『Horizon』がLEGOになっちゃった!『レゴ ホライゾン アドベンチャー』インタビュー。『Horizon』がSwitchでも発売される理由に直撃【SGF2024】

by堅田ヒカル

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『Horizon』がLEGOになっちゃった!『レゴ ホライゾン アドベンチャー』インタビュー。『Horizon』がSwitchでも発売される理由に直撃【SGF2024】
 かつて栄えた高度な文明が崩壊した後の世界。機械で作られた大型獣が大地を支配し闊歩する世界で、人類は狩猟採集生活を送っていた。

 オープンワールドで描かれた広大な世界を舞台に、主人公・アーロイの果てしない戦い、長い旅が描かれる……。

 2017年にプレイステーション4発売される向けに発売され、世界累計2000万本超の販売本数を誇る、『Horizon Zero Dawn』(ホライゾン ゼロ ドーン)。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)グループの、オランダにある開発スタジオ“ゲリラゲームズ”が開発を行っている。

 超ハイクオリティーなグラフィック、緻密なSF世界設定、アーロイの出自を巡る重厚な物語、まさに超大作の名にふさわしい1本で、世界中の大人のゲームファンを唸らせた。
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プレイステーション4『Horizon Zero Dawn』。
 そんな1本が、なんと『LEGO』化。

 『レゴ ホライゾン アドベンチャー』(LEGO Horizon Adventures)として2024年冬(ホリデーシーズン)に発売されることが決定した。

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 しかも、対応ハードはSIEのハードであるプレイステーション5のみならず、Nintendo SwitchとPC向けにも発売となる。

 ゲームとしては見下ろし型のシンプルなアクションゲームで、主人公アーロイを操作し、機械獣をやっつけていく。基本攻撃は弓矢で行うが、爆弾を投げつけたり、火の付いた草越しに攻撃することで“火矢”となり攻撃力が上がるなどの戦略性も兼ね備えている。
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 ひとりプレイだけでなくオンライン、オフラインでの協力同時プレイも可能で、友だちや家族とワイワイ騒ぎながら遊べるような仕様が特徴的だ。

 また、ストーリーは基本的に
『Horizon Zero Dawn』と同内容をになっているというが、そこは『LEGO』シリーズらしく、ギャグシーンや笑えるシーンが満載の愉快なものになっている。

 いったいなぜ
『Horizon Zero Dawn』が『LEGO』になったのか? SIEのファーストパーティタイトルのスピンオフをNintendo Switch向けにも発売する目的とは? アメリカ・ロサンゼルスSummer Game Fest2024の会場で、開発者に訊いた。

ジェームズ・ウィンデラー 氏

ゲリラゲームズ所属、『レゴ ホライゾン アドベンチャー』ナラティブディレクター。(文中はジェームズ)。

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――まず、シリアスでシネマティックな『Horizon』の世界がLEGOになるということ驚きました。どういった意図、経緯で本作は企画されたのでしょう。コンセプトも教えてください。

ジェームズ
 長いあいだ、『Horizon』という世界を広げていくための刺激的で楽しい方法についてずっと考えていました。ゲリラスタジオの中にはレゴファンがたくさんいます。たとえば、(原作の)『Horizon』の敵のマシンのプロトタイプは、レゴブロックで作ったりしていました。

 また、
『Horizon』の開発スタッフも原作ゲームの開発時から10年が経ち子どもができ、「子どもも遊べる、若い世代にも楽しめるようなゲームを作りたい」という思いも生まれてきました。

 一方、LEGOの世界というのは鮮やかでカラフルで、楽観的なテーマを内包しています。非常に多くの層ファンを包括的に持っていまして、そういった環境にあったところから、レゴと会話を重ねていくなかでいいパートナーシップを育むことができ、こういった結果に結びつきました。

――なるほど。SIEファーストパーティータイトルという印象の強い『Horizon』がSwitchでも展開されるということでさらに驚きました。ライバルハードですにソフトを供給するということで抵抗はありませんでしたか? どのような議論が行われましたか?

ジェームズ
 任天堂をタッグを組む非常にエキサイティンでユニークな機会です。任天堂がこのプロジェクトを受け入れてくれたことに、私たちは身が引き締まる、謙虚な思いでいます。

 私たちが設定した本作を開発する大きなゴール、目的は、“より幅広いゲームファンに
『Horizon』をアプローチするということ”です。より多くの人に親しんでもらえるようなゲームにすることです。

 たとえば、妻とカウチに座ってふたりいっしょに遊んぶこともできるし、オンラインプレイで地球の裏側にいる筋金入りの
『Horizon』のファンと協力プレイすることもできるし、11歳の姪っ子と8歳の姪っ子がいるんですが、今まで私が作ったゲームの多くは年齢層が高いためプレイすることができませんでした。

 そういった子どもたちもともにプレイできる、ファミリーフレンドリーな作品であることを考えたときに、Nintendo Switchというハードはすばらしい選択になりえると考えました。

――Switchでゲームを作るのは初めてだったのではないですか? 開発の難しさはなかったでしょうか。

ジェームズ
 個人的には初めてですが、チームにはSwitchでの開発経験のあるスタッフも多かったので、特別な難しさはありませんでした。

 ハードに関わらず、心を砕いたのは、本作では「できるかぎり多くの人々に
『Horizon』を届けたい」ということですので、操作性はできる限りシンプルに保つようにしました。そういう意味では初めてだったかもしれませんが、難しいと言うよりは、ポジティブな機会として捕らえて開発を進めています。

 Nintendo Switchでの開発について、任天堂からも非常に協力的にサポートしてもらっています。
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――本作のもっとも力を入れているのは、“幅広い人に遊んでもらう”というポイントだというわけですね?

