ある日、リリースされたばかりの『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、ウマ娘)にドハマりした友人と通話アプリ『Discord』で雑談をしていたときのこと。あまりにも語るので、筆者はこう提案した。
筆者「そんなにおもしろいなら、ちょっと画面共有で見せてくれ」
『Discord』には、PCで動いているゲームの画面を通話相手に見せる"画面共有"機能がある。それで『ウマ娘』のプレイ画面を見せてもらった筆者は、あっという間に『ウマ娘』の虜になり……、
こうなった。
『ウマ娘』はおもしろい。それどころか、『Discord』を使って複数人で画面を共有し合い、通話しつつプレイすると、輪をかけておもしろくなることを発見してしまった。たとえるなら、何らかのレースやライブ会場で推しの選手・アイドルたちを声をからして応援する、あの熱気に近い。
熱狂を手軽に作り出せる仕組みが『ウマ娘』とバッチリ噛み合ったわけだ。今回は画面共有プレイならではのおもしろさを語らせてほしい。
本記事の後半では、『Discord』での画面共有までの操作方法も解説。やってみたいけど方法がわからないという人は、ぜひこちらもご参照あれ。
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応援したくなるゲーム×みんなで応援できるアプリ=盛り上がる!
筆者としてはいまこの瞬間も、お酒を片手に『Discord』と『ウマ娘』を起動して友人たちとの居酒屋めいたプレイに興じたいところ。しかしお仕事なので我慢しつつ、まずは基本的な解説から始めていこう。
『ウマ娘』とは?
『ウマ娘』はサイゲームスから2021年2月にリリースされたばかりのタイトルだ。現在はスマホのApp Store、Google Play、ならびにPCのDMM GAMES(DMMGamePlayer)でクロスプラットフォーム展開をしている。
“ウマ娘”とは、別世界の伝説の競走馬たちの魂を受け継ぎ生まれてきた、走ることが大好きな少女たちのこと。レースで得られる栄冠と“ウイニングライブ”でのセンターポジションは、全ウマ娘の憧れだ。つまりウマ娘はアスリートであるとともに、アイドルでもある。
※ウイニングライブ:レースに出走したウマ娘たちがステージに立って歌い踊るコンサートのこと。
プレイヤーはトレーナーとしてウマ娘を育成。そのなかで展開するストーリーを通じて、絆を深めていく。
画面共有して遊んでみたら、おもしろすぎた
そんな『ウマ娘』を画面共有しつつ友だちと遊んでみた。これはもう完全に革命である。
画面共有することで、他プレイヤーのウマ娘が臨むレースを観賞できる。逆に、自分の担当ウマ娘の大一番も見てもらえる。ひとりで応援するのではなく、ほかのプレイヤーからも一斉に応援の声が上がるわけだ。
いわば、ふだんはテレビで観ているプロ野球のひいきチームを、バーのライブビューイング会場や球場の観客席などで応援するようなもの。盛り上がりも感動も数段増す!
筆者が画面共有プレイの中でとくにおもしろく感じたのが、“ほかのプレイヤーの育成の模様を観ること”だ。
『ウマ娘』のリリースからおよそ1ヵ月半。いまや数百万人のプレイヤーが遊びまくっているビッグタイトルにも関わらず、育成のうえでまだ解明されていない部分が多い。たとえば、“根性”はメインとなるステータスのひとつでありながら、レースでどのように働くのか予測が乱立し、明確な答えは出ていないのだ。
不明な部分が多い分、『ウマ娘』ではプレイヤーそれぞれが実践・研究を経て編み出した独自の育成方針を持っている。画面共有プレイでは、他人の育成スタイルをリアルタイムに観つつ、気になるところはその場で「どうして?」とボイスチャットで尋ねることができる。
また、これはゲームと直接の関係はないのだが、競走馬に詳しい友人から話を聞きながら遊ぶのもおもしろかった。「このとき、史実のレースだと……」と豆知識がつぎつぎ飛び出し、競走馬の世界にもふつふつと興味が湧いてくる。
たとえば、アニメ版『ウマ娘』における1シーン。レース中にウマ娘のひとり"ダイワスカーレット"の目に土(ウッドチップかもしれない)が飛ぶシーンが、実際のレースの悲劇の再現であると、その友人の話で初めて知ったりした。
また、自分があまり興味を持っていなかったウマ娘についても、その子をひたすら愛でて育てるプレイヤーが楽しそうにしているのを見ると、育ててみたくなる。
さらにもっと関係ないが、こうして盛り上がりつつ飲むお酒はものすごくうまい。育成の失敗や予想外のアクシデントは、ひとりでプレイしているときはヤケ酒一直線へのトリガーだが、みんなでプレイしていると「ドンマイ!」と声をかけてもらえ、笑いのタネにもなる。このときの酒は、本当にうまい。
PCゲーマーである筆者からすると、『Discord』を使った通話&マルチプレイは日常茶飯事なのだが、Twitterなどでスマホで『ウマ娘』をプレイしている皆さんの発言を拝見すると、こうした遊びかたに馴染みがない人も多いようだ。
