには、近接武器種としてはサーベルとアックスしかありませんでしたが、第2回のONTや製品版ではムチがあります。広範囲に点在する敵を自機の周囲に集めたり、方向レバーを入れながら発動することで引き寄せたりと、トリッキーな動きができます。それをほかの武器種と組み合わせて敵を自機の周囲に集めてからつぎつぎと攻撃するといったシチュエーションを作れるようなプレイ、立ち回りができるとおもしろいかと思います。

田中
 武器種は、すでに公開しているサーベルやアックス以外にもムチ、ランス、ツインブレード、両手持ち武器の格闘、大剣といったものがあります。格闘でもクローや拳法、サーベルでも居合斬りが可能なカタナ、連続突きが可能なサーベルなど、同じ武器種でもバリエーションがあったりします。

福川
 ロマンというか、原作に近いものというところを落とし込みつつも、ゲーム的に「両手で持たせたらこんな遊びができるんじゃないか?」というのを試してもらえれば。上達していったり、あるいは組み合わせを変えてみたりとかスキルとの組み合わせとか、そういったことが楽しめるので、いろいろ試していただきたい。もちろん、サーベルだけでも楽しめますが、それ以外の遊びかたができるのが大きいかなと。

――射撃武器も『3』から新たに追加された武器種はありませんか。

福川
 大きなカテゴリーとしてはないですが、武器自体は増えています。

――射撃武器を用いたコンボや戦法もいろいろありますか。

田中
 連続ヒット数が増えるとバフがかかるというシステムがありますから、マシンガンなどそういった武器を最初につけて、自機にバフをかけてからあとの攻撃を行っていくとかが考えられます。ほかにも、バズーカの爆風に巻き込ませて体勢を崩してからコンボを入れるとか、いろいろあります。

ストーリー、クエスト、サバイバル、各モードの楽しみかたは?

――ゲームの進めかたは、やはりストーリーとクエストを並行して進めるのがオーソドックスでしょうか。

田中
 まずはストーリーを楽しみつつ、ストーリーのチャプターをクリアーするごとにクエストが増えていきますので、そこで並行して進めていく。しかし、クエストはストーリーよりも敵のレベルが上がっていて、ちょっと難しくなっています。ストーリーで獲得したパーツを使って、ちょっと歯応えのある寄り道的なフリーミッションという立ち位置ですね。クエストをパーツ稼ぎに使うのもいいですし、クエストのクリアーではエンブレムも獲得できます。ですので、ストーリーを進めていただくだけでも構いません。基本的にはストーリーをクリアーしていけば上の難度が開放されますので、そこでもっと高い難度で遊んでいただくのもよし、新たなパーツで機体をどんどん強化していくのもよしです。

――あとは新モードのサバイバルがありますね。

福川
 通常のミッションが3WAVEのところを、50WAVEやるのがサバイバルです。先に進むほど敵が強くなるので、まずはクリアーするのが最初の目的になります。撃墜されたら最初からやり直し。ただし、気を抜かずに時間さえかければクリアー自体は可能という作りになっています。その先に、できるだけ早く終わらせる、どれだけハイスコアで終わらせるかという遊びがある。ふつうのミッションでも評価、ハイスコアというのがあるんですけど、その結果が全ミッションで集計されてランキングになっている。ONTでも、全ミッションをやりきった人は、ランキングハイスコアを狙うためにひたすら全ミッションの最高得点を上げる作業をされていたようです。僕もそれに参加していましたが(笑)。スコアの稼ぎかたというのはクリアー時間を短くすることで点数は上がっていくので、どれだけ効率的にバトルするかという、パーツを集めた先のやり込みとしてはやりがいのある目標になるのかな。

田中
 サバイバルは、やり込み要素にはなりますが、パーツのレアリティーを上げる進化素材が少しだけ落ちやすくなっているミッションです。進化素材でレアリティーを上げて最終的にマスター化して、マスター化したパーツを量産するというところにもっていける。進化素材を集めるもよし、自分の機体の限界にチャレンジするもよし。まずはクリアーを目指すために自分の機体の強化をがんばる。クリアーできたら、サバイバルもランキングに対応しているので、ハイスコアを狙ったり、クリアータイムを縮めるためにさらにやり込んでいくとかで楽しめます。

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新要素アビリティカートリッジは、能力アップばかりではない

――覚醒の具体的な強化内容は?

