『誰ガ為のアルケミスト』10年後にも記憶に残る重厚なドラマと登場人物たち。8年以上も歴史のあるゲームだけど触ってみてほしい一本【夏のおすすめゲームレビュー】

by山あり黒谷

更新
『誰ガ為のアルケミスト』10年後にも記憶に残る重厚なドラマと登場人物たち。8年以上も歴史のあるゲームだけど触ってみてほしい一本【夏のおすすめゲームレビュー】
 ファミ通の編集者が2024年夏のおすすめゲームを語る連載企画。今回紹介するゲームは、壮大でドラマチックな物語が描かれる本格タクティクスRPG『誰ガ為のアルケミスト』です。
広告
※本企画は、週刊ファミ通2024年6月20日号(No.1852/2024年6月6日発売)の特集“編集者38人それぞれが選ぶいまオススメしたい38のゲーム”をWeb用に調整したものです。

【山あり黒谷】のおすすめゲーム

『誰ガ為のアルケミスト』

  • 対応ハード:スマートフォン(iOS、Android)、PC
  • 発売日:スマートフォン版2016年1月28日配信、PC版2017年9月26日配信
  • メーカー:FgG
  • 価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)
  • 『誰ガ為のアルケミスト』公式サイト
【こんなところがおすすめ】
  • 壮大な世界設定と時空が交錯する重厚なストーリー
  • “かわいい”も“カッコいい”も全部いる
  • 熟成のゲームシステム。育成はやりごたえあり

10年後にも記憶に残る重厚なドラマと登場人物たち

 今年2024年の1月に8周年を迎えた『誰ガ為のアルケミスト』(以下、『タガタメ』)。

 比較的マニアックなゲームジャンルであるタクティクスRPGで、有名な作品を原作に持つわけでもないオリジナルタイトルの本作がこれだけ長くプレイヤーから愛されているのには、理由がある。
8年にわたって遊んでいる自分の独断と偏見たっぷりにその魅力を少しだけ共有したいと思う。

 まず、シミュレーションRPGとして骨格がしっかりしている。遊び始めは複雑に感じるかもしれないが、いまどきのゲームのようにオートやスキップ機能はあるし、ユーザーインターフェースの改修が続けられた結果、不親切に感じる部分は少ない。

 そして、何よりも強調したいのはストーリーが充実していること。本編のほかに、時空をまたいだ外伝的な物語がいくつも存在する。そして、
“キャラが立った”登場人物のドラマが、ていねいに層を重ねるように描かれる。

 ノリはシリアス寄りだ。覚悟を決めて生きている登場人物が多く、彼ら彼女らの決断の結果としてやるせない結末を迎えることも珍しくない。涙もろい人は、鼻水をかんだティッシュの山ができることもあるだろう。下村陽子氏の手による挿入音楽も激しく感情を揺さぶってくる。

 数年前に実装されたキャラクターが話に絡んでくることも珍しくなく、“キャラ愛”を大切にしているプレイヤーに運営が寄り添っていることを感じるのはうれしい。実装年が古いユニットの性能強化が時折実施されるのも
『タガタメ』の特徴だ。

 ちなみに、今年中に本編を完結させるとのアナウンスがされているので、しばらく
『タガタメ』から離れていた人も、久しぶりに遊んでみては? とは言っても、未プレイの人からすると、「8年以上も歴史のあるゲームなので、いまから始めてもついていけないのでは?」と尻込みする気持ちもわかる。

 育成には地道な積み重ねがモノを言う
『タガタメ』なので、こつこつと毎日やっていれば、わりと報われる。(石かガチャ運は必要だが)最新ユニットを入手して育てれば、始めて数ヵ月でも“オレツエー”は味わえる(笑)。スマゲーおなじみの“デイリー”は、慣れれば10分で済ませることも可能で、掛け持ちプレイヤーも安心していいだろう。

 ぜひ、触ってみてほしい一本。
[IMAGE]
    この記事を共有

    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

    週刊ファミ通
    購入する
    電子版を購入
    特設・企画