ジェームズ
 ええ。もともとの『Horizon』のシリアスな部分や複雑な関係をシンプルにしたり、暗い部分を明るくしたりしています。

 たとえば8歳の子どもが、親や友だちといっしょに遊べるようにしたいので、そのようなアレンジを加えています。また、ユーモアやコメディについても、とくに子どもたちが楽しめるように目で見て楽しめるものを入れ込んでいます。アーロイにバナナの衣装を着せたりね(笑)。

 大人世代のプレイヤーも楽しめるようにと考えましたし、レゴの映画シリーズ『レゴムービー』もそうなのですけど、自らをネタにして楽しむ要素がありますよね。レゴはレゴをネタにして、『Horizon』は『Horizon』をネタにするという、メタコメディの要素を入れ込んでいます。

――『Horizon』の特徴や要素が本作に生かされている部分はありますか。たとえば、試遊した部分では、燃えている草むら越しに矢を放つと、大ダメージが与えられる……という戦略性を感じました。

ジェームズ
 そうですね、それにあとはそれぞれの敵キャラクター、マシンの特色というのも、原作の『Horizon』から再現をして制作しています。あとはショックを撃ってフリーズさせる要素もあるんですけど、これはオリジナルとは違う出かたにはなっているのですが、原作の要素を表現していると言っていいでしょう。

――原作のエッセンスや味わいを本作でも表現しようとしているのですね。

ジェームズ
 ええ、スタッフと議論を重ねながら制作を進めました。どの要素を原作から持ってくるべきなのか、原作のスピリットについて議論を重ねました。スピリットを保ちながら多くの世代に届くものをと考えましたし、ストーリーや美術も、すべての要素についてそのように考えながら行っています。

 原作のスピリットを保ちながら、レゴ的なアレンジを加えています。声優さんたちはもともとの作品からメインキャラクターやさまざまなキャラクターそのスピリットを保ちながら明るく活き活きとレゴらしく演じてもらっています。

――ゲームの難易度は原作よりも低めに設定されるのでしょうか?

ジェームズ
 そうです、でも、もちろん大人の方も楽しめますよ。ゲームの難易度設定では、スライダーを調整して難度のレンジを調整できますから。

 コメディ要素があり、ワイルドでカオスで、低難度に設定すれば子どもたちが笑いながら楽しむこともできますし、
『Horizon』ファンの大人たちはもっと戦略要素、コンバット要素で楽しみたいということであれば、難易度のスライドを上げれば、よりエキサイティンでチャレンジングになり、武器だったりガジェットを使ったり工夫をこらして戦わないと、クリアーは難しいでしょう。

 それもまたゲーム全体の“できるだけ多くの層に楽しんでもらいたい”というコンセプトを反映しています。

――見た目はかわいいけれども、難易度設定を変えれば、大人でも、『Horizon』のようなアクションゲームをやり込んでいるプレイヤーでも楽しめる?

ジェームズ
 まさにその通りです。

――なるほど、納得しました。僕は試遊して2回くらいやられましたから。

ジェームズ
 ハハハ。いや、私も、昨日デモプレイしながら、2度ほどやられてしまったんですよ(笑)。お客さんに内容を説明しながらでしたからね!

――(笑)。現在の開発状況は?

ジェームズ
 正直に言うと、まだバランスを調整しているところです。感覚としては、ええと、ゲームの発売はまだ先のような気がします。

――本作を入口として、子どもやこれまで触れていなかったプレイヤーにも『Horizon』世界を紹介できそうですね。

ジェームズ
もちろん本作を遊んだ若いプレイヤーが、アーロイに興味を持って、何年後かでも『Horizon Zero Dawn』を遊んでくれたらうれしいなと思います。いまは話せないのですけれども、考えていることもありますし、そこ(原作の『Horizon』シリーズ)にたどり着いてくれたらいいなと思います。

――では最後に、あなた自身が本作でもっともエキサイティングだと考えるポイントを、読者に向けて猛プッシュしてください。

ジェームズ
 先ほどお話ししたストーリーだったりアクションだったり、いろいろあるのですが、まだ触れていないところとしてはやはりレゴのビジュアルスタイルがあります。

 これは“プレイできるレゴムービー”というコンセプトがありまして、本当にすばらしい美しいグラフィックになっていると思うのですけど、ほかのレゴシリーズのゲームと違うところがあるとすると、すべてのアセットが、実際にレゴマスター(レゴビルダー)に作ってもらったものになっているのです。

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 実際のレゴのルールにのっとって、レゴとして作れるものなのだそうです。敵キャラクターや自然も建物も全部。あと、キャラクターの一部はストップモーションアニメのようにして作られていて、プレイヤーが本当に自分のレゴセットで遊んでいるような感覚になれると思います。そこは自信を持って作っていますね。

――ご自身もレゴで遊ばれていたので?

ジェームズ
 はい、もちろん!

 
 『スター・ウォーズ』レゴやいろいろなセットを持っていて、ほかのレゴを混ぜたりして楽しく遊んでいました。いま15ヵ月の娘がいるのですが彼女も初めてレゴを遊んでいますよ。成長するにしたがってレゴを好きになってくれるだろうと思います。

[IMAGE] [2024年6月13日2時47分修正] 一部名称に誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
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