福川
 覚醒強化の種類は4種類で、基本的には『3』を踏襲した形になります。まずは攻撃力が上がる“アサルト”。“アービター”は、デバフをかけて敵のパラメーターを下げる。“ガーディアン”は、自機に対する攻撃への耐性を上げ、撃墜された味方機の回復も可能。“ライトニング”は、機動力が上がり自機の動きが速くなる。どの覚醒の種類でも共通なのですが、“バーストアクション”と言って、EXスキルをさらに超えるスキルが発動する。これらも『3』にあった仕様です。

田中
 巨大なビームで攻撃するとかですね。あとは、パーツによっては固有のバーストアクションを持っていたりもします。たとえば、ストライクフリーダムガンダムだとフルバーストとか、ガンダムXならサテライトキャノンといった超必殺技のようなものです。

――本作で登場したアビリティカートリッジ実装の狙いは何でしょう。

田中
 アビリティカートリッジの収集はエンドコンテンツ、やり込み要素ではあるんですけど、意図としてはハックアンドスラッシュの要素を強化したかった点があります。あとは、自分のガンプラをカスタマイズする以外に、戦いかたというか戦闘スタイルもカスタマイズしていくということを強化したかった。本作でこのアビリティカートリッジというのを入れると、たとえば射撃に全振りしたカートリッジで、射撃を突き詰めた機体を作ったりとか、スラスターゲージの消費を下げることによって機動力に特化した超高機動型な機体にしたりとかを目指せます。

福川
 旧作ならモジュールとかあったんですけど、内部アビリティだけだとパーツに依存してしまって、新しいパーツを入手しても変えづらくなってしまう。細かいところは内部アビリティなんですけど、大きなところは上がり幅を拡張アビリティに持たせている。パーツを変えても拡張アビリティを組み換えることで、たとえば近接スタイルで行きたいから近接を高めやすいカートリッジを組み込むとか。カートリッジには3つのアビリティが備わっているのですが、ランダム性があるのでいいものを引く必要があります。「射撃は高いんだけど、スラスターゲージの減りが大きいなあ」とか。

田中
 必ずしもバフ効果だけではなくて、デバフもランダムなので、3つ付くアビリティのうち、全部デバフというのはあるし、全部バフというのもあるし、バフ・バフ・デバフというのもあるし、バフ・デバフ・デバフというのもある。そこはやりこみ要素ではありますね。ただ、1ミッション行って1個しかもらえないとかそういうことではなく、けっこうドロップして取れるので、そこは理想のものが出るまでリトライしていただくというコンテンツにはなっています。

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俺ガンプラの性能を左右するアビリティカートリッジ。パーツ以外にも、理想のカートリッジ出現までやりこむことにも夢中になりそう。
――では、SHOPの内容は?

福川
 旧作と同じようにガンプラのパーツを買えるという要素はあります。また、ジオラマに置くオブジェクトもそこで追加で購入可能です。

田中
 ゲームを進めていくと、ラインアップは増えていきますよ。

福川
 基本的には、SHOPのラインアップは、ゲームを進めていけば品揃えがよくなっていきます。そこで、欲しいものがあるけど手に入らないときにゲームを進めるようにすることで、プレイヤーが迷わないようにはなっています。

――クラン結成の狙いは?

田中
 本作はビジュアルロビーにしていて、ガンプラをアバターにして交流できたり自分のガンプラを見せ合ったりとか、オンライン要素でちょっとコミュニケーションや交流というものを要素として足しています。開発としてもコミュニケーション要素、ユーザーどうしの交流というものは強化したいなと思っていました。その一環としてクランという形で、気の合う者どうしで結成してもらって、いっしょにミッションにチャレンジしてもらったりとかガンプラを見せ合ったりとか、そういうところを楽しんでもらいたいなと。

福川
 ランキングレコードとかあるので、いっしょにクランでやっている誰かがいないかなあと捜す楽しみもあります。ゆるく、いっしょにいないときでもつながっていられる。今回はいっしょにいられるような要素を増やしていて知ってる人とでも知らない人とでも、いっしょにいられる時間が増えるようにという仕組みにはなっていると思います。プレイしていないときでもつながっている要素があることで、変化を楽しめるように。

田中
 クランメンバーでいっぱい集まってガンプラをわちゃわちゃ、同じロビーに集まるだけでも楽しいというのもあります。

――クランランキングというものもあって、それを競うことも?

田中
 そうですね。ハイスコアランキングとかですね。

本作はガンプラのゲーム、ロマンとゲーム性のせめぎあい

――新規参戦の“すーぱーふみな”ですが、ほかのガンプラより、何やら規制が厳しいとか?

田中
 パーツのアセンブル、組み換え自体の規制はとくにありません。制限がかかるのはペイントで、バックパック以外の部分は倫理的な観点やレーティングなどの部分も考え、ペイント変更は不可能にしています。あとは、ジオラマモードでは一部のパーツを非表示にできる機能があるのですけど、“すーぱーふみな”や“モビルドールメイ”は、それらができないようになっています。

福川
 バトル時に“すーぱーふみな”のパーツを使っている場合、それが吹き飛ばされたとき、パーツが飛ぶ表現ではなくノイズのような表現になります。

――ダウンロードコンテンツの予定は?

