『.hack//G.U. Last Recode』最高にカッコいい復讐劇を見届けろ。オンラインRPGの“ままごと”で終わらないほど作り込まれたキャラクターとストーリー【夏のおすすめゲームレビュー】

byマスト細胞

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『.hack//G.U. Last Recode』最高にカッコいい復讐劇を見届けろ。オンラインRPGの“ままごと”で終わらないほど作り込まれたキャラクターとストーリー【夏のおすすめゲームレビュー】
 ファミ通の編集者が2024年夏のおすすめゲームを語る連載企画。今回紹介するゲームは、架空のネットワークゲーム“The World”が舞台の『.hack//G.U.』Vol.1~3に、新規エピソードVol.4が追加されてHDリマスターされた『.hack//G.U. Last Recode』です。
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※本企画は、週刊ファミ通2024年6月20日号(No.1852/2024年6月6日発売)の特集“編集者38人それぞれが選ぶいまオススメしたい38のゲーム”をWeb用に調整したものです。

【マスト細胞】のおすすめゲーム

『.hack//G.U. Last Recode』

  • 対応ハード:Switch、PS4、PC(Steam)
  • 発売日:PS4版2017年11月1日発売、PC(Steam)版2017年11月4日発売、Switch版2022年3月10日発売
  • メーカー:任天堂
  • 価格:PS4版4300円[税込]、PC(Steam)版8360円[税込]、Switch版5670円[税込]
  • 『.hack//G.U. Last Recode』公式サイト
【こんなところがおすすめ】
  • オンラインゲームをリアルに描いたオフラインゲームRPG
  • 復讐に燃える主人公と、やさしく寄り添う仲間たちのアツい絆

最高にカッコいい復讐劇を見届けろ

 20年前『ファイナルファンタジーⅪ』が遊びたかった。

 しかし、当時中学生だった自分にとってそれは叶わぬ夢で、高スペックPCに月額課金などオンラインゲームは気軽に遊べるような存在ではなかった。そんな私にやさしく両手を差し伸べてくれたのが
『.hack//G.U.』だ。

 本作は架空のオンラインゲームを題材にしたオフラインRPG。プレイヤーは“ハセヲ”というキャラを操作する主人公目線でゲームを進める。謎のプレイヤーキラー・三爪痕(トライエッジ)にキルされて、消失してしまった仲間の志乃を助けるため復讐の旅に出ることに。

 主人公が生きるリアルの世界の話と“The World R:2”の中で起きるゲームの世界の話が密接に関わりあうのがこのゲームの最大の特徴だ。アドレスを交換した仲間といっしょに冒険をし、仲よくなると意外な現実世界の一面が見られるなど、オンラインゲームならではの雰囲気を味わうことができる。

 自分が子どものころ、架空の設定を想像し、雰囲気を味わうままごとのような遊びをしていた。たとえば、空き瓶に泥水と野草を混ぜ、ひと晩おいたその液体は自分だけがワクワクするエリクサーだった。

 しかし、
『.hack//G.U.』がただのオンラインRPGの“ままごと”で終わらないのは、圧倒的に作り込まれたキャラクターや、ストーリー、演出によるものだ。

 力を持たざる者だったハセヲの旅は、オンラインゲームがリアル世界を危機に陥れる未曾有の事件へと発展する。そんな、ハセヲにやさしく寄り添う仲間たちにもそれぞれ、リアルの世界での葛藤がある。彼らと触れ合っていくことで
「あぁこのゲームはリアルなんだ」と思わされてしまうのだ。

 『.hack//G.U. Last Recode』は『.hack//G.U.』のリマスター版。当時の色あせた荒い映像が好きで「あのころの思い出がなくなってしまわないかな」と躊躇したが、最新のSwitch版でいざゲームを始めたらそんな不安はカタルシスとなって吹き飛んだ。

 一新したグラフィックスが描くのは、いまも昔もかっこいいハセヲだった。後日談となる追加エピソードもネタバレになるので多くは語れないが、
令和イチ“アツい”最後の一撃はぜひその目に収めてほしい。

 『.hack』のインタビューで「新作を待ち望んでいます」と伝えると必ず「ファンの皆さんの声が大きくなればより実現に近づくので、これからも応援よろしくお願いします」と返される。このレビューもそんな新作実現への応援の声のひとつになることを願って終えたいと思う。
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