64ビットのCPUを搭載したマシン“ロクヨン”
ニンテンドウ64は、任天堂から発売された据え置き型ゲーム機。スーパーファミコンの後継機として登場した文字通り“64ビット”CPUを搭載したマシンとなっている。ゲームファンのあいだでは“ロクヨン”の愛称で親しまれていた。当時はゲームのメディアとしてCD-ROMなどの光学ディスクが主流になりつつあったが本機では採用されず、ファミコン時代からユーザーに愛用されていたロムカセットが使われていたのもニンテンドウ64の特徴のひとつと言えるだろう。
また、コントローラーには、グリップが三叉になったユニークな形状の中央部分に“3D(サンディ)スティック”と呼ばれるアナログスティックが配置されていたのも特徴。
グリップの握り場所によってライトポジション、レフトポジション、ファミコンポジションという呼び名があって当時の筆者は風変わりなハードだなぁと思っていたのだが、時が流れてNintendo Switchの時代になってもJoy-Conでさまざまな持ちかたがあることを考えると、ニンテンドウ64のころから通じるものもあるんだなぁとけっこう感慨深い。
コントローラーの振動機能も本機の時代から一斉に各ハードで採用されるようになったので、ちょうどゲームの転換期にあったハードと言っていいだろう。
フタを開けると“はがさないでください”と書かれたシールが貼ってあるため、筆者などは封印を破っていいものかいい年してけっこうドキドキしたものだったが、『ドンキーコング64』のCMで小学生のキッズたちが「大丈夫だって!」と平然と剥がしていて衝撃を受けた思い出がある(笑)。
2021年4月に発売された『New ポケモンスナップ』も本機発の『ポケモンスナップ』がベースになっているし、FPSになじみがない時代に『ゴールデンアイ 007』を流行させたのもすごい。本体に4つぶんのコントローラーを接続する端子があり、マルチプレイを重視していたのも本機ならではのスタイルかもしれない。『マリオカート64』や『マリオゴルフ64』、『マリオテニス64』など、みんなでワイワイ楽しめるゲームを遊び倒したゲームファンも多かったのではないだろうか。