ホラー・テール:ザ・ワイン(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
地中海に浮かぶ島の“美しい風景”と“廃墟と化した街”の相反する要素が融合し、ホラーアドベンチャーとしての探索を盛り上げる。マップの謎解きや仕掛けは、1990年代の3Dアドベンチャー黎明期を感じさせるクラシカルなスタイル。カメラアングルを駆使した誘導などがあれば、探索に集中できたかな。また、ステージに散らばるテキストで物語を推測するスタイルだからこそ、日本語訳が気になりました。
週刊ファミ通1741号より
ときどきビクッとさせられるホラーの雰囲気を味わえつつ、幻想的で美しくもある景色の中を探索するのは、わくわくもする体験。後ろを振り返ると、ついさっきまで見ていた光景とは違った状況になっていたりなど、プレイヤーを驚かせる演出もいい感じ。仕掛けを解いて進んでいく構造は楽しめるものの、くり返し遭遇するパズルについては面倒に感じることも。翻訳もおかしな部分がちらほら。
週刊ファミ通1741号より
パンデミックの脅威と、それが引き起こす人為的な恐怖という背景には、誰もが共感のようなものを覚えるのでは。翻訳がわかりやすければ、また、謎解きと物語との結びつきがもう少し強ければ、もっとお話にのめり込めそうです。暗く閉塞的な廃墟の探索は、狭さとカメラワークとが酔いを誘発しますが、ホラー作品としての雰囲気は◎。たまに外へ出ると地中海の青空が眩しく、その開放感は格別でした。
週刊ファミ通1741号より
カラッと明るい場面と暗く陰鬱な場面のコントラストが効いていて、特定の舞台を黙々と探索しているムードを満喫できます。“謎解き”というよりは“手続き”に近いギミック操作は賛否あるかと思いますが、探索の最低限の緊張感はキープされているかなと。ただビックリさせることに特化したホラー演出や、3D酔いを誘うヌルッとした視点移動に関しては、生理的な相性がモロに出ます。私はダメでした。
週刊ファミ通1741号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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