マルチプレイ
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回

 ある日、フリーライターの俺に一本の依頼が入る。それは、『アサシン クリード リベレーション』のマルチプレイ体験記の原稿だった。オンライン対戦はほぼ初心者ということもあり、最初は抵抗を感じた俺だったが、かつての同僚で後輩である編集者Fの頼みということもあり承諾する。

 いざ遊んでみると、本作独自の対戦形式にすっかり夢中になり、遊び倒してしまう俺。やがて、徐々にではあるが腕も上がり、体験記執筆への情熱も上がっていく。しかし、そんな折、Fから「次週で最終回です」との無情な知らせが入った……。

※ ※ ※ ※ ※ ※

後輩F「これ、あらすじいります?」
俺「こーゆーのは気分だから」
後輩F「それに最初から全6回って言ってますし」
俺「うん知ってました。上のタグも最初から6回分しかないしね」
後輩F「まあとにかく、まとめましょう。実際、遊んでみてどうでした?」
俺「最初のころにも書いたけど、自分の中にいろいろ誤解があったと思うのですよ」
後輩F「誤解?」
俺「まずはオンライン対戦への誤解。オンライン対戦というと、やっぱりどうしてもFPS(一人称視点シューティング)のイメージが最初に浮かぶと思うんだ」
後輩F「まあ、いちばんメジャーなオンライン対戦ですもんね」
俺「情報としてはFPSとは違う内容だと知っていても、どこかでFPSをイメージして、勝手に敷居の高さを感じていた部分が自分にあったかなと」
後輩F「全部のFPSがそうではないですけど、確かにババさんみたいにゲームがヘタな人には、そう感じられるかもしれませんね」
 さりげなくヒドイこと言われたけど、最終回だからもういいです。

俺「その敷居の高さってのは要するに、“自分がオンライン対戦をやって楽しめるだろうか?”って不安なんだよね」
後輩F「“熟練プレイヤーにすぐ倒されるかも”とかもですかね」
俺「そうそう。まずそれが誤解」
後輩F「『アサシン クリード』のオンライン対戦は、そもそもFPSじゃないですし」
俺「遊べばすぐわかることなんだけど、オンライン対戦にそんな不安を持ってる人は、俺だけじゃなくけっこういるんじゃないかなあ」
後輩F「それはそうかもしれませんね。とくに日本の場合は」
俺「極端な言いかたをすれば、“どうせすぐ死ぬからやりたくない”という感じ。でもまあ、もちろん本作でも、すぐ死ぬことはあるし、熟練プレイヤーに倒されることもある」
後輩F「それはそうですよね」
俺「だけど違うのは、基本をちゃんとやれば、すぐに相手を倒せるチャンスが巡ってくること」
後輩F「本編を遊んだり、“イントロセッション”をちゃんとプレイしたりすれば、基本はすぐ学べますしね」
俺「俺は本編はまだやってないけどね」
後輩F「これ書いたら、やっていいですよ」

俺「ありがとうございます。で、実際俺も、最初のプレイですぐに何人かは倒せた」
後輩F「そのへんは本作のルールは絶妙ですよね。成績が悪いプレイヤーには、追っ手がつかなかったりもして」
俺「基本的にFPSのオンラインプレイって、ガチな戦いになるんだよね。もちろんガチだからの楽しさがあるわけで、それを追求している。でも、本作はそこがちょっと違う」
後輩F「もう少しエンターテインメント寄りですよね」
俺「たとえばゴルフのコンペでハンデをつけて、初心者でも優勝できる可能性を作っているというか、ルールで少しエンターテインメント性を持たせているというか」
後輩F「ゲームではよくありますよね。レースゲームで後続車の最高速度が、少し上がるようになっていたり」
俺「まさに同じ。それでも熟練者が有利というのはあるんだけど、ちゃんと初心者でも楽しめる遊びをルールの中に織り込んである。だから初心者も楽しめるし、実力者も不満を感じないようになっているなと」
後輩F「対戦形式のひとつ“ウォンテッド”は、とくにそれが顕著ですね」
俺「もし初心者でオンライン対戦に抵抗を感じているのなら、まずは“ウォンテッド”。これはもう、対戦の楽しさを知るには絶対いいと思う」