PCでのゲームプレイと縁がなかった人も、『ウマ娘』を通じて新たな楽しみかたにチャレンジしてもらえれば幸いだ。
PCの大画面なら、『Discord』も含めて複数アプリを同時起動し、さまざまな組み合わせによる創意工夫ができる。最近はスマホとPCのクロスプラットフォームで展開するゲームは多いので、PCを使うことでゲームの楽しみがより広がるかもしれない。
ちなみに、ゲーミングPCは高価と思われるかもしれないが、最近は8~10万円でそこそこの性能のモデルも販売されている。スマホと同価格帯なので買いやすいぞ!(ダイレクトマーケティングでPCゲーマーを増やしていくスタイル)。
誰もが応援したくなる青春もの
詳しい攻略法などは別の記事に譲るとして、『ウマ娘』が画面共有して遊ぶと盛り上がる理由を分析してみた。導き出した答えはシンプル。めっちゃ応援したくなるのだ。
ウマ娘たちはみんな個性的。ツンツンしっぱなしだったり、占いにハマりすぎていたりなど、最初は「えっ、何この子」と思わされることもある。だが、すべてのウマ娘は共通して大きな夢を抱えており、夢のために努力し続ける。根はとてもいい子ばかり。
雨天のレースで泥にまみれようとも、あと一歩が届かず悔し涙を流そうとも、ウマ娘たちはどこまでもまっすぐ未来を見据える。そんな姿をトレーナーとして見守っていると、自然と「勝たせてやりてぇ……」と、応援の気持ちがふつふつと湧いてくるのである。
最初はトレーナー(プレイヤー)も不慣れで、なかなかウマ娘を勝たせてあげることができないだろう。だが、ウマ娘との二人三脚を続け、初めて最後の大レース“URAファイナルズ決勝”で担当ウマ娘が1着になれたときの感動は、苦労の分だけ大きい。ぶっちゃけ、泣く。泣いた。
画面共有すると、そんな“応援する”おもしろさを、仲間と文字通り“共有”できる。同じウマ娘を応援する一体感こそが、盛り上がる理由なのだと思う。
攻略などに興味がある人には、筆者もお世話になったファミ通の攻略動画の一部と、実際に『ウマ娘』を楽しむ模様が見られる番組のページを紹介しておこう。ファミ通周りには役立つ記事が満載なので、ぜひご参照あれ(ダイレクトマーケティング)。
『Discord』を活用してPCゲームをより楽しく
続いて、『Discord』についても説明しよう。『Discord』はPC・スマホ用の基本無料アプリ。テキストとボイスでのコミュニケーションを行うことができ、とくにゲーム用途に特化した機能を備えている。
特徴としては、メモリなどのリソースを大きく食うPCゲームと同時に起動することを想定しているためか、動作が非常に軽い。筆者は最新のMMORPGやFPSなどを遊びながら『Discord』で通話することも多いが、ゲームがカクついたことはない。
また、特定のゲームをテーマにコミュニティを作ったり、別の人たちが作ったコミュニティを検索して参加できたりなど、プレイヤー同士のつながりを重視しているのも魅力だ。
このコミュニティを支える機能のひとつが、本記事で活用している“ゲーム画面の共有機能”。PC版ではプレイ中のゲーム画面を通話相手全員にリアルタイムで提示できる。
画像右側にある『Discord』の画面を見てもらうとわかる通り、任意の人の画面を大きく映し、それ以外は小画面にして整列可能。全員のプレイ状況を同時に把握できる。
複数のゲームやアプリを同時に起動すると「PCがフリーズしたりしない?」と心配な人もいるかもしれないが、PC版『ウマ娘』はそれほどCPUやメモリに負荷がかかるゲームではない。複数の通話相手の画面を表示しつつプレイしても、最近のPCであれば悲鳴を上げることはないかと思う。また、スペックが足りない場合の対処法もある(記事の最後で解説)。
『Discord』を使った画面共有の手順
サーバー(部屋)を作るか招待してもらう
アプリ版『Discord』インストール後に(ブラウザ版もあるが、こちらは画面共有に向かない)起動したら、まずは複数人のプレイヤーが入れる部屋“サーバー”を作るか、すでに作ってあるサーバーに招待してもらおう。
通話に参加し、自分のプレイ画面を送る
サーバー内にあるボイスチャンネル(左にスピーカーマークがついているもの)をクリックすれば通話に参加できる。その後、ウィンドウ下部にあるボタンで、自分のプレイ画面をチャンネル参加者に公開できる。
画面共有を終えるには、画面共有を開始したときと同じボタンをクリックして“配信を終える”を選ぼう。ボイスチャンネルから出ると画面共有は自動で解除される。
ほかの人の画面を見る
同じ手順でサーバー内の人たちにも画面共有を設定してもらうと、まずは各人ごとの小さな枠が表示される。それらにマウスカーソルを合わせ、“配信を見る”をクリックしていこう。
前述したように、とくに画面を大きく映したい人がいる場合は、表示画面の枠をクリックしよう。
編注:『ウマ娘』の遊びかたがバズったライター・カイゼルちくわさんに、そのやりかたを書いてもらいました。人に迷惑をかけない限り、ゲームは自由に楽しんでいいもの。みなさんも自分なりの楽しみかたを考えてみてはいかがでしょうか。