Deracine(デラシネ)(プレイステーション4)のレビュー・評価・感想情報
VRの醍醐味は、現実とは異なる世界で、リアルな体験ができることにあると思う。その点において、本作は非常に優秀。舞台となっている古い寄宿学校を歩き回るだけでもなかなか楽しいのだが、妖精となって止まったときに干渉し、生徒たちと次第に仲よくなっていく過程がおもしろい。ポインタ選択による瞬間移動は、違和感やVR酔いはなく、快適。ただ、PS Moveが2本必要なのは、少し敷居が高いかな。
週刊ファミ通1563号より
時間の止まった空間を生きる妖精となって、人々の様子を断片的に垣間見たり、思い出の声を聞くという設定が、VRによる演出との親和性が高く、幻想的でありながらリアリティーのある不思議な世界を体感できる。序盤の穏やかなムードから、中盤、終盤とそれぞれ違った空気感に変わるシナリオも興味深く、子どもたちがとても愛おしく感じます。移動は若干面倒な部分もあるけど、酔わずに遊べていい。
週刊ファミ通1563号より
ゲームの世界に入り込み、目に見えない存在として影響を与える妖精という立ち位置が、VRと好相性。PS Moveを2本用意するのはたいへんだけど、触れることで何かが起きる描写は、まるで魔法のような体験をもたらしてくれます。子どもたちとやりとりするうちに、温かい気持ちになれるストーリーも心にじんわり。移動方式やエピソードの長さなど、疲れにくいように考慮されていて助かりました。
週刊ファミ通1563号より
システムとストーリーの両方に深みと独自性を与える、“止まった時間の中を探索する”アイデアがすばらしい。コマンド選択式のアドベンチャーをVRに最適化することで、どこか懐かしいけど、新しいプレイ感を引き出している。寄宿学校の生徒相手に、ささやかな奇跡を起こす心温まる物語だと思ったら……中盤以降の展開にビックリ。前半部分の振りと伏線が効いて、ミステリーとしても楽しめます。
週刊ファミ通1563号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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