風乗り勇者の物語(プレイステーション4)のレビュー・評価・感想情報
1990年代の王道ファンタジーRPGの冒険にガチャ要素を追加して、極力当時に近い形で手軽に味わえる1本。スキル取得や能力強化などの効果を持つ“クォーツ”で、自分好みにキャラクターを編集できる育成システムが本作の個性に。一方、“ビークル”に乗って移動するシステムは、乗り降りのボタンが別々なうえ、移動スピードが徒歩とほとんど変わらないなど、使い勝手がよかったら、と思う部分も。
週刊ファミ通1759号より
イベントシーン用のスチルがあるなど、ほかのケムコ製RPGよりも演出面が凝っているのが好印象。ドット絵の質もいい感じ。装備することで能力の強化以外にも、スキルや必殺技を使用可能になる“クォーツ”が戦術のカギとなる構造は、装備のチョイスやどれを強化していくかを考えるのが楽しみに。ただ、クォーツがアイコンで表示されるのは、強化やセットをするときにパッと見でわかりにくいかな。
週刊ファミ通1759号より
オーソドックスなRPGのスタイルで独自の工夫を凝らす手法は、もはや職人技。今回は“クォーツ”というアイテムで、キャラの特性を“付け替える”のがおもしろい。戦闘はポイント回復のシステムが特殊で、どのスキルをどのタイミングで使うべきか、戦術性が高め。構造的な制約でどうしてもありがちな構成になるお話も、素朴で気のいい主人公をはじめとしたキャラの描写でハートフルな味付けに。
週刊ファミ通1759号より
王道ファンタジーRPGのエピゴーネン的物語展開は、ゲームを続ける動機付けとしては必要十分。戦闘は被ダメージ量が大きい短期決着推奨のバランスです(課金でレベル上げをラクにすることも可能)。“クォーツ”の強化・シナジーがスリリングな戦闘を制するカギのはずなのに、ゲームオーバー後の再戦時にそれらを変更できない……など、致命的ではないものの不便さを印象づけられる場面が多々あり。
週刊ファミ通1759号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
ファミ通公式のレビュー文、レビューアーイラスト(画像)等の無断転載・複製をお断りしています。