“自治厨”よろしくコミュニティーサイトをパトロ ールしながら進める物語は、インターネット黎明 期に確かにあったコミュニケーションのもどかし さ、“痛さ”を、青春もののアドベンチャーへと昇 華。“Miiverse”的機能を彷彿させるデバイスのメ ニュー画面をゲームのUIにしたデザインや、チャ ット時に生じるラグが没入感を高める。 懐かしさや青さ、JRPGに夢中な主人公た ちが、こそばゆい作品です。

週刊ファミ通1927号より

ひと昔前のソーシャルゲームネットワークを疑似 体験するかのような内容に心惹かれる。チャット の返信やコミュニティーへの投稿を行うことで、 ストーリーが進行していく仕組みが没入感を高め ます。センシティブなテーマも含んだ物語ではあ るけれど、それに対するフォローがあるのはいい ね。オンラインのコミュニティーに初めて 触れたころの、懐かしい気持ちを思い起こ させるような空気感がエモい。

週刊ファミ通1927号より

ベースとなっているのは個人的な思い出かもしれ ませんが、普遍性のある物語。サービス終了や、 オンラインコミュニティーでのつながりにまつわ る、どうしようもない寂しさととてつもない切な さに、胸がチクチク痛みます。程度や子細は違え ども、多くのゲーマーにとって共通の記憶を、粗 削りなところはありますが、ゲームという 形で表現している点に好感。光の差すエン ディングにも救われる思いです。

週刊ファミ通1927号より

お国柄の違いか、自身の心境変化のせいか、一部 フレーバーテキストのニュアンスにピンとこない 部分もあったけれど、古風なネットフォーラムの “無風そうで何かが起こりそうな、独特の張り詰め たムード”の再現自体はお見事。ゲーム内でできる ことが少ないため、万策尽きることはありません が、ややテーマに真っすぐすぎな印象も。 個人的には、仮想端末の機能に遊び心を 盛り込んでほしかったです。

週刊ファミ通1927号より