メモリーズオフ-Innocent Fille-(プレイステーション4)のレビュー・評価・感想情報
序盤は恋愛ものとしてお約束の展開が続くが、そこから意外性のあるさまざまなドラマへと分岐。プレイの途中で物足りなさや過剰な甘さを感じても、すべてのエンディングを見れば、本作の印象が大きく変わるはず。過去の『メモオフ』シリーズのその後にも触れた、集大成的な作品ともなっており、過去作のプレイヤーには懐かしく、チクリと刺さるシーンも散りばめられている。ノスタルジーを感じる一作。
週刊ファミ通1529号より
恋愛メインの“ライトサイド”と、サスペンス風味で毛色が変わる“へヴィサイド”のストーリー構成はおもしろみがある。ただ、“へヴィサイド”への進みかたがわかりにくいかな。周回プレイ時に、選択肢までジャンプする機能がないのもやや不便。ところどころで、ふたりのうちのどちらをあきらめるかを選ぶ場面があるのは、あくまでも選択肢のひとつだが、苦渋の決断であることが強調されるのがいいね。
週刊ファミ通1529号より
親友との板挟みになる少女、複雑な三角関係に陥る主人公など、どちらにつくこともできない苦しみがくり返し描かれます。やがて、一方を捨てることを迫られ、どちらを選んでも暗い気持ちに。ときに狂気すら感じる、純粋な女の子たち全員の想いに応えたくなります。いじめや、取り返しのつかない過去など、直視するのが辛い問題に、正面から向き合おうとする主人公の勇気がまぶしく、ほろ苦い。
週刊ファミ通1529号より
深さは異なるが、主人公やヒロイン候補など、主要人物は心に傷を負った者ばかり。傷を癒し、ときに傷つける物語と、冬の海辺の町というロケーションが、いとおしさと切なさを倍増させる。ロード画面で、王道ラブストーリーの“ライトサイド”とサスペンス要素強めの“ヘビィサイド”のどちらに進んでいるかがわかるのも親切。シリーズ過去作での出演キャラたちの、出しゃばりすぎない距離感もステキ。
週刊ファミ通1529号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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