フロム・ソフトウェアが贈る、最新ダークファンタジーRPG『ELDEN RING』(エルデンリング)。本作をプレイして最初に行うのが、キャラクターメイキングだ。ここでは操作キャラクターの顔の制作や、職業のようなものである“素性”の選択を行うことになる。
“素性”には、物理攻撃が強い戦士タイプや魔術や奇跡が使える魔法使いタイプなど、さまざまなものがあり、筋力や知力といった能力値のほか、最初から持っている装備が異なっている。ここでは全10種類の“素性”の、初期能力値、初期装備などを通じて、それぞれの特徴を紹介していこう。
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素性は好みで決めて、ほぼ問題ない
最初に伝えておきたいのが、素性選択は自分の好みで決めてほぼ問題ない、ということ。本作はレベルアップ時にプレイヤーが好きな能力値を上げることができ、各素性の初期装備や、似た性能の装備は後で入手できる。
そのため、“素性”が影響するのはおもにゲームの序盤であり、ゲームを進めるほどプレイヤーの育成方針が色濃く反映されていく。以下では各素性に適した戦いかたも紹介しているが、攻略面の影響を気にせず、カッコよさやおもしろさ、自分好みのプレイスタイルが実現できる素性を選ぶ形でもまったく問題ない。プレイのモチベーションが上がるものを選ぶのがいちばんだ。
なお、ステータス画面に表示される素性は一度選んだものから変えることはできないので、こだわりのロールプレイをする人は注意しておこう。また、キャラクターメイキングにおける顔の制作については、こちらの記事で制作サンプルを掲載しているので、あわせてチェックしてほしい。
素性の初期ステータス一覧
それぞれの能力値の詳細は以下の通り。
- 生命力:HPを決める能力値。炎防御力と免疫耐性にも、影響を与える。
- 精神力:FPを決める能力値。正気耐性にも影響を与える。
- 持久力:スタミナを決める能力値。頑健耐性にも影響を与える。装備可能な重量の上限も、この能力値から計算される。
- 筋力:重い武器を使用するために必要な能力値。筋力補正のある武器の攻撃力も高める。また物理防御力にも影響を与える。
- 技量:高度な武器を使用するために必要な能力値。技量補正のある武器の攻撃力も高める。また落下ダメージの軽減率や、落馬のしにくさ、魔術や祈祷の使用速度も、この能力値から計算される。
- 知力:魔術を使用するために必要な能力値。知力補正のある魔術の威力も高める。また魔力防御力にも、影響を与える。
- 信仰:祈祷を使用するために必要な能力値。信仰補正のある祈祷の威力も高める。
- 神秘:発見力を決める能力値。聖防御力や抗死耐性にも、影響を与える。また、ある種の魔術や祈祷にも関連する。
各素性の能力値の合計は“レベル1のときに80”となる形で統一されており、能力値の合計において特定の素性が優れている、ということはない。レベルを制限してプレイする場合は、『DARK SOULS』(ダークソウル)シリーズと同様に“育てないと決めた能力値”が最低の素性を選ぶといい。
素性の初期装備一覧
各素性紹介
ここからは各素性の特徴や、その特徴を生かした戦闘方針などについて紹介していく。
放浪騎士(Vagabond)
故国を追放された放浪の騎士。金属鎧を纏った堅牢な素性。
近接物理特化型の素性で、生命力と筋力が全素性の中でもっとも高い。初期装備のロングソードは扱いやすく、またヒーターシールドは物理攻撃ガード時のカット率が100%。ハルバードは中距離へ攻撃でき、防具の防御力の高さもともなって両手持ちで扱いやすい。
総じて攻守ともにクセがないが、装備重量が重いため、ローリング性能が低い点は注意。ガード主体で戦おう。いくつかを軽い防具に変える、または持久力を高めることで、ローリングの性能を上げるのもいい。ロールプレイにこだわりがなく、フロム・ソフトウェア作品に初めて触れる、という人にもオススメ。