田中
 シーズンパスとジオラマパックのふたつをコンテンツとしては予定しています。シーズンパスのほうは、ストーリーのミッションと追加の機体が入ったものが全部で5種類。ジオラマパックは、オブジェクトのセットが全4種類。内容に関しては追ってお知らせいたします。

――今回の開発に当たって苦労したこと、苦悩したことは。

田中
 数えきれない(笑)。

福川
 ナンバリングタイトルとして、こういうゲームに決めようというところは、苦労したというか、悩んだところだと思います。たとえば、左右に武器を持たせて攻撃の選択を増やすとかですね。スキルのほうも今回は変えているところもあるんですけど、その場で選択できることを増やして単調にならないように状況に応じてやれることを増やして、ユーザーが自分なりのプレイスタイルを見出せるような選択肢を増やすようにしています。ゲーム性の部分で言えば、本作はガンプラのゲームであるものの、原作の設定もあるので、そこの落とし込みのバランス。その中でどう落とし込むか。ロマン部分とゲーム性の部分との兼ね合い。いろんな兼ね合いの落としどころが悩ましいですし、いまでもちょっと不安なところでもあるんですけど。まあ、全部と言えば全部です(笑)。

田中
『3』から続くナンバリングというところで、変えるところと変えないところは、開発チームの中でも議論を重ねました。『3』も昔のゲームではあるので、“シンカ”(進化、深化、真価)ポイントを盛り込むのは当然。ゲームとしてブラッシュアップしておもしろくするためには、変えるべきところと変えてはいけないところを選ぶのは苦労しました。ジオラマとかは、新モードというところでの苦労は尽きませんでした。自由度が高いモードではあるのでやれることが多い分、操作性は難しくなりがち。開発段階ではこのバランスに苦労しましたね。

福川
 配置する位置をわかるやすくするためにガイドを出したり、ポーズはゲーム内のモーションから選べるようにし、さらに再生機能を追加するなど、わかりやすさを意識した設計にしていきました。

田中
 開発当初は地面にガンプラを設置するとき、地面より下に潜ってしまうことがあるので、スティックで微調整しながらやっていたんです。そこで、地面に接したときに設置しようとしているガンプラが1回止まるという仕様を入れることで、ガンプラをスムーズに置けるようになりました。細々したところで使い勝手の良さというところを極力がんばってきたつもりではあります。UIにしても、たくさんのメニューを画面に表示すると、ジオラマの舞台が見える領域が狭くなっちゃうじゃないですか。そこで最小限のタグだけ出すようにしました。極力邪魔にならないように画面横にタグのアイコンを置くようにして、何をやっているのかだけを表示させるとか。いきなり10個のメニューを出されたら何が何やらわからなくなりますよね。そこで、あなたがいまやっている操作はこれです、というのだけを階層的に掘り下げるような構成にしたりとか。UIの構成とかデザインも含めてジオラマモードに最適化したいというところは試行錯誤しました。

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――ユーザーへメッセージを。
田中
 本作は、ベースのゲーム性はナンバリング作を引き継ぎながらも、新規要素でパワーアップし、久しぶりに帰ってきた『ガンダムブレイカー』シリーズのナンバリングタイトルです。新要素も含めて新しくビルドの幅とかジオラマモードで新しい表現ができたりとか、いろいろなビルドがまた新しくできるゲームになっているので、想像もできないような新たなビルドを創造して楽しんでもらいたいなと思っています。

福川
 旧作から変わっている要素もありますけれど、旧作を遊んでいただいた方には、作って戦ってまた強くなってという部分は強化されて遊べますので、楽しんでいただけると思います。オンラインロビーで、ミッションに行かなくても気楽に集まって俺ガンプラを魅せあえるようになっているので、以前はオンラインをやらなかった人も集まってほしいです。旧作を遊んだことがない人でも、カスタマイズや作って戦ってというサイクル自体、見た目が変わってやることも変わるという遊び自体がおもしろいと思うので、ぜひプレイしていただきたい。オンラインでバトルするだけじゃなくて魅せる部分、つながる部分、体験としてゲームをプレイするなかで楽しい要素のひとつだと思いますので。

――コミュニケーションツールにもなりそうですよね。

福川
 ロビーに入ってきて機体を見るだけでも楽しい。ほかの人の機体も見てみよう、こんな機体もあるぞとか楽しめると思います。

田中
 ONTでもいろいろなロビーを覗きに行きましたからね、僕たち。

福川
 その人が作ってる設計図のアップロードとか、その機体がどんなのかとか、フォトモードの写真とか見られたりとかするので。こういった見せる部分も含めて一段上の感じになっていますので、ぜひ遊んでいただきたいと思います。

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