本作は魔法が存在する2024年の東京・渋谷を舞台に、自由を求める魔法使いの青年・霧積真凛(きりづみまりん)と、秩序ある世界を目指す魔法取締官・西島佐理(にしじまさり)を中心とした物語が展開。キーワードである“抑圧と解放”が落とし込まれた、ゲームシステムとストーリーが見どころとなっている。
さまざまな思想が入り乱れる東京・渋谷
まずは本作の核となる、“魔法”に目覚めた者たちについて。
作中において、“魔法使い”は嫉妬、嫌悪、畏怖などあらゆるネガティブな感情を向けられる存在。魔法使いであることを知られると一般企業への就職も難しくなるなど、特別な力を持ちながらも秘匿しなければ社会的に生きられない。少数ゆえに、魔法使いはひっそりと暮らすことを強いられている状況だ。さらに、魔法使いの中にも後天的に目覚めた者は“レプリカ”と呼ばれ、力を持つ者のあいだでも見下される傾向にあり、難しい立場の者も少なくない。
キーパーソンのうちのひとり、霧積真凛は、少し幼さも残る19歳の大学生。14歳のときに交通事故で生死をさまよい魔法に目覚めたことで、あらゆる抑圧を受けて育った。彼が目指すのは、“誰にも縛られない最強の魔法使い”。
そして、作中ではふたりを含めて大衆を守るもの、国に反逆するもの、自由を求めるもの……さまざまな思想が入り乱れる。異なる理念を持つM.E.A.とギルド、そしてオウルといった組織が交錯する物語のスケール感にも期待したい。
静と動、抑圧と解放
本作の戦闘と探索システムは、“抑圧モード”と“解放モード”をリアルタイムに切り替える特徴的な仕組みになっている。
街中の探索において、抑圧モードは素性を隠した状態。魔法使いであることを隠して、一般市民と会話することができる。一方の解放モードでは、通常では見えないアイテムを探知できるが、その姿を目撃されてしまうと市民から通報されてしまう。
防御的な抑圧モードと攻撃的な解放モードのふたつ。静と動。敵の動きに合わせて抑圧と解放モードを切り替えて途切れなく動くことができるのは、本作ならではの魅力といえる。このふたつのモード切り替えによって、バトル中に発生する“待ち時間”が極力発生しないような設計だ。
また、魔法使いは身近なものを魔法の力で武器化させて戦うという。例えば真凛が得物とするのは、いつも持ち歩いているシャープペン(本人は“テンペスト”と名付けている)。
魔法使いとして渋谷を生き抜くために
体験版では、真凛と佐理の序章部分を遊ぶことができる。魔法使いを取り巻く暗い状況や、間口の広いアクション、そして力を求めて“アナザー”と呼ばれる異世界を駆け回る真凛と、街の治安維持に奔走する佐理。そのふたりの主人公に関する魅力の一端が垣間見える。
体験版のクリアデータがあれば、製品版でのプレイ時に引継ぎ特典としてアイテムがもらえるので、興味のある方は一度触れてみることをオススメする。