剣士(Warrior)
遊牧の民の双刀剣士。特に技量に優れた素性。
近接物理特化型の素性のひとつ。盾の性能は高くないが曲刀のシミターを2本所持しており、最初から特殊な二刀モーションで攻撃できる唯一の素性。シミターはリーチが短いため、敵の懐に飛び込んで連撃を浴びせ離脱する、という戦い方で本領を発揮するだろう。
全素性のなかで技量の初期ステータスがもっともも高いのも特徴で、両手持ちを駆使すれば序盤から弓や刀など、多くの武器を扱いやすい。二刀や両手持ち主体で戦う場合、防御面は盾ではなくローリングによる回避がメインとなるため、比較的打たれ弱い点は気をつけておこう。総じて、テクニックを駆使して正面から敵と戦いたい、という人に向いた素性と言える。
勇者(Hero)
戦斧を振るう屈強な勇者。蛮地の王の末裔とされる。
近接物理特化型の素性。選択できる素性のなかでは最も筋力があり、初期装備として所持しているバトルアクスの攻撃力も高い。また、バトルアクスの戦技“乱撃”は、強力な連続攻撃を繰り出せる。
ただしバトルアクスは振りが比較的遅いことに注意が必要。初期防具の性能があまり高くないことも相まって、こちらが敵に攻撃する前に攻撃され、怯みやすい。攻めに特化して勝利を掴むスタイルはまさに“勇者”らしいが、過度なゴリ押しは危険だ。盾の性能はそこそこ高いので剣士ほどではないが、攻め時を見極めることも求められるだろう。
盗賊(Bandit)
致命の一撃を狙う危険な盗賊。弓による遠距離攻撃も可能。
遠近の物理攻撃ができるの素性のひとつ。初期装備である大型ナイフはリーチが短いが、出血の状態異常を付与できる。また、戦技“クイックステップ”を駆使すれば相手の懐に飛び込みやすいので、連撃を浴びせやすい。その際、生命力が低いので、数度の攻撃で窮地に追い込まれやすい点に注意しよう。最初からショートボウがあり、遠距離攻撃できるのも魅力的だ。
また、大型ナイフには“致命の一撃”の威力が大きい、という特徴がある。通常攻撃で敵のHPを削るほかにも、ステルスで相手の背後からの奇襲のほか、バックラーの戦技“パリィ”やジャンプ攻撃などを駆使して、相手の体勢を崩し致命の一撃を狙っていくと効果的だ。少々のテクニックで大きく実力が化ける素性と言える。
星見(Astrologer)
星に運命を見出そうとする者。輝石の魔術を継承している。
知力と精神力が高く、魔術に特化した素性。魔術“輝石のつぶて”と“輝石のアーク”による優れた遠距離攻撃が最大の特徴で、その反面、生命力は9と全素性の中で最低値。いかに遠距離から敵を撃破していくかが勝利のカギとなる。
初期装備としてショートソードを所持しているため、FPが尽きてもそれなりに物理攻撃で対応できるが、筋力は全素性の中でも最低の8。素性の特徴を活かすのであれば、ショートソードではなく技量の能力補正が高い武器を見つけて装備するとよいだろう。なお、魔術はさまざまな種類があるため、狭間の地の冒険が進むにつれ、星見の真価は発揮されてゆく。大器晩成型の素性だ。
預言者(Prophet)
不吉な予言により迫害された者。回復の祈祷を使用できる。
全素性の中で信仰の数値がもっとも高く、回復と攻撃の祈祷を最初から使えるのが特徴。攻撃用の祈祷“火付け”は発動までの時間が短く威力があるが、リーチは短い。リーチがあって扱いやすいショートスピアを攻撃の軸とし、懐に入ってきた相手にカウンターで“火付け”を使うといいだろう。
また、ショートスピアは盾を構えた状態のままで攻撃できるが、所持している盾の性能は全素性の中でもとくに低い。ゲーム開始直後の戦闘の流れは、中距離を維持しながら攻撃し、戦闘終了後に祈祷で回復する、という形になるだろう。まずは早めにほかの盾を見つけよう。なお、魔術と同様に祈祷のバリエーションも豊富なので、星見と同じく探索の喜びも大きな素性と言える。
侍(Samurai)
隔絶した異国たる葦の地の侍。刀と長弓を用いる戦闘者。
