ゾンビよりも、暗闇と音を駆使して恐怖を演出するタイプのホラーアドベンチャー。限られたアイテム数がバトルに緊張感をもたらし、昼ドラのような展開のストーリーが探索の背中を強く押す。主人公をはじめ女性キャラがセクシーなのは歓迎なんだけど、いちばん接する機会が多い移動のモーションがカクカクしているのが……。物語で見せる作りのため、フラグ管理がおおらかなのも気になりました。

週刊ファミ通1678号より

ダメージを受けるほど服が破れるなど、ホラーとセクシー要素の組み合わせが、やや安っぽさを醸し出しつつも様式美を感じさせる。ときおりビクッとはさせられるものの、ゾンビが弱くて怖さは薄め。先を見たくなる物語ではあるけど、暗証番号を探しては入力するばかりの謎解きは、いまいちおもしろみに欠ける。また、重要なアイテムを入手したときは、それがわかりやすく伝わる演出が欲しかった。

週刊ファミ通1678号より

ダメージを受けると服が破れて肌が露出していく、セルアニメタッチのダイナマイトボディーな人妻。これがこの作品のすべて、と言っても過言ではないのでは。正直、謎解きはやや単調で、ストーリーは少々盛り上がりに欠け、アクション部分はオマケ的にも思えました。ですが、主人公はじめキャラクターの描写には作家性が感じられ、不思議と魅力的で、彼女たちの戦いを最後まで見届けずにはいられません。

週刊ファミ通1678号より

状況や人間関係が唐突に提示されていく物語展開はいかにもパニック系サスぺンス的。極限状態であらわになる人間の“裏の顔”も毒気たっぷりに描かれています。アイテム取得時のリアクションが効果音のみなど、ゲーム進行関連の演出の不十分さが、物語世界の臨場感アップに何ら貢献していない点は気になりました。難度はさほど高くないので、適度に道に迷いつつ戦いつつを楽しむぶんにはいいかも。

週刊ファミ通1678号より