脅威を突破したときの達成感と発見の喜び、独自のオンラインプレイで世界中のプレイヤーを驚かせた『Demon's Souls』(デモンズソウル)。
ゲームシステムは『デモンズソウル』の系譜を受け継ぎながら、火と生命を巡る壮大なサーガを描き、シリーズを通して世界中に熱狂的なファンを生み出した『DARK SOULS』(ダークソウル)。
格調の高いゴシックという世界観に挑戦しながらも、獣を狩るハンターを主人公にした物語、死闘感の増したアクションで鮮烈な印象を残した『Bloodborne』(ブラッドボーン)。
戦国時代を舞台に、隻腕の忍びと主たる御子の絆を描き、剣術や体術、忍具などを駆使した多彩なアクションを実現した『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』。
細部まで行き届いた世界観、徹底したゲームバランスの調整、プレイヤーみずからが発見することの喜びと驚きをもたらすレベルデザイン。フロム・ソフトウェアは一貫した“哲学”を持って、さまざまなタイトルを輩出してきた。
そんなフロム・ソフトウェアが満を持して放つ完全新作のアクションRPG、それが『ELDEN RING』(エルデンリング)である。ここからは本作の注目すべきポイントをピックアップして解説していこう。
『ダークソウル』シリーズの王道進化
『エルデンリング』のディレクターは、前述したタイトルでもディレクションを務めてきた宮崎英高氏だ。氏によると、本作の目指したところは『ダークソウル』シリーズの王道進化であるという。
フロム・ソフトウェアがシリーズの制作を通して培ってきたアクションやレベルデザイン、世界観の表現といったノウハウを、よりスケールの大きく、進化したゲームとして結実させる。そのコンセプトを目指した結果、本作はフロム・ソフトウェアでも最大規模のボリュームを誇るタイトルとなっている。
“エルデンリング”を巡る群像劇
永遠の女王マリカを戴く狭間の地で
黄金樹の根源たる、エルデンリングが砕けた
マリカの血を受けた子供たち、デミゴッドたちは
エルデンリングの破片たる大ルーンを手にし
その力に狂い、歪み、破砕戦争を起こし…
大いなる意志に見捨てられた
そして、かつて瞳から黄金の祝福を失い
狭間の地を追われた褪せ人たちの元に
祝福の導きがもたらされる
祝福なく、死にきれぬ死者たちよ
導きに従い、霧の海の先、狭間の地に向かい
エルデンリングに見えよ
そして、エルデの王となるがよい
本作の制作には、テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作『氷と炎の歌』シリーズなどを手掛けた作家、ジョージ・R・R・マーティン氏が参加している。
ジョージ・R・R・マーティン氏が本作のために執筆した“神話”は物語の土台となっている。その神秘的で、複雑な血縁と関係性の上に成り立つ歴史的な叙事詩は『エルデンリング』の世界に厚みと刺激をもたらすことになった。
登場人物たちの思惑が交錯する群像劇の中で、主人公たるプレイヤーは王を目指し、世界に秘められた謎に迫っていく。しかし、本作は決まったストーリーラインを追うゲームではない。断片的に語られる物語をプレイヤー自身が集め、紡いでいくことで世界の輪郭が浮かび上がっていくだろう。
圧倒的に自由なオープンフィールド
『エルデンリング』の世界は、オープンフィールドで描かれている。果てしなく広がる自然のほかにもダンジョンや巨大な城、地下墓地など、多彩な場所が存在する。そのすべてをプレイヤーは自由に行き来し、冒険を楽しむことが可能だ。
冒険の舞台となる“狭間の地”には膨大な未知と脅威があり、プレイヤーは手探りで探索し、発見と踏破の喜びを感じる。そのために、没入感を増す要素がふんだんに盛り込まれている。
広大なフィールドをストレスなく駆けるための霊馬。探索の範囲をさらに広げるためのジャンプアクション。道に迷ったときの指針となる“祝福”からの導き。そして、下深くに広がるダンジョンや、立体的で多重的な構造を持つレガシーダンジョンが、探索のおもしろさをより深くする。
道中で手に入れた素材を使ってアイテムクラフトを楽しむ。強敵との対峙を避けて、新たな道筋を探すのも手だ。時間が経過することで変わる様相に合わせて行動するのもいいだろう。この世界を進む術はプレイヤーの手に委ねられている。
没入感を増すキャラクタークリエイト
外見はもちろん、武器・防具や魔法などを自由に選定して組み合わせて、思うがままキャラクターを作り上げることが可能だ。
真正面から困難に対峙できる近距離攻撃に特化した戦士となるか、魔法を極めて遠距離からでも敵を屈服させられる魔術士となるか。自分のプレイスタイルに合わせた成長を楽しむことで、より深いロールプレイが実現する。そのために、数多の要素が本作には用意されている。
戦略と挑戦が達成感につながるバトル
本作のバトルは、『ダークソウル』シリーズと同様に決してやさしいものではない。しかし、いままで以上にプレイヤーの選択肢が増したことで、戦略と工夫という攻略の間口は大きく広がっている。
剣戟による近接戦闘、魔法や弓を使った遠距離戦闘で立ち回りは変化する。戦技や戦灰の組み合わせだけでも、取れる行動も大きく変わる。パリィだけでなくガードカウンターといった瞬時の対応も増えている。
霊馬に乗っての騎乗攻撃、ジャンプアクションを活かした攻撃、敵に気づかれないよう行動するステルス、攻略の糸口を増やす“霊体”の召喚。
緊張感のある戦闘は健在だが、多彩に用意された選択肢から好きなスタイルにアプローチすることで、困難は必ず突破できる。そのとき、プレイヤーが手にするのは、圧倒的な達成感だ。
ざっくりと本作の概要を紹介してきたが、より深く『エルデンリング』の魅力を知ることができる詳細な記事は、このポータルサイトで随時解説していく。本作のすべてを紹介することは、いまは難しいかもしれないが、記事を読んで、新たな冒険への興味が少しでも生まれるのであれば幸いだ。