遠近の物理攻撃に秀でた素性。初期装備の打刀はロングソードなどと比較してリーチにやや優れている。また戦技“居合”はクセがやや強いものの、とくに強攻撃は敵をひるませやすく、使いこなせば非常に強力。最初からロングボウによる遠距離攻撃ができるのもうれしい。
一方で、盾の性能はあまり高くない。ローリングによる回避を主体に、両手持ちや戦技を戦闘の軸にするといいだろう。初期防具は防御力が比較的高いため、剣士や勇者よりも強気に攻撃ができる。また打刀の場合は、連続攻撃で出血の状態異常も期待できる。肉を切らせて骨を断つ、侍らしい戦いかたが似合いそうだ。
囚人(Prisoner)
厳刑を宣告された鉄仮面の囚人。元は上流であったようで、輝石の魔術を学んでいる。
優れた物理攻撃のほかに攻撃魔術も使える素性。初期装備のエストックはリーチが長めで、また戦技“貫通突き”はガードを貫く能力を持っているため、盾を持った相手に対しても優位に立ち回れる。
しかし、基本的に多数との戦いには不向きかつ、防具の性能も低く打たれ弱い点は注意。距離を維持して、うまく個別撃破していくことがポイントとなる。魔術“魔術の輝剣”も使いかたを工夫してみよう。能力値の面では信仰が全素性中もっとも低いのが特徴で、それ以外は比較的バランスがいい。技量と知力が高いため、特徴をそのまま伸ばして魔術剣士を目指すのもいいだろう。
密偵(Confessor)
隠密行動に優れた教会の密使。剣技と祈祷を両輪とする素性。
物理攻撃が得意なほか、補助・回復の祈祷が使える。所持しているブロードソードは扱いやすく、盾の物理カット率は100%。初期防具の密使装束は重量も軽めでローリング性能も標準、初期素性装備の中では防御力は高く、歩きながら回復ができる“性急な回復”により回復も可能。
一見すると長所づくしなのだが、生命力が低い点は要注意。初期レベルが全素性中もっとも高いので、生命力を上げたくてもなかなか上がらない、という状況も起こりうる。低いHPという欠点を、ゲームシステムすべてを活用して克服していくタイプの素性と言える。とくに、足音を消す祈祷“暗部の歩法”はステルスプレイに役立つだろう。
素寒貧(Wretch)
何故かは知らぬが裸の者。ただ棍棒だけを持つ。
フロム・ソフトウェア作品では定番の素性。クラブ以外は何も持っていないので、まずは盾や防具などのアイテムを入手することから始めることになる。能力値はすべて10と、得意不得意がないのが特徴だが、レベルは1と全素性の中でも最低値。
序盤は苦労するだろうが、逆に言うと序盤からプレイヤーそれぞれの育成方針が反映されやすい素性で、かつ“後になってこの能力値を上げたくなった”というときにも対応しやすい、とも言える。なお初期装備のクラブは全素性の初期装備で唯一の打撃武器。戦技“野蛮な咆哮”は攻撃力が一定時間上昇し、野蛮な連撃も使用可能になる。
形見も好みで決めてしまってオーケー
キャラクターメイキング時は形見も選択することができる。こちらも最終的には、すべてゲームを進めることで入手可能になるので、基本的には好みで決めてしまって構わない。
また素性同様に、ステータス画面で表示される形見はゲーム開始後に変更できない。“俺は故郷の人たちが総出で集めた“ゆでエビ”をもらって狭間の地に来たんだ……”といったロールプレイにこだわる人は注意しておこう。
強いてオススメを挙げるなら、探索範囲が広がることに直結する消費アイテム“石剣の鍵”。探索中に不意に封印された場所を発見することもあるため、最初から2個ストックがあると気兼ねなく使いやすい。
戦闘面で不安な場合は、聖杯瓶の使用回数が増える消費アイテム“黄金の種子”や、最大HPが増えるタリスマン“緋琥珀のメダリオン”を選ぶのもよいだろう。腕に自信があり、序盤から協力プレイで積極的にホストを助ける善のロールプレイを楽しみたい、という場合、敵に狙われやすくなるタリスマン“シャブリリの禍”が役に立つ。
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