後輩F「ほかの誤解ってのは何ですか?」
俺「これも前に書いてるんだけど、チーム戦への極度なプレッシャー」
後輩F「“味方の足を引っ張るのが怖い”ってやつですね」
俺「これも遊んでみて、基本さえ守っていれば、そう気にすることじゃないって実感したなあ」
後輩F「実際うまいプレイヤーになるとチームに初心者がいても、いて当然のハンデと思ってるというか、あまり気にしてないような感じですよね」
俺「彼らの思うところまではわかりようはないけど、ま、初心者はそんなこと気にせずに遊べばいいと思うんですよ。遊んで徐々にうまくなってけばいい」
後輩F「開き直れってことですね」
俺「最低限のマナーさえ守っていれば、開き直り上等で」
後輩F「ただ、チーム戦だと、すごく連携の取れたチームが相手だと、なかなか勝てないことはありますよね」
俺「“キャッチ・ザ・フラッグ”とか“宝箱争奪戦”とかのルールだと、とくにそう感じることは多いかなあ。こればかりはマッチングの運もあるし、そんなときは相手チームの動きから、いろいろ学ぶぐらいの姿勢でいいかと」
後輩F「勝敗は単なる結果ですしね」
俺「そうそう」
後輩F「ところで、ババさんが小学生のころの運動会トラウマって……」
俺「(豹変して)その話はするな!」

後輩F「っ!! えっと……じ、じゃあ話を変えて。ババさんのお気に入りのルールってどれですか?」
俺「“ウォンテッド”は基本として、個人戦だと“感染”、チーム戦だと“エスコート”かな。けっきょくこれまで紹介したやつばかりだけど」
後輩F「その理由は?」
俺「上記のルールは、エンターテインメント性がほかより高いと思うんだよね。おもしろい展開になるための仕掛けが、少しだけ多い気がする」
後輩F「確かにちょっと凝ったルールですよね」
俺「それでも、遊べばすぐ理解できるのがいいんですよ」
後輩F「なるほど。それじゃあ最後に、なんかまとめて締めてください」
俺「雑だなおい。クリエイターのインタビューとかもそんなか」
後輩F「やだなあ、ババさんだからですよ」
 ちっともほめられてないが、最終回だからもういいや。

俺「まあ、もし本編しかやってない人は、もったいないから遊んどけってことと、もしこの連載を読んで興味を持ってくれた人がいたら、オンラインからでも遊べるんで、ぜひ触ってみてってとこかなあ」
後輩F「いただきました。長いことお疲れ様でした。もうカゼひいてもいいですよ」
 やっぱりヒドイこと言われたけど、最終回だからもういい。

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  ということで読んでくれた方々、ありがとうございました! もし向こうの世界で合うことがあれば、楽しく暗殺し合いましょう!

●今週の一枚

▲いろんなルールで遊んでいても、やっぱりときどきは"ウォンテッド"を遊びたくなります。初心者も熟練者も、それぞれの楽しみかたがある!
外見を選択
まずはプレイヤーの外見を選択。フィールドでは同じ姿をした人物の近くにいれば、敵に見付かりづらくなる。
対象に接近
画面中央に表示されているコンパスをよく見て、ターゲットとなる敵を捕捉。群衆に紛れて暗殺対象に接近しよう。
敵を暗殺
ターゲットを暗殺すれば、ポイントを獲得。ゲーム終了時にもっとも多くのポイントを得たプレイヤーが勝利。
個人用モード
●ウォンテッド
追っ手から逃れつつ、指定されたターゲットを暗殺
●デスマッチ
コンパスが制限され、プレイヤーと同じAIキャラが出現しないウォンテッド
●アサシネーション
プレイヤー全員がターゲットで追っ手となるモード
●秘宝強奪
マップ上に置かれている秘宝を奪い合うモード
●感染
感染者がほかのプレイヤーを倒すと感染者を増やせる。ほかのプレイヤーは感染者から逃れる
チーム用モード
●マンハント
攻撃ラウンドでは敵チームを倒し、防御ラウンドでは敵チームから逃れる
●キャッチ・ザ・フラッグ
お互いの陣地にあるフラッグを奪い合うモード
●宝箱争奪戦
攻撃ラウンドでは宝箱を奪い、防御ラウンドでは宝箱を護衛
●エスコート
攻撃ラウンドではVIPを倒し、防御ラウンドではVIPを護衛
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※画面は開発中のものです。
※本ソフトはCEROにより"18歳以上のみ対象"の指定を受けておりますが、掲載にあたっては、ファミ通.comの掲載基準に従い考